裏の顔
哲明が哲司に聞かされているのは警察の実情だった。警視庁捜査一課に所属になった時に喜んでいたのを思い出したのだという。
「幼いころでしたけど、母も父も警視庁の捜査一課というとかなりのところなので実力も認められたと喜んでいたんです。何時もじゃ飲まない缶ビールを飲んでいたのを覚えています。」
「そうだったんですね。」
カウンターには加賀美だけしか座っていないのだ。須藤の指示なのだろうか。それともバイトの子が慮ってやっているのか。
「最初に対応したバイトの子は俺の知り合いの子供なんですよ。バイトをしたいわけじゃなくて、コーヒーのことを詳しく教えてくれるカフェなんてあるわけじゃないって知ったみたいで知り合いが泣きついてきたんです。それで最初はバイトで実力を得てから正社員になることになっているんですよ。コーヒーについて詳しく教えていたりしている最中なんです。」
須藤はノートを見ているのに邪魔にならない程度に話してきた。父親の事件を追ってくれていることにも喜んでいるんだろう。処刑台を曖昧にせざる負えなかった警察を少しばかり思ったのだろうと考えた。警察も未解決事件のままでおいているさなかに新たな事件が起きたのを鵜呑みにすることもできないのだろう。警察も動いているようだが、海外のサーバーには負けてしまうのだ。
「警視庁の人とかは知っているんですか?」
「知るはずがないと思いますよ。父は刑事をやめてから警察を嫌ってましたし、元刑事の喫茶店だからといって何も言わずに犯人を追い込むためにうちを使ったりするんです。最悪の時は家具とか平気で壊しますからね。親父はそれに怒ってましたよ。壁を壊したりしたのはかなり弁償してもらいましたよ。」
そう聞いているとかなり太い文字で囲まれている名前らしきものがあった。匿名で行っているので、あだ名のようになっているのだ。
「ジャッジマンと書かれているんですが・・・。」
「あぁ、それですよ。警察がてこずっている奴です。海外のサーバーを伝って書き込まれているので警察じゃてに負えないんです。処刑台にもブラックリストにもいるんですよね。俺も調べているうちに対面で連絡を取っているんです。」
哲明は連絡を取り合っているうちに感じるのは犯罪者の裁判にやけに詳しくなっていることだった。彼の予想としては弁護士か裁判官、検事だと思っているのだという。職業を明かすつもりもないこともわかっているのだ。だからこそと考えているのだ。