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一章‐6 鬼畜ドSのお姫様

前の投稿からかなり日にち開いちゃった♡

理由としては急に日本縦断しようと思い立って家族の制止を振り切り、自転車で旅してました(実話)

これからはまめに投稿します

「雅様、いや、下民」


「言い直す意味!」


「あ、申し訳ございません、下民様」


「様付けたらいいとかそういう問題じゃないから!後あんた絶対いつか主人に対して口滑らすタイプだよ!」


「あり得ません、万に一つも」


「腹立つ!」


今俺は研修と称されて、アスター家公室に通されていた。

いやぁ、流石のでかさですわ・・・・。

あまりにも城がでかくてちょっと眩暈したもの・・・。

もちろん内装も絵にかいたような皇族の住み処、一般庶民なら絶対に手の届かないことなど一目瞭然だった。


「で、いい加減仕事の内容教えてくださいよ」


未だ明かされない仕事内容・・・というよりも聞いても全然教えてくれない。

しょっぱなからブラック臭がプンプンする気がするのは気のせいか?

でも給料が1日10万ランって聞いたら、他の仕事探す気なくなるしなぁ・・・この世界の物価がどれくらいなのかよくわからんが・・・。

するとメイさんが一つの扉の前に止まる。

その扉はひと際目立っていてゴージャスに彩られていた。


「雅様・・・ここまで来ていただいてなんですが・・・」


メイさんは何やら、とても申し訳なさそうな顔をしていた。

というより気まずそう?


「なんですか? メイさん?」


「その・・・あなたに声をかけたのは見た感じホームレスっぽいなと思って声をかけたのですが・・・」


「おい」


「今ならまだこの仕事は辞退できます・・・」


「いやいや、ここまで来て辞退なんてできないですよ」


「・・・そうですよね、申し訳ございません」


メイさんは一体何を言い出すんだ・・・。

暫くメイさんはうつむいていたが、いつもの無表情に切り替えると遂にその仕事の内容を伝えてくれた。


「雅様には、アスター家の姫君ニーナ・アスターの遊び相手になってもらいます」


「はい?」


「詳しいことは姫から直接お聞きください」


メイさんは俺の中の様々な疑問には答えてくれないらしい。

は? 姫? どうして俺なんかが・・・。お姫様の遊び相手ということは7~9歳くらいの女の子か? いや、そもそもこんな部外者同然の俺が遊び相手だなんておかしい、それくらいは俺にもわかる。じゃあ一体。

するとメイさんは扉をノックし、お姫様に入室の許可を取ろうとしていたところだった。


「ニーナ様 メイド長のメイです、本日はニーナ様の新しい遊び相手を連れてまいりました」


メイさんはドアの向こうの反応を待っているのか静かに目を閉じて待機していた。

待て・・・新しい遊び相手ってどういうことだ?

前任者がいたのか?


「な、なぁ、メイさん、新しい遊び相手って、その・・・前にいた人は辞めたのか?」


俺がメイさんにそう聞くと、目を閉じて待機していたメイさんがゆっくりと目を開けこちらを向いた。相変わらず何を考えているかわからない人だ。

だが次の瞬間彼女は衝撃の言葉を放った。


「壊れました」


それと同時に扉が勢いよく開いた。


「雅様、どうぞお入りください・・・」


「なぁ・・・壊れたってどういう・・・」


「雅様・・・どうぞお入りください」


どうやら答える気はないみたいだ。

なんだよ、教えてくれてもいいじゃんか、そんな微妙に教えて後はお預けよん♡

こういうの本当どうかと思う。

こんな事やっていいの小学生までだからね、『うーんやっぱり教えない♡』とかなら可愛げあるけど、いい大人がだんまりとか社会じゃ通用しねえからな。

まぁ、俺も社会に出たことねえけど、こんな大人にはなりたくないね。

そう思いながら開かれた扉の向こう側、もとい部屋に入っていく。

すると、開かれた扉はゆっくりと閉まるのを後ろで感じた。

へやは可愛らしいくも気品あふれる内装で、中央にはベッドがあり、そのベッドに腰かけている一人の少女がいた。

少女は想像を絶する美しさだった。

思わず見とれてしまって声をかけようにも言葉が出てこない。

長いストレートの髪、触れたら壊れてしまいそうな華奢な身体、多分年齢は同世代くらい。

彼女がアスター王国姫君、ニーナ・アスター。

すると彼女は俺の方を見てほほ笑んだ。

あまりの可愛さに俺は引きつった笑顔で対応してしまった。まさかここで童貞感を出してしまうとは・・・どどど童貞じゃないけど。


「あなたが、私の新しい遊び相手でいいのかな?」


声まで可愛くてびっくり・・・。

こんな絵にかいたようなお姫様が存在するとは・・・。

これは、俺の童貞力が増していくぞ・・・!


「こ、これはお初にお目にかかります・・・メイド長のメイ・バッカスさんのご紹介で今回姫様の遊び相手を務めさせていただきます。萩村雅と申します」


「ふふっ、そんなにかしこまらなくていいよ、普通で大丈夫だよ・・・あっ気軽にニーナって呼んでくれていいんだよ?」


そこには天使のような笑顔で微笑みかけてくれているニーナ姫がいた。

素晴らしい仕事じゃないか・・・。姫様の遊び相手・・・。


「い、いえ、流石に姫様を呼び捨てには・・・」


「遠慮しなくても大丈夫だよ?」


しかし皇族の姫様を呼び捨てになどできるわけがない。

それくらいの常識はわきまえているつもりだった。

しかしこのニーナ姫は一体俺に何をさせるというのだろうか?

メイさんはなぜ頑なに仕事内容を教えてくれなかったのか・・・・・・。

そうこう考えていると、ニーナ姫がベッドから立ち上がり、俺のそばまでやってくる。


「真面目なんだね、雅は」


そしてニーナ姫は微笑む。

至近距離でそんな表情をされると、大抵の男子は俺のこと好きなんじゃね?と勘違いするような、天使の笑顔。

このままでは俺も恋してしまいそうだ。


「あ、そうだ、雅さんはメイからこの仕事の内容は聞いているのかな?」


ニーナ姫は上目遣いでのぞき込んできた。

まじでかわいい。


「いえ、あくまで遊び相手としか聞いておりません」


「ふーん、そっかそっか・・・他には何か聞いていない?」


他のことというと、前任者が壊れてしまったとか不穏なことを言っていたが、多分メイさんの悪い冗談だったんだろうと思う。

本当、あのメイド趣味が悪いよ。


「まぁ、他のことといえば、メイさんが姫様の遊び相手の前任者は壊れてしまったと言ってましたが、今考えれば、冗談だったとわかりました、 あはは」


俺は笑いながらそう言って姫様の反応を見た。

その瞬間、背筋が凍り付いた。

先ほどまで、にこやかに微笑みかけ、柔らかな表情をしていた彼女が、どす黒いニヤケ面で下品に口角を釣り上げていた。

あれ? さっきの天使と誰か入れ替わった?


「へぇ・・・そっかぁ・・・メイはそんな事を・・・雅さんにチクったのかぁ・・・あの野郎・・・」


「あ、あの・・・姫様?」


ニーナ姫のあまりの豹変ぶりに、思考回路がぐちゃぐちゃになる。

天使は? 俺の天使はどこに行った?


「は~・・・・・・まぁ、メイの罰は後で考えるとして・・・おい、お前」


「・・・あ、俺ですか?」


今まで名前で呼ばれていたから、普通に反応出来なかった・・・。


「テメェしかいねえだろうが・・・他に誰がいるってんだ? あぁ?」


「いえ、俺しかいません、生きててごめんなさい」


「おう、いい心がけだ」


気付いたら土下座していた。

あれー? なんでこんなことになってるんだぁー?


「さて、糞豚・・・今から言うことよく聞けよ?てめーは、私の遊び相手、もといおもちゃとしてここに連れてこられた・・・メイから何を聞いたか知らねえが、前任の糞豚は、メイの言った通り、使い物にならないくらい壊れてしまった。ここまで理解したか?」


「はい・・・」


「…豚が人間様の言葉をしゃべるなぁ!!!」


ニーナ姫は思い切り俺の顔を蹴り上げてきた。

案の定痛みはないが、強い衝撃が顔面に広がる。

感覚としては、鼻の骨が折れてしまっている気持ち悪い感覚だけが残る。


「うぉお、びっくりしたぁ!」


蹴られてからの第一声が叫び声でも、痛てえええええでもないのは何ともおかしな話だが、突然の衝撃にびっくりしたので、そのままの感想を口に出してしまった。


「・・・てめぇ、蹴られといてなんだその反応は・・・? それに言っただろうが! 豚が人間の言葉をしゃべるんじゃねえって!」


そして、ニーナ姫はもう一度蹴り上げるためなのか、吹っ飛んだ俺の元へ近づいてくる。

とりあえず、あんな攻撃を何度も食らうのは人体への負担がやばそうなので、ここは相手の暴力に屈することにする。


「ご、ごめんなさいブー! 許してくれだブー!」


俺は馬鹿か、これでは豚ではなくブー太〇ではないか!

豚になりきれよ!

そう自分に言い聞かせて、もう一度渾身の豚の鳴き声で懇願しようとしたが、景色は天井を仰いでいた。ニーナ姫の2発目がクリティカルヒットしたのだ。


「豚は豚らしく、ブーブー鳴きなさい・・・それと私の命令は絶対、逆らったり、逃げようとしたりしたら殺す。このことを口外しても殺す。てめーにはこれから壊れるまで監視を付ける、せいぜい、生きながらえて頂戴ね・・・」


「ひ、姫様・・・」


「返事は? もう一度蹴られたいの?」


「・・・ブヒ」


「・・・目障りよ、今日のところは帰っていいわよ・・・勘違いすんじゃねぇぞ・・・もうお前は私のおもちゃ・・・。逃げ場はないから」


そういうとニーナ姫はベッドに横になった。

俺はあまりにの出来事に言葉が出ず、ただ茫然とその光景を見るしかできなかった。

すると、閉まっていた扉がゆっくりと開き、誰かが中に入ってきた。


「失礼いたします、ニーナ様」


メイドのメイさんだった。

メイさんは一度俺の方をちらりと見たが、無表情でニーナ姫の方に向き直る。


「本日の、おもちゃの回収に参りました」


おもちゃとは俺のことを指しているのだろう。もう突っ込む気にもなれない。


「はやく片付けて・・・それとメイ」


「なんでございましょうか?」


「てめー後で覚悟しとけよ、前任者のことチクりやがって」


「・・・はい」


そう言ってメイさんは俺のもとへと来る。


「・・・立てますか?」


手を差し伸べてきたが、何とか自力で立ち上がる。

痛くはなくても体へのダメージはかなりのものだったみたいだ。

そりゃそうだ、完全な不意打ちでガードがまともにできなかったのだ。

あんなサッカーボールキックをまともに食らったら誰だってそうだろう。


「メイさん・・・とりあえず色々と聞きたいことがあるから後で・・・」


そこまで言って気づく、ニーナ姫が鬼の形相でこちらを見ていたのだ。

多分あの視線は『豚が人間の言葉をしゃべるな』と思っている顔だ。


「ブーブー・・・」


とりあえず急遽豚の鳴き声に変えると、ニーナ姫は布団にうずくまて姿を隠した。

一体全体何なのだ・・・。どうして俺はこんな仕打ちを受けなくてはならないのだ。

そう思い立ちすくんでいると、メイさんが俺の肩をたたいて部屋から出るように促してきた。

とりあえず素直に部屋を出る。

部屋を出ると、メイさん以外のメイドが五人ほど立って、ばつの悪そうな、気まずそうな顔をしていた。


「それでは、雅様・・・本日のお怪我をされた場所を治療するので少しお待ちください」


メイさんは俺に目も合わせず治療係のメイドを俺の目の前に連れてくる。


「・・・ひ、ひどい怪我・・・」


治療係のメイドさんは目に少し涙をためながら、そして俺をいたわりながら治療してくれた。

先ほどの鼻が折れた気持ちの悪い感触はなくなった。

さて、身体も回復したし俺がすることといえば・・・。


「辞職願を申請します!」


「なりません」


「やっぱりそうだよな!ちくしょう!」


「それにニーナ様のあの姿をご覧になったのだから無事では済みません」


「・・・まぁ、そんな事だとは思ったよ、それに今から監視もつくんだろ?」


俺がそういうとメイさんは少し驚いた表情になる。


「どうかしました?」


「い、いえ・・・そんな簡単にこの状況を受け入れるとは思いもしませんでしたので・・・」


「いや、あんたが連れてきたんでしょうが、説明不足過ぎな気もするけど・・・」


それにほいほいついていった俺も俺だ。

それにしても一国のお姫様があんなにやばい奴だとは思いもしなかった。

めちゃくちゃ可愛いのにもったいない。


「とりあえず明日からあの姫様の子守り?をすればいいのか?」


「は、はぁ・・・」


「なんだよ、歯切れ悪いなぁ・・・」


「その、あまりにも雅様が飄々としているので・・・それに、今までの姫様の遊び相手は一週間もたないどころか、体は治っても心は完全にやられてしまっていたので」


「まぁ、あんな仕打ちを受けたら心なんて崩壊するわな・・・」


そして俺はあることに気づく

前任者というより、今までの遊び相手は今何をしているのか

そもそも俺は何人目なんだ?


「一つ聞きたいんだがメイさん」


「なんでしょうか?」


「その、辞めていった人たちはその後どうなって・・・」


「生きてます、それ相応の報酬、補償などしっかりと行っています・・・決して死人は出していません・・・ただ先ほど申し上げた通り使い物にならなくなりました」


メイさんは早口で、俺が聞きたかった事の六割ほどを教えてくれた。

まぁ、本当に聞きたかったことは、その後の暮らしと様子なんだけど・・・・・・

メイさんの少し悲しそうな表情を見るとそれ以上は聞けなかった。


「まぁ、とりあえず体の傷さえ治してくれたらいいよ」


そういとメイさんはさぞ驚愕した表情をする。


「こ、怖くないのですか?雅様は・・・姫様を・・・」


「いや、怖いけど・・・とりあえずこの世界で生きていくには仕事が必要だし・・・」


もっと別の安全な仕事でもよかったと今更ながら思う。


「それに俺、幸いにも痛みとか感じないから大丈夫!」


「・・・真正のマゾヒストなんですねわかります」


「違う!本当に痛くないんだって!」


メイさんにジト目で蔑すんだ表情はそれはとてもとても興奮しました。

マゾではないぞ・・・。


物語の終着点見失っちゃった♡

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