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落掌  作者: 実嵐
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罪の種明かし

 家に戻る度に仰々しい恰好をした人達が幸吉の部屋へと入っていったのだ。不自然に思ってドアの前で盗み聞きをしたところ、そこで津田と卜部という苗字が浮かび上がったのだという。

「その当時は何にも思わなかったですよ。まだ幼かったですし、家の事情で俺は黒岩になったとしか思えなかったんです。」

隆吾の語り口調からはその時に知らなければよかったともとれる言葉の数々だった。小学生だったこともあってか、流していたことも多かったのだという。幸吉の本当の息子は遊んでくれることも少なく、しょうがなく付き合ってやっている感じもあったのだ。特に長男は勉強をしているばかりだった。知識も多かったこともあって公立の中学ではなく、私立に通わせていたのだ。

「俺だけ小学校や中学校、高校、大学も公立や県立とかに通ったんです。まさか俺が法学部に行くとまで思っていなかったんでしょう。余計に検事になるように言われたんだと思います。余計な情報を他から見聞きすることがないように・・・。」

津田という名前に疑問に思ったのは中学生の時だったこともあってか、図書館で新聞を眺めた。その時に津田海という名前が大きく載っていた。加害者として映っていて小さくだが、子供の名前も書かれていたのだ。

「そこに隆吾って書かれていたんです。疑いは中学の時からなんで長いですよね。」

高校の時に入りパソコンに詳しい子と仲良くなった。そこでサイトの作り方から海外のサーバーの経由の仕方まで教えてもらったのだ。

「たぶん、そこからなんですよね。高校に入る時に戸籍を見て疑いをもって、役所に言って聞いてみると特別養子縁組ではなかったこともわかって、津田海と秋絵という名前を知ったんです。本当の家族であること、津田の事件においては警察から検察、裁判所の行動が不自然に思っていたのか、マスコミが書き立てていたこともわかったんです。」

その仲が良かった子がいじめを受けていることが分かったのだが、何もすることができず、自殺してしまったのだ。憎い相手を見つけてしまったこともあってサイトを立ち上げてその人達をたたき落とす目的で始めたのだ。

「処刑台という名前を付けたのはその友達を死に追い詰めた人物の名前を書きあげてその高校から追い出すことだったんです。その通りにことが進んだことがうれしかったんです。俺はその高校は腫物扱いを受けることが多かったから居場所を作り上げたと思ったんです。」

処刑台に書かれる内容は教師の名前から犯罪者まで多岐にわたるようになった時に、一審と二審で判決が下がったことを嘆くコメントを聞いて殺す計画を立てることにしたのだ。

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