終わりⅢ
有栖川君の一言は僕の精神的に追い詰め続ける。
「えー?きぃのこと?あくまで幼馴染みってだけよ。告って来て時はビックリしたけど…。
あの性格だし、マジで無理!ウジウジしてて本当にイライラするもん。
高校まで一緒は絶対にイヤッ!」
「ウワッ、厳し!?マジかよ。つーかそんな奴だったんだ~。今まで相手してたのって、そこらが関係してんの?」
「モチロンッ!!むしろ友達とかだったら死んでもお断り!!
あ~あ。悠馬君が幼馴染みだったら良かったのにね~」
バサリッ
持っていた資料が手から抜け落ちた。そうか。そうだったんだ。
桃、いや、高嶺さんは僕ことずっとそんな風にみてたんだね。
何だろ。滑稽だ。馬鹿みたいだよ。今まで好きだったことも、振り向いて貰えるように動いていたのも全部……無駄だったんだね。
怒りや悲しみを通り越して自分自身に呆れた。自然と笑みが漏れてくる。
ハハハッ。モウイイヨ。
ガラッ!
気が付くと勢いよくドアを開けていた。2人はとっても驚いているね。流石に誰もいないと思っていたのか…。
でも残念。僕がいる。
特に高嶺さん。口をパクパクと開けて金魚みたいになってる。あ~あ、せっかくの顔が台無しじゃないか。別に興味ないけど。
「き、きぃ!?まだ残ってたの?な、なにをしてたの?」
今だけでいい。演じよう。いつもの僕を。
「何って?もう試験が近いから、先生の所に資料を貰いに行ってたんですよ。
そ、それよりも珍しいですね。2人ともま、まだ残ってたんですね?」
「そ、そうか。俺らはあれだ。そう!試験勉強してたんだ。陽山って偏差値が高いからな」
「う、うん。あそこ難しいから。
ところできぃは進学先どこにしたの?やっぱり陽山?」
目が泳ぎすぎててバレバレだよ。もう進む気なんてないし、なのに何?その期待する目。あんなこと言ってて。
もう君のことは信用できないんだよ。