六面
[6面 吸精女の白い月 Bamboo forest suck moon]
<クラウンピース> 最狂の地獄の火
クラピ「やあっと見つけたよ」
「人間だけが精を奪われている」
「その根源、淡い光を放つ白い月を
ね!」
哀兎 「それは、吸月……」
クラピ「キュウゲツ?」
哀兎 「精を吸う月の事」
「そしてそれは、私が作った」
クラピ「つまりあんたが黒幕ね」
哀兎 「だからなに」
「この頃の幻想郷は、人は妖を軽視し
すぎている」
「そうなると妖の存在は消える。な
ら、人間に恐怖を思い知らせるしか
ない」
クラピ「だからって、全員吸う意味はあ
る?」
哀兎 「この能力、月は小回りが利かない」
「玉に瑕」
クラピ「それで万一、人が大量に死ぬなんて
事があったら」
「ご主人様に、迷惑がかかる可能性も
ある」
「ここで倒れてもらうわ」
哀兎 「かかってこい、地獄の妖精」
「精に充ち足りた妖精は、私にそれを
吸われるまで、苦しみ悶えるがい
い!」
「妖怪の脅威は、真実の月を遥かに越
す! それを身に染みろ!」
〜〜〜〜〜少女弾幕遊戯中〜〜〜〜〜
クラピ「はあはあ、まだやるのぉ?」
哀兎 「もう終わり? ならこれに帰依し、
帰れ」
紫 「待ちなさい」
哀兎 「!」
紫 「待った方が利口よ」
クラピ「あんた……いつぞやの妖怪?」
哀兎 「紫? 何しに来た?」
紫 「確かに、最近の妖怪は甘く見られが
ちかもね」
「でも、やり方が違うわよ。私に事前
に、相談してくれたっていいじゃな
い」
哀兎 「人は、これくらいしないと。また平
和ボケする」
紫 「それを解決する私や霊夢の身にもな
ってみなさいよ」
クラピ「そーそー! 人間をあんたが標的に
したから巫女が倒れて」
「あたいが出向かなきゃいけなくなっ
てるの!」
紫 「ええ、貴方が伝えたい事の99.3%届
いてないわよ」
哀兎 「紫なら、解決できる?」
紫 「さあ、でもこの異変よりは、ずっと
容易いわ」
哀兎 「ふぅん……」
クラピ「なら、あたいが手伝ってあげよう
か?」
「この松明にかかれば、簡単簡単ちょ
ちょいのちょいよ!」
紫 「……こんな、頼もしい妖精も居る事
だしね」
哀兎 「妖精は好まないけど、適任な気はす
る」
クラピ「さあ! 里に行って狂わせて行くよ
ー!」
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<矢田寺成美> 衆生を救う魔法地蔵
哀兎「地蔵……?」
「竹林にそんな物を置くか?」
成美「よく見て、それ動いてるでしょ」
哀兎「幻覚じゃなかった」
成美「そんな訳ないでしょ、貴方を止めに来
たんだから」
哀兎「地蔵が?」
成美「そこはもういいわよ、飽きた」
哀兎「まあ、何だろうと関係ない」
「邪魔するのなら、貴方も吸ってあげ
る」
成美「あら、怖いわぁ」
哀兎「舐め腐っていられるのも今のうち」
「軟弱なる人を救う地蔵など、私の思想
には不必要!」
「信仰の精までも、吸い尽くす!」
〜〜〜〜〜少女弾幕遊戯中〜〜〜〜〜
成美「残念」
「人が味方の私には勝てないわ」
「おまけに魔法付き」
哀兎「うう、人を調子付かせちゃダメなの
に」
成美「何か事情でもあるの?」
哀兎「引っ込みそうな貴方に妖怪事情は判ら
ないか」
成美「妖怪事情?」
哀兎「最近妖の力が弱まっている」
成美「確かに、妖怪はあんまり見かけなかっ
たかも」
「妖精は燦々としていたのに」
哀兎「彼奴らは呑気なものだから」
成美「嫌いなの?」
哀兎「まあね」
成美「ふーん。ま、私達が迷惑するわ、その
月消して頂戴」
哀兎「……うん、でも」
成美「え?」
哀兎「これから里を襲いに行くのは見逃し
て」
「殺しはしないから」
成美「な、何それ……?」
哀兎「因みに、さっきのは本気じゃない」
「邪魔したら、今度は吹き飛ばすから」
成美「お、おーけー」
「それ以外変な事しないでよ(やっぱり
外行くんじゃなかった……)」
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<パチュリー・ノーレッジ> 脆弱な大魔女
パチェ「結構奥まで来たけど?」
「! 月光が近いわね」
哀兎 「何しに来た、魔女」
パチェ「魔女には、小屋で鍋を回すのがお似
合いでしょ?」
「わざわざ此処に来る訳は一つでしょ
う」
哀兎 「精を吸えば、巫女も動けなくなるか
ら、誰も来ないかと思ったんだけ
ど」
「今度は、人の知人が来てしまうと
は……」
パチェ「そんな事言ってる暇あるかしら」
哀兎 「?」
パチェ「私の帰りたい欲の前に、貴方は倒れ
る」
「これは決定事項」
哀兎 「そう」
「ならそれさえも、吸い尽くして」
「魔の力でも使おうかしら」
〜〜〜〜〜少女弾幕遊戯中〜〜〜〜〜
パチェ「調子に乗りすぎよ」
「魔法使いの力が、そう簡単に奪える
と思ったのかしら」
哀兎 「くぅ、一魔女風情が」
パチェ「貴方が散々集めた精も、うちのメイ
ド長に返してくれる?」
「私がもっと、苦労する羽目になる
わ……いや、でも」
哀兎 「なに?」
パチェ「この精、少し分けてくれないかし
ら?」
哀兎 「そのメイド長とやらはいいの?」
パチェ「咲夜はね、強いのよ。弱いところも
あるけど」
「レミィのご飯でも食べれば、一発で
しょ」
哀兎 「レミィ……レミリアは館の主人だろ
う」
「何故彼女が出向かなかったか」
パチェ「ま、その通りだと思うわよ」
「さてと、早く帰って、レミィの美味
しい夜ご飯でも食べましょうか」
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<鈴仙・U・イナバ> 波を揺らす妖兎
鈴仙「出てきなさい!」
「今宵の、白月の主よ!」
「私達は大迷惑してるの!」
哀兎「静かに」
「此処は精の集い場。神聖な態度をとる
事」
鈴仙「ええ、黙ってあげるわよ。その精とや
らを戻せば」
哀兎「まったく、皮肉屋が多い事」
鈴仙「異変の首謀者が、どの口叩いてんのか
しら」
哀兎「永遠亭……其処に人はいないだろう」
鈴仙「お師匠様の薬が売れないじゃない」
哀兎「怠いから寧ろ欲する?」
鈴仙「買う気力がわかない!」
哀兎「なら、挫折を知れ」
「その優秀な薬とやらが、売れないとい
う挫折を」
「一度くらい、失敗を味わってみろ、玉
兎!」
〜〜〜〜〜少女弾幕遊戯中〜〜〜〜〜
鈴仙「失敗を味わえっていうけどねぇ」
「月から地上に堕ちた私は、もう充分
よ」
「兎が良い思いばっかりしてるとかいう
妄想は、辞めていただきたいわ」
哀兎「そんな事は承知の上」
「玉兎達が忙しいのは、よく知ってい
る。イーグルラヴィとかな」
鈴仙「? 妖怪が何故月の事情を?」
哀兎「雪女に纏わる逸話を、聞かない?」
鈴仙「地上に憧れて、月から逃げましたって
奴?」
哀兎「うん。だから私、雪女は満月の夜に強
くなるの」
鈴仙「信じてなかったわ……貴方はかつての
姫なの?」
哀兎「いいや、今の姫は輝夜。それだけだ」
鈴仙「そう……」
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[次面 extra 小さな反逆者 Reversal world(Physics)]
<オリキャラ説明>
調 哀兎
・雪女(月人)
・精気を吸う程度の能力
・黒髪のショート、小柄




