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充太  作者: 斎藤ベコ
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4.休み明け


「カルビ焼き弁当ひとつと、日替わり弁当ひとつでよろしいですか?」

休みというのは本当にあっという間に終わる。気づけばまたいつも通りの日常に戻る。休み前が一番楽しいのは社員でもバイトでも同じだ。


昨日、休日3日目は一日中家にいた。朝は充太が散歩に行くのを送って、夕方は泥だらけで帰ってきた充太を着替えさせた。今日木ノ下さんが来るので泥だらけにしていたら何を言われるかわからないため、一生懸命充太の体をタオルで拭いた。また母が寝てから香苗と充太と9話を観て、何もしてない1日があっという間にすぎた。


お昼のピークが過ぎ、今日は私と佐藤さんが先に休憩入る。休憩室で日替わり弁当を食べた。社員割引で300円払えば食べられる。佐藤さんは家から持ってきた菓子パンをカバンから出して食べ始めた。


「美咲ちゃん3連休どうだった?」

休憩室にある小さなテレビを見ながら佐藤さんが私に聞いてくる。あっという間でした、と素直に答えた。


「んふふ、そうよね」と佐藤さん。

「はい、仕事に来たくなくなりました。」

んふふ、とパンを咥えながら佐藤さんがまた笑う。

「ミサキハオンセンイッタンダッケ?」とリーさん。

休憩室のカーテンを開けて厨房のリーさんに行ってないよ!と叫ぶ。

「それ、店長じゃない?」と佐藤さん。

「アー、テンチョウダッタカ!」

「店長温泉行ったんですか?」

「ううん、まだ。月末って言ってたかな?」

「ワタシ、キンツバノオイシサ、サイキンハッケンシタノサ!ダカラキンツバオミヤゲガイイナー!」


キンツバオイシイダロ?と聞かれて、えーきんつばー?と思わず漏れる。佐藤さんはたまに食べると美味しいわよねぇー、なんて言うが私は温泉のお土産なら無難に温泉まんじゅうがいい。店長の話をしたらそういえば最近店長に会っていないことに気づいた。


段々日も傾いてきて、6時になったが今日はあまり人が来なかった。客のいない間、それぞれヒマをつぶすために雑用をこなす。


「3連休の間に中学の時の友達と会ったんですけど」

なんとなく口を開くと、ウンとか、あー言ってたねーと3人とも顔も上げずに会話が始まる。

「あの、中央区の駅前にあるカフェに行ったんですけど、美味しかったですよ。」

ヘー、ふーん、という相槌の後に、あれ?飲み会行くって言ってたのは?と佐藤さん。


「あー、飲み会は次の日で、それは前の職場の人とです。あ、そっちも駅前だったんですけど、中華居酒屋みたいな感じで美味しかったですよ。」

へぇー、ホー、と相槌。

「いいなぁ、私も飲みたくなっちゃった。」

「ワタシモビールイキタイ。」

「…いく?」「イク?」

2人が目配せして声が揃う。美咲ちゃんも行こうよ!と言われて断る理由もないので仕事終わりに3人で飲みに行くことになった。

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