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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

俺の神髄は神によって変えられないもので有り続ける

作者: 星数或
掲載日:2025/10/26

※恐怖を感じる場面があるかもしれません。

2作品目:俺の神髄は神によって変えられないもので有り続ける


一章:タイムオーバー


 死にたい人のもとへ現れる扉。

通称{希望の扉}

その扉を潜り抜けると、

天国に行けると言われている。


曰く、痛くないまま何も感じなく死ねるらしい。

そして今、俺の目の前に

「希望の扉」が現れている。



 一周間前、俺は愛する幼馴染を亡くしてしまった。

高校2年の12月の今宵、

体が冷える中、

段ボールで体を覆い

見慣れた公園の椅子に座る。


| 一周間前のこと |

俺が幼馴染の家で2人、

俺は寝てしまった。

1時間くらい眠っていて、

気づけば夕暮れになっていた。

俺は幼馴染を探しに彼女の部屋から

リビングに向かった。


「なんだよ......これ」


 殺人事件の犯人は別に見つかったが、

幼馴染の親は

納得できそうではなかった。

「あなたが守っていればよかったのよ!!」


俺の母親は、

元々毒親気質であったが、

ついに疲れ果て俺を家から追い出した。

「精々、希望の扉を潜れるように頑張りなさい。」


今、「希望の扉」が俺を待っているように感じた。

「もうタイムオーバーなようだ」

希望の扉は、いわゆる極楽浄土......か。



――そして、俺は自ら自分の首を吊った。



2章:神への冒涜


「なぜだ!」

「なぜだ!!!」

「え、ほんまになんでやねん!?」


関西弁......?


「名木清勉!」(なぎ/きよかつ)

「お前はなぜ、希望の扉を使わずに首吊りで死んだ!」

「な、なぜだ......初めてだ、こんなやつ」


神も焦るんだな。

好奇心そそる。


「答えるんだ!名木清勉。」


俺「神なら、俺の考えてることくらい把握できるんじゃないのか?」

神「神にも、制度というものがあってだな、

  制度があるから娯楽ができるって言っても過言じゃないくらいだ。」


「それより、お前はなぜ!

 希望の扉を使わなかったんだ!?

 天国に行けるんだぞ?」


俺「それは本当なのか?」


神「......。紛れもなく嘘でしかない。それより!質問に答えろ。」

俺「正直だな。」

 「俺が幼馴染を守れる場所にいたんだよ。」

 「でも、俺が愚かすぎて、」

 「守れなかった。」

「懺悔する価値が高すぎた。」


「ただ、それだけだ。」


神は仰々しく笑っている。

俺「何がおかしい。」

神が笑いつかれた後に言った

神「そんなやつ、初めて見たよ。」

 「希望の扉が現れるやつは、思考停止している場合が多い。」

 「というか、全員そうである。」

 「お前もその一人だ。」


俺「は?」


神「お前は思考していない。」

俺「で、でも俺は希望の扉が出てから

  懺悔するために首吊りを選ぶよう選択したんだぞ?」

 「それは思考じゃないのか?」

神「お前はそれを思考だと勘違いしている。」


俺「は?」


神「お前は第六感で選択していたのだ。」


俺「は~......?」


神「つまり、直感で懺悔しようと選択し、

  その目標を達成しようと体が勝手に動いたんだよ。」


俺「なるほど?理解し......た。」

興味をそそられる事柄だった。



神「お前みたいなやつは初めてだからな。」

 「面白そうだからお前の。名木清勉の願い事を一つ叶えてやろう」

俺「じゃあ、幼馴染を本当の天国に連れて行ってほしい。」

神「それは無理だ。」

俺「は?」

 「待て、そういえば希望の扉を潜った人はどうなる。答えてくれ」

神「それが願いか?」

俺「ちゃうわボケ。答えろ」

神「え、っとまず、天国は存在しない」

 「そして、希望の扉を潜り抜けた者は大地獄に落ちる。」

俺「......。つまりは人の道は大地獄のみか?」

神「いや、希望の扉を潜らずに死んだ者は地獄に落ちる。」

俺「そう、なのか。」



神「それで名木清勉、お前の願い事は?」

俺「決めた。」


 「幼馴染が死ぬ前にタイムリープさせろ。」


神「面白い。ただし、戻すのは時だけだ。」

 「つまり、幼馴染が死んだ記憶もここの記憶も全て消す。」

 「ずっとただただ繰り返す。繰り返される記憶も消去される。」


俺「なぜ戻すのは時だけなんだ。記憶は戻せないのか?」

神「簡単な話だ。私が別の神に怒られる。」

俺「へ、へー。(こいつ神向いてねえだろ。制限多すぎだろ。)」

神「どうする?名木清勉」


俺「なら、またここに戻ってきたときに記憶を戻してくれないか?繰り返された世界の記憶も含めて。」

神「......。いいだろう。その願い、承った。それでは、行ってらっ。」

俺「ちょっと待て!このタイムリープの回数に制限はないのか?」

神「ああ。しかし、現世にいる間の記憶はな......い。」

 「待て、だったらお前は何をしにタイムリープするんだ?」


俺「簡単な話だ。幼馴染を守る。」

神「できるわけがない」

 「記憶はなくなると言っているだろう!?」

 「もう記憶がなくなっているのか?」


俺「失礼だな。神なのに常識しか信じてないのか?」

神「どういうことだ?」

俺「いずれ教える。だから、

  タイムリープを任せた。」

神「いずれ、か。」

 「まだ聞きたいことはあるが、また今度としよう。」

 「それでは、擬似世界へ。」



死んだら地獄か大地獄、だったら『守る』のが一番だな。


3章:度々リピート


僕はまた同じ結末にへとたどり着いた。


神「だから言っただろう?」

俺「すまない、もう一度頼む。」

死ぬ記憶があるっていうのは、嫌になる。

しかし、成功させなければならない。


神「何回やっても同じだって言ってるじゃないか。」

俺「それでいいから頼む。」

神「はぁ。わかった。」

 「それでは、擬似世界へ。」



僕はまた同じ結末にへとたどり着いた。

俺「頼む」

まだだ。

俺「頼む」

まだだ。

俺「頼む」


10回目を過ぎた。

神「記憶は消去しているはずなのに......。」

 「なぜ結末が少しずつ変わってるんだ!?」

俺「言っただろう、幼馴染を守るって。」

いつになるのやら。死ぬも死んでいくも辛い......。


神「ありえない、結末が変わっていくなんて......。」

俺「新しいものを見れて良かったな。」

 「てことで、もう一度頼む。」

神「なぜだ!」

 「答えるんだ!名木清勉。」

俺「いずれ教える。」

神「またか。」

熟考している神に言った。

俺「俺が。名木清勉が面白いものを見せてやる。」

神が仰々しく笑いながら、俺にタイムリープを許した。


24回目、ようやく僕と幼馴染は老死した。


俺「ようやく守ることができたんだな!」

神「おかしい、運命さえも変えた......?」

俺「面白いもの。見れただろう?」


 「ところで、俺が死んでここにいるなら、

  ここが地獄だったのか?」

神「お前にはまだ話してもらうことがあるんだ!」

 「守ることができたんだったら、地獄の前に教えてくれ。」

俺「......。(地獄じゃないんだな。)」

神「答えろよ!」

 「なぜ記憶がないのに運命が変わったんだ!!!」


俺「わかった。」

 「俺には才能があった。」


神「は?」


俺「俺は第六感で選択していたのだ。」


神「は?」


俺「つまり、直感で幼馴染を守ろうとし、

  その目標を達成しようと体が勝手に動いたんだよ。」


神「おかしい。」

 「第六感は無意識化の記憶に発生するものだ。」

 「つまり、記憶を利用して発生する能力だということだ。」


俺「そうなんだよな。」

 「だから、10回くらい試してから本当に守れるのか考えようと思っていた。」

 「だが、未来は変わっていった。」


 「つまり、俺には現世で極極僅かな記憶があったのではないかと推測する。」

 「そこで、お前はいろいろ怪しい。」

 「やけに考えが浅かったり、擬似世界って言ってたり。」

 「世界が少しずつずれていたり。」

 「それも全て、俺にとってそそられるものがあった。」

 「もうタイムリープはしなくても満足だ。」

 「だから言わせてもらおう。」

 「お前、神じゃないだろ?」

それでもあいつは俺が幼馴染を守ることができた神髄である。

だから、俺にとっての神と言って過言ではないのである。

今では極たまに地獄へ会いに来てくれる。

そういえば、「希望の扉」は撤去したらしい。

そんなあいつにあだ名を付けた。

「神」だと。


――幼馴染を守ったという事実は神によって変えられないもので有り続けるのであった。

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