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落掌  作者: 実嵐
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苦い中の酸味

ブラックリストの部分に明らかに人工知能と書かれている。

「ブラックリストには人工知能が入っているんですか?」

「はい、ジャッジマンに聞いたら殺された犯罪者の判別は今は人工知能に任せているって言ってましたよ。誰かインターネットとか詳しい人が取り入れたんじゃないんですかね。最後は殺すのは人ですし・・・。」

新聞記事で取り上げたことがあるが、今じゃ小説家も人工知能に奪われてしまっているのだ。売れる作家ほどなりやすく、作家もてこずっているために隠しているのだという。名前はその作家でもアイデアをもらったり最後は描いたりしている人も現れているのだ。手法が分かられた故の行く末とも言えてしまう。新聞記者も当たりそうだが、波にのまれたところも現れている。だが、その時その時の内容に合わせたものになる。

「ジャッジマンはかなり昔からいるということは処刑台のころから見ているということにも関わっていることが明確ですね。」

空っぽになったコーヒーカップを見た須藤は新しいコーヒーはどうかと提案してきた。コーヒー豆にこだわっているのはいいがこだわりすぎて答えを見失うことを恐れてしまったりするのだ。だから、原産国をある程度決めて仕入れているらしい。

「仕入れる場所に行けばコーヒー豆ってあふれていますからね。ブレンドをしたりしているのでいいんですよ。おすすめは飲まれましたよね。なら、他のブレンドを飲まれますか?」

「それでお願いします。・・・長居してすいません。」

「いいですよ。父の功績なんて警察に渡せば捨てられますし、新聞社に投稿すれば面白半分で来る輩もいます。社会部が来ずに文化部だといってきて喫茶店の話をして終わりです。そんなものなんですよ。父は偽善者がはびこる世界にしていることも起きている原因だといってました。」

彼は晴れた笑顔の中に寂しさをにじませた顔を見せた。哲司の功績を認めるところはないといわれているのが分かっているのだ。『ユリ』という喫茶店を継いだのも父親の行為を1人でも認めたという証だったのかもしれない。それを同じ記者が荒らしたのだ。デマを掻き、自己満足として存在していたのだ。彼は無言の怒りを示していたのだ。それがバリスタになるということになった。あらゆる新聞社に送ったのだろう。何処も相手にするどころか、警察の権力におじけづいてしまって相手にしなかったに過ぎない。須藤は新しいコーヒーカップにコーヒーを注いでもって来た。苦味もあり、酸味の中に甘味を感じる味がした。

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