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館廻

作者: 松野陽菜

(目が覚め、起き上がる)あれ、ここはどこだろう。(辺りを見回す)

くらくて、こわい。…あっちにドアがある。ここからでなきゃ。(扉まで行きドアノブを回す)

ガチャガチャ

あかない。でられなくなっちゃった、どうしよう。(少し考え込む)

そうだ、カギをさがそう。

むこう(後ろの廊下)からさがそうかな。

(廊下前)

あ、じゅうえんだまがおちてる。むこうにおじぞうさんもいる。(お地蔵さんの前まで来る)このじゅうえんだまは、おそなえしておこう。

(1分後)

あれ、こんなところにあおいまほうじんのペンダントがおちてる。

だれかがおとしたのかな?

いったんかばんにいれておこう。

(すぐ前の部屋をむいて)なにかかいてある。

えっと…なんてかいてるのかな?わかんないや。

でも、カギがあるかもしれないし、はいってみよう。

やっぱり、ここもくらい。へやのひとにはもうしわけないけど、みてまわってみよう。

(部屋の奥の刀に向かう)かたなのさやがおいてある。なにかかいてあるけど、よめないかんじでかかれている。

…ん?どこかからおとがする。どこからだろう?

いってみよう。

(数分後)

むこうからおとがする。

はいってみよう。

ここは、キッチンかな?

(辺りを見渡す)あれ?だれもいない。さっきのおとは、なんだったんだろう。

ウァアア…ア…

きもちわるいこえだ…

あれは…くろいかげ?こっちにくる。にげなきゃ。


こえがきこえなくなった。

なんとかにげれた…のかな?

もういないといいけれど…


キッチンにもどってみよう。

(調理室(キッチン)に戻る)

もう、いないよね…?

ひろくて、いろんなどうぐがおいてある。おかあさんがごはんをつくるときにつかっていたものもあった。


あ、なにかおちてる。

(落ちているものの所まで行く)

ぎんのおつきさまのペンダントだ。

これも、もっておいてもちぬしをさがそうかな。

キッチンはみおわったからろうかにあったへやをぜんぶさがしてみよう。

(廊下へ移動)


にっきだ。よんでみよう。


昨日、太鼓界に帰ってきた時、私の前に信じられない光景が広がっていました。

帰って来てから太鼓界のどこにいっても人っ子一人いないのです。

居ると信じて太鼓屋敷に帰っても、誰もいませんでした。

初めは、私を驚かそうとしているのだとしているのだと考えていました。

ですが、一向に帰って来ません。

私は、これはドッキリなどでは無いと思い知りました。

(ページをめくる)

もしかして私は○んだのかもしれません。

あの時の化け物によって。

押し込むような形で日記は書けましたが、物も持てませんし、お腹も空きません。

眠くもなりません。この太鼓界が大変なことになった中、まさか私も○んでしまうとは。

化け物にはならずに済みましたが、なんだか遣る瀬無い気持ちです。


かんじのところがよめないけど、いま、たいへんなことになっているのかな。

かいたひとのなまえもよめない。でも、このひとならカギのばしょをしってるかも。


あの、ちょっとすみません。

うしろからこえがする。

うしろをむくと、ういていて、あおいひとがいた。

私は、≠MM(ではないにせん)です。勝手に私の日記見ないで下さいよ。

ご、ごめんなさい…

謝る必要は無いです。ちょっと恥ずかしいぐらいなので。

じゃあ、よびかたはではないさんでいい?

良いですよ。所で、貴女は何故ここに居るのですか?

よくわかんないけど、いつのまにかここにいたの。いま、カギをさがしてるんだけど、なにかしらない?

出口に鍵はありませんよ。あったとしても、此処の主が居る限り開きません。

ここのぬし?このいえにはやぬしさんがいるの?

はい。生前からここの主だった方です。私達は此処に閉じ込められているのですよ。

じゃあ、そのやぬしさんにだしてもらおうよ!

出して貰うのは、今のあの人の状態だと出来ません。何か、生贄にでもなるようなものがあれば良いのですが。

いけにえ?

私達の代わりの様なものです。

あ、そうだ

どうしましたか?

ねえ、このペンダントのもちぬしさんをしらない?

いえ、何でもないです。持ち主は分かりませんが、それを使えば、主を一時的に鎮められるかもしれません。あと三つあるので、探して見ましょう。一つだけ場所を知っているので。

わかった。ちょっとこわいからこれからではないさんもついてきてほしいな。

ええ、良いですよ。此方へ。

(移動中)

ほんとだ、おれんじのまほうじんのペンダントがおちてる。

あと二つですね。でも、私は残り二つの場所は知らないので自力で探すしかありませんね。

うん、がんばる。


このおやしきはひろいから、さがすのにもじかんがかかる。でも、ではないさんとはなしながらなら

たいくつなんかじゃない。

ねえではないさん、あのペンダントってなにかちからがあるの?

私にもあのペンダントの力に関してはよく分かりませんが、そのペンダントを着けていた方は、どの方もお強い方でしたよ。

そうなんだ。


ではないさん?

化け物がこちらに来ます、逃げましょう。

(化け物が刀の様なものを持ち此方へ来る)


わたしとではないさんは、おくのほうにぜんりょくではしった。くろいばけものは、わたしたちをおいかけてくる。

そうだ、かくれよう。どこかかくれれるようなばしょは…

あった、ここにかくれよう!


ふう、なんとかにげきった。

逃げ切れて良かったです。

あれ、いつのまにかでぐちのばしょがわからなくなっちゃった。

戻る時は私が案内しますから、大丈夫ですよ。

そっか。なら安心だね。

(10分後)


あ、あれは、きんのほしのペンダントだ!

これで、あと一つですね。主がどこにいるかは、私が探っておきます。

ではないさん、ありがとう。

このちょうしで、さいごのひとつもさがそう。

ではないさん、わたしおなかすいちゃった。

あら、それでは一旦キッチンへ行きますか?

うん。ごはんたべたい。

それでは、戻りましょう。


後は一つだけですね。あともう少しです。

うん、あともうちょっとでやぬしさんをしずめられるね。

あ、着きましたね。私は料理出来ませんが、冷蔵庫にある物は食べれそうです。

これとかどうですか?

オムライスだ、わたし、オムライスだいすき!

じゃあ、レンジで温めて食べてくださいね。冷たいので。

はーい。


できた。(机に置いて)いただきます。

おいしい!これだれがつくったのかな?

私のお母さんだと思います。あの人は、料理が上手でしたから。

ではないさんのおかあさんは、りょうりがじょうずだったんだね。わたしのおかあさんも、りょうりがしょうずだったんだ。

そうだったんですか?意外な共通点を見つけましたね。

ごちそうさまでした。

あ、お皿は、お水につけておいて下さい。

わかった。

(皿を水につける)

それじゃあ、さいごのひとつをさがそう、ではないさん。

そうですね。出来るだけ探していない所を探索しましょう。こちらへ。

(案内中)

あ、たしかににここはさがしてなかったね。

そうですね。化け物には遭遇しない様にしたい所です。


最後のペンダントって、どんなものなの?

オレンジ色で、太陽の形をしたものです。

そうなんだ。じゃあ、それをさがせばいいんだね。

そうですね。もうすぐで主の捜索も終わりますし。

(10分後)

うーん、こんなにさがしてるのになかなかみつからないや。

そういえば、棚の中などは確認してませんよね。そこを探すのはどうでしょう?

あ、ほんとだ。ちょっとさがしてみる。


あった、オレンジのお日様のペンダントだ!

見つかって良かったです。これで、主の所に行けますね。

うん、あるじさんはどこにいるの?

ちょっと遠いですね。出口の近くなので。まあとにかく、戻りましょうか。

うん、でぐちのまえまでもどろう。


きんのほしのペンダント

ひかっているペンダント。

きらきらぼしみたいにねがいもかなえれそう。

もちぬしさんはもういないかもだけど、

もちぬしがどんなひとかしりたいな。


オレンジのまほうじんのペンダント

あおいまほうじんのペンダントのいろちがい。

おそろいってことは、あおいまほうじんのペンダントのもちぬしと

なかよしだったのかな?


ぎんのおつきさまのペンダント

ちょっと光ってるペンダント。

開けてみたら、えがおのおんなのひとがうつっていた。

もちぬしは、おんなのひとなのかな?


あおいまほうじんのペンダント

ろうかにおちていたペンダント。

なにかしょうかんできてしまいそう。

これのもちぬしはどんなひとかな?


この部屋です。

うん、じゃあ、はいってくるね。


はいると、くろくておおきなおばけがいた。

わたしはこわくてこしがぬけそうになったけど、ペンダントをあるじさんのまえにおいた。

おおきなおばけは、そのペンダントをぜんぶもってどこかにいってしまった。

これで、おわったのかな。


おわったよ、ではないさん。

良かったです、捧げ物を受け取ってくれたんですね。

うん。でも、これでもうおわかれだね。

そうですね。

(少女は出口を開ける)

出口の向こうは、眩しく光りが照らしていた。少女は、ではないさんに微笑み、こう言った。

ありがとう、ではないさん。

此方こそ、ありがとう御座います。

少女はこう思った。

祈りが、届きますように。

少女が光の中に入って行った後、扉はひとりでに閉じてしまった。

そして、それを見ていた≠MMは、何かを察し、そこを去っていくのだった。


''これで、おわりではない''


''まだ何かがあったはず''


''まよいを生み出すような''


''恐怖を生み出すような何かが''


おわりじゃないおわりじゃないおわりじゃないおわりじゃないおわりじゃないおわりじゃないおわりじゃないおわりじゃないおわりじゃないおわりじゃないおわりじゃないおわりじゃな…い…はず…

END


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みんな、おわり。


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