一章‐6.8 監視者は忍ばなかった結果…
朝目を覚ますと、天狐は監視者に餌付けをしていた。
窓の外では首輪をされ、涙目になっている監視者が天狐からもらったご飯を犬のように四つん這いで頬張っていた。
朝からヘビーな光景だったため思わずため息を吐く。
監視者って普通住民にバレたらだめなんじゃないの?
なんで捕らえられてるの?
というより天狐は何してんの?
様々な疑問が頭の中をグルグルしている中ある一つの解決策に到達する。
「さ、仕事に行こう」
そう、もうめんどくさいことは全て投げ捨ててこの異空間から逃げ出すという選択肢だ。
しかし、めんどくさいことというのはいつも引っ付いてくる・・・そう、それはすぐに訪れた。
「わん!わん!わん!」
・・・何か窓の外から聞こえた気がしたが無視・・・。
「くぅ~ん!わんわんわん!!!」
「これ! 吠えるでない! 全く躾がなっとらんぞポチ!」
ポチはどっちかというと天狐の方なのだが・・・。
それよりも監視者がこっちを見て助けを求める様に泣いていた、いや、鳴いていた。
はっきり言ってこっちは助ける義理はないのでこのまま無視を決め込む。
身支度をしてアスター王国に行く準備をする。
そして仕事内容を思い出して少し憂鬱になる。
ニーナ姫からの暴力が待っていると思うと胃がキリキリして痛く・・・はないけど気持ちがなんせどんよりしている。
「さてと、そろそろ行きますかね」
そう言いながらとりあえず窓の外の異様な光景を再度確認をする。
「さぁ、そろそろ吐いてもらうぞ!ポチよ貴様一体どこから来たんじゃ!」
「・・・・・・・」
「ええい!黙るでない返事位したらどうなんじゃ?」
「わん・・・」
いつの間にか尋問が始まっていたので後は天狐に任せよう。
そう思い、そのまま外に出る。
すると外に出てきた俺に気づいたのか天狐がこちらにやってきた。
「おはよう天狐、そろそろ行ってくる、後もしかしたら帰り遅くなるかもしれないから俺にかまわず休んでいてくれ」
「そうかそうか、気を付けて行ってくるんじゃぞ」
まさかの監視者についてはノータッチ・・・いや、いいんだけど・・・いいんだけど、よくない。
だが面倒事を持ち込まなくて済むなら、天狐よ・・・お前に全てを任せる。
後は頼んだ。
そしておれはアスター王国に向けて歩み始めた。
「さぁ、雅が帰ってくるまでにお主の正体を暴いてみせるぞ! そして雅にお主が妖精でないことをしっかりと教えてやらんとなぁ?」
「わおーん!!!」
なんか後ろから断末魔のような鳴き声が聞こえてきた。
一つ疑問に思うのだが、なぜあいつは犬を貫き通しているのだろうか?
答えは闇の中・・・。
まぁどうでもいいわ。