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落掌  作者: 実嵐
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居場所を明かす

加賀美は喫茶店にいったり、警視庁にいったりしていたために夕方になってしまった。新聞社の近くのネットカフェを探した。それは済む場所がないわけではないのだ。須藤がジャッジマンと対面するほど会える立場にあるが、最初に会うには時間がかかるうえにパソコンが使える場所がネットカフェしかないと思わせる狙いもある。最近では鍵があり、個室になっていたのだ。店員にパックを払った。シャワーもあるので大した不便もない。加賀美は部屋番号が書かれた鍵を持った。

「それで過ごしてください。」

「わかりました。」

「そうだ。メンバーズカードを作りませんか?」

店員は丁寧に説明をしてくれた。大概はメンバーズカードを作らないとならないらしいことも言っていた。それに従ったのだ。部屋も座りやすいほうを選んだ。タイプといわれても初めてなので大してわからないのだ。加賀美は番号の書かれた鍵を書かれた番号と見合わせた。

「あんた、初めての人?」

「そうです。」

「まぁ、大体はいてればわかるよ。俺は大学の授業がないときに顔を出しているんだよ。大学にいても暇だし、バイトもないのにいても仕方ないからな。此処で時間つぶせばどうにかなるし、うるさいとか思うこともないから。居心地もいいしね。」

少し髪を茶色に染めていかにもと思えてしまうが、人は見た目じゃないのだと思わせる本を見つけた。弁護士を目指しているのかと思うほどの法律の本を見つけた。

「君は知っているのかな。ブラックリストというサイトを。」

「えぇ、知ってますよ。やばいと噂のサイトのことですよね。大学でも言われてますよ。教授が言うには弁護士じゃないかって。弁護士の登録番号と思わしき数字が書き込まれていることに気づいたみたいです。その教授の知り合いに検事をしていたけれどやめたとかいう話を聞いたそうです。」

大学生はそう言って自分の部屋に入ってしまった。弁護士の登録番号を書き込んでいる人が現れているということになる。大学生が言っていた教授の見立てがあっているのなら弁護士が殺される犯罪者を選んでいたのだろうか。検事をしていたがやめたとなれば弁護士としての誇りが生まれているはずである。検事としての手法も知った上で行っているので下手な弁護士より腕がある。仮定として浮き上がるのは裁判をしていて勝ったのはいいが、本当の犯人だったという説なのだ。加賀美が浮かべるのは黒スーツを着飾った正義感のあふれて誠実な人なのかもしれないと思ってしまった。

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