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落掌  作者: 実嵐
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組織故の悪

黒岩隆吾にとって生みの親の真実を知った時にはさすがに抵抗はできなかっただろう。過去の新聞記事を見つけてみたのだろう。そこで書かれているのは警察の行いだったのだろう。世間は津田海に決まったと思ってもいたのだろうから。

「津田事件は今でも未解決事件の含みにはまっていたりするのよね。テレビ番組の特集みたいな形で・・・。それをするっていうことはテレビ局の人も疑問に思っているっていう証ってことのよね。これで全て明らかになったら津田海っていう人の冤罪が決まることになる。たとえ、犯人が死んでいたとしてもね。」

彼女の中にも残っているほど扱いが雑な事件だったのだ。警察が事件を隠したかったのは、その中に拳銃の買収にかかわっていた人間がいたと想定してもおかしくない。加賀美は突き出しをつまみながら思った。黒岩隆吾は、津田隆吾は警察や検察から親を奪われたうえに事件をもみ消すことにも利用されてしまったのだ。

「息子が殺人犯になってしまったのは確実に警察の責任になるわ。テレビじゃもっぱら警察、検察、裁判所の責任が浮かんでいるわ。記者会見をしたとしても誰かが責任を取ると思うけど、担当していた下っ端くらいが天下りに行くくらいじゃ割に合わない事件よね。」

警察が行うのはうわべだけの責任の取り方なのだ。それを許すことができるのか。人が死んでも他人事にできるのは神経が通っていないといわれてもしょうがないことだ。責任を取らぬ方法を模索するのは妥当ではないと判断することができるのはいったい何時なのだろうか。間違えた道を選ぶ組織が堂々としているだけはダメなのだ。面だけを持った役に立たない組織はつまらないのだ。

「これからはマスコミが警察の動向をかなり詳しく見るようになるから警察とかからしたら厄介じゃないのかしら。それだけのことをしたって知らしめないといけないのよ。人の死が絡んでいるんだから謝罪会見も平謝りじゃすまないのよ。大概平謝りとか他人事のように謝罪会見をしているけど、それじゃあいけないの。もっと誠心誠意をもってやらないと変わらないの。変わらないといけないときになっているのに・・・。」

警視庁の近くにあることもあって愚痴がもしや警察官に聞かれているのではと加賀美はひやひやしながら聞いた。それでも訴えないといけないことが生まれているのだとも思った。彼女に任せた料理が次々と出てきた。うまい料理がうまいといえない状況になったことは話していることが原因だということもわかっている。それを作り出した組織があることも事実だ。

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