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龍と神に贖罪を。  作者:
出会い
9/32

8

「おはようございます」


 目を開ければ、整った顔。朝からありがとうございます。


「おはよう……ございます」


 綺麗な顔も拝めたので二度寝しますね〜。

 布団を被って、再び寝る体制に入ると、布団を引っ張られる。


「なに二度寝しようとしているのです。今日は街に行く約束でしょう。早く起きなさい」

「い〜や〜だ〜」


 そのまま布団は奪われた。

 私、めげない。布団は無くなったけれど、眠ることはできる。再び寝る体制に入った。


「仕方ないですね……」


 エイナル先生は、完全に呆れていた。

 エイナル先生、これから私と過ごすには、慣れないといけないんですよ。なんて思っていると、外にいた。は?


「あなたが悪いのですよ」


 察しました。この人のせいですね。知ってた。


「もしや、魔法でも使いました?」

「そうでなければ、この状況は説明できませんよ」


 どうやらここは、城下街らしい。人で溢れた道とは、少し離れた場所に私たちはいる。

 予想通り、人は多いんだなぁ。


「まず、日用品ですかね。その次に杖と家具でしょうね。私はよくわかりませんので、オススメのお店に案内します。後は貴方におまかせします」

「私もよくわからないけど……わかりました」


 買い物スタート。

 私はエイナル先生に案内されたお店に入り、数十分ほどで買い物を終わらせた。

 なので、広場のベンチに座っているエイナル先生にも声をかける。


「エイナル先生~、日用品は買い終わりましたよ~」


 日本とは変わりない、普通のお店でした。照明は魔法的なものではなく、電気がついている。スーパーみたいな所だったね。だからなのか、安心して買い物ができた。

 支払いは、エイナル先生に貰った、私の世界でいうクレジットカードを使ったら一発で支払い完了しました。便利だね。

 寝間着のままで、しかもだぼだぼだから、周りの人にすごく見られた。これはさすがに恥ずかしいと思って、途中でTシャツと黒いズボンを買って、着替えた。


 あまりにも異世界ファンタジーすぎて混乱したときは、こういう店に行こうかな。

 ベンチに座っていたエイナル先生は、私に気が付くとゆっくりと立ち上がり、私のところまで歩いてきた。

 エイナル先生の歩き方、とっても綺麗……。まるで、モデルみたい。ディ〇ールとかのモデルやってそうだよ。香水シュッとやってるCMに出ても違和感ないよ。


「そうですか。では、転送します」


 そう言いつつ、私の手から荷物を取り上げた。

 有無を言わせずに、勝手に進めていくスタイル、私は好きですよ。たぶん。

 エイナル先生は、杖を取り出して荷物に触れた。そして、荷物は消えた。たぶん、私の部屋(第五研究室)に転送されたんだろうな~。


「それでは、家具ですが……。どちらのお店になさいます?」


 家具屋を見てみると、どれも豪華な物がそろっている。

 まってまって、なんでこんなに高そうなものばかりなの?


「待って、こんなに高そうなもの、申し訳なくて買えませんよ!」

「では、私が勝手に買いますね」

「それは困ります!」


 強引すぎる。何が何でも買いますよ、みたいな。無表情だから、冗談なのか本気なのかわからないんだよね。でも今のはたぶん、本気だ。


「じゃあ、青と白の家具で揃えたいです」

「なるほど、私と好みが似ているのですね。でしたら、こちらのお店がよろしいかと」


 エイナル先生が連れて行ってくれたお店。それは、正に私好みの物で溢れるお店だった。


「エイナル先生、素晴らしいです!」


 それだけ言い残して、私はお店の中を小走りで移動する。

 まずは、ベッドだよね!

 それにしても、この世界の家具は、どれを見ても、ものすごく高級感があるね。素材も良いのか、触り心地も最高。


「悠陽さん、早速ベッドを見に行くなんて。どこかの誰かさんに、よく似ていますね」


 優雅に歩くエイナル先生は、早速ベッドコーナーに向かった私に言った。

 どこかの誰かさんって、明らかにアロンドさんのことだよね。あの人もベッドコーナーから見るのか。


「アロンドさんのことでしょ~。あ、私これにする」


 私が選んだのは、ダブルサイズのベッドだった。

 もう、遠慮はしないと決めたからね。好きなやつをを選ぶ。

 ダブルサイズなら、思い切りゴロゴロできる。


「はい、わかりました。では、買った後に転送しますね。次は何にします?」


 こんな感じで、全ての家具を選び終え、家具を転送してもらった。

 うふふ、どんな部屋になるのか、楽しみだね。


「楽しそうですね、悠陽さん。家具がお好きなのですか?」

「そうだね。だって、すごくキラキラしてるもん」


 なんか、言葉には表せないんだよね。この高揚感とか。


「わかりますよ。家具は、私も好きです。でも、杖はもっと好きです。そういうわけなので、杖を買いに行きましょう」


 杖はもっと好きって、杖はもっと種類が豊富だったりするのかな。ゲームに出てくるような、装飾が豪華な物とか? 杖について考えていると、あっという間にお店に着いた。


「魔法学校生、もしくは初心者の魔法・魔術使いは、こちらのシンプルな木製の杖を使います。というよりも、木製の杖しか扱えません。こちらの木製の杖は、ある程度、制御がかかっていますので、あまり強力な魔法が使えないようになっているのです。経験を積めば、あちらの美しい杖も使えますから、興味があるのなら頑張ってくださいね」


 なんだぁ、今はまだ学生用しか使えないのね。

 でも、見るだけなら良いので、豪華な杖を眺めていた。

 自分の方までの長さの杖もあれば、自分の手のひらよりも少し大きいぐらいのものもあった。色も様々なものがあって、品ぞろえは完璧なんだろうなぁ、と思った。


 よし。その時が来たら、思いっきり派手なのを選ぼう。来るかわかんないけど。

 とりあえず面白そうなので、木製のシンプルな杖を買って、私たちは第五研究室、つまり私の部屋に来た。

 ああ、素晴らしい。今まで選んだもの全てがある。なんて楽な買い物なのだろうか。

 どうせなら、転送するための魔法とか、自分の生活が楽になる魔法を覚えたいものですな。


「悠陽さん、家具の配置はどうなさいますか? こだわりがないのでしたら、私が魔法で勝手に移動させますけど」


 私は、センスがないから、エイナル先生に任せようかな。

 私は、お願いします。と言って、日常品の整頓をし始めた。

 一瞬のうちに家具は綺麗に配置される。癒しの空間が、一瞬で出来た。


「出来ましたよ。では、これで私は失礼します。明日から早速、研究を進めていきたいので、よろしくお願いしますね。では」


 一方的にそう言った後、エイナル先生は第五研究室、私の部屋から出ていった。

 私は、この癒しの空間を手に入れた。

 今日は、この部屋でゆったりとしていようか。それとも、建物の中を探検しようか。

 うーん、そうだ。アロンドさんを探しに行こう。探しに行きながら、建物の中を見ていけばいい。私、天才だよ。そうと決まれば。よーし、お城の中を探検しよう!

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