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充太  作者: 斎藤ベコ
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5.夕方


センニチコウ、ペチュニア、、、

ヒユ科、ナス科、、、


「充ちゃん、おウチ入らないのー?」

縁側からママが心配そうに見ている。

「雨降ってきてちゃうわよー?」

「大丈夫です。まだ入りません。今日の降水確率は6時から20パーセントです。降りません。」

庭の花壇にしゃがみ込む充太が首だけ回して答える。


○○市現在降水確率20パーセント、、、湿度65パーセント、風向き南1.2メートル、、、


「ただいまー、何してんの?」

香苗が帰宅してきて、充太とママに気づく。

「おかえりー、」

「おかえりなさい、香苗ちゃん。」

「ただいま。何?まーた観察してんの?」と香苗が充太に近づく。

「お花です。」と充太。

「何回言ってもおウチ入らないのよー、今日木ノ下さん来るし、雨降って濡れたら怒られちゃう。」

「おねぇちゃんは?」

「お弁当屋さんの人達と飲み会行っちゃった、よろしくって」

「へぇ、職場?めずらしいね、、、充太!中入ろうよ!木ノ下さん来るんだって!」

「雨は降りません。…まだ入りません。あ、カタツムリです!」

「はぁ」とママと香苗はため息をついた。こうなると充太はもう動かない。一切動く気配がしない充太に香苗が聞こえないくらいの声で「頑固太郎!」と庭でまるまる背中に毒づいた。


それから日がすっかり落ちた頃、高野家の門を開けた木ノ下はガサゴソという音と共に頭からすっぽりビニール袋を被せられた充太を発見して、腰を抜かしそうになった。

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