俺だけの花嫁
彼だけに見える、秘密の花嫁。
黒咲豹俐……黒豹組組長。秘密の多い、ミステリアスな男。たった一人だけを心から愛している。
依兎……???
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*合言葉は溺愛、執着、寵愛、狂愛!
*♡喘ぎ
*人様の地雷に全く容赦がありません。
なんでもオッケー!な方はぜひお楽しみください!
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こんばんは、ライです。ご無沙汰しております。
流石に創作男女シリーズを更新しなさすぎているのと、たくさんのリクエストをいただきましたのでリハビリを始めました。
人外×人間は数多く書いてまいりましたが、人間×人外はあまり書いていないのでは?と思い立ち、書いてみました。
相変わらずの手癖ですが、楽しんでいただけるとウルトラハッピーです♡
↓リクエストや感想いただけるととっても嬉しいです!↓
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マシュマロ
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お題箱
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泣く子も黙る黒豹組。
恐ろしく獰猛な獣たちを纏める組長、黒咲豹俐。
漆黒の髪に、黄金の隻眼。神が美しいものを集めて作った、彫刻のように麗しいかんばせに豹のようにしなやかな身体。透き通るように白い肌はまるで、血の通っていない屍のよう。
性格は冷徹で冷酷で、己に不要なものに対しては容赦が無い。逆らった者は二度と陽を浴びることは無いという。
夜に生き、宵闇を従えた美丈夫。
そんな彼には、もちろん縁談の話は止まらない。
美しく、魅力的な男を世界が放っておくはずがないのだから。
「豹俐様、金獅子組からの便りが来ております」
「……内容は?」
ため息一つさえ、同性の部下が目を奪われてしまうほどに美しい。
美しいことは、罪だろうか。
自覚の無い、美。
黒咲豹俐の最大の罪は、その美しさだろう。
「……お前の口は飾りか?」
「……っ、申し訳ございません。金獅子組から縁談の頼りです」
「断る。二度と縁談の話を持ってくるな。何度言えばわかる。
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俺の妻はここにいるだろう。なぁ、依兎」
手下たちは一斉に息を呑む。
『黒咲豹俐の妻』
触れてはいけないパンドラの箱。
黒豹組では禁句にまでなっているほどの、タブー。
黒咲豹俐は二人がけのソファを好む。しかし、中央に座るのではない。
奇妙な程に、隙間を開けて座る。
…………人が一人、座れる分の。
「ああ、可愛い俺の妻。こんなくだらない話など、君のうさぎのように愛らしい耳には相応しくないな」
白く長い指先が、愛おしく撫ぜる。
何かを。
「話は終わりだ。いいな?」
眇められた黄金の瞳に、射抜かれたように動けない。止まった時の中、長身の男だけが立ち上がる。
「おいで、依兎」
何かを……小さく白いであろう手を、取って。
黒豹組の決まり。
誰も口にしないが、誰もが知っている決まり。
黒咲豹俐は屋敷の最奥でほとんどの時を過ごす。
その部屋には近寄ってはならない。
その部屋に立ち入れるのはただ一人だけ。
秘密を知って仕舞えば、闇へと屠られる。
愛しい宝物に近づくことを許すほど、黒豹は優しい獣ではないのだから。
ーー
白城依兎。
白兎組組長の一人娘。
この世で一番幸せで、不憫な娘。
誰よりも大好きな人に愛され、魂が現世に縛り付けられたままの、未だ幼さが残る少女。
『いとね、ひょうりおにいちゃんとけっこんするの! ね、やくそく!』
絡めあった小指。
お揃いの指輪がはめられた薬指。
銃弾に貫かれた穴は縫われても、冷え切った心臓は動かない。
依兎の止まってしまった時はもう進まない。
何度唇に吐息を吹き込もうとも、その息吹が返ることはない。
それでも、それでもなお。
黒咲豹俐という男は、純白の天蓋が美しいベッドに愛しい少女を閉じ込め、この先の未来も共に生きていくのだろう。
死者であれ、屍であれ。
彼にとって最も愛おしく、可愛い花嫁であることに変わりはないのだから。
愛に狂ってしまった男にしか、黒咲豹俐にしか見えない、秘密の花嫁。
『いとね、ずぅっと、ひょうりおにいちゃんといっしょにいたいの。おねがい、はなさないでね』
黒とは真反対の純白のカーテンに包まれ、誓いの口付けを。
挙げることの叶わなかった結婚式は、秘密の部屋の中で、永遠に続く。
『だいすきだよ、ひょうりおにいちゃん』
「俺は愛してるよ、依兎。可愛い可愛い……俺の、俺だけの、依兎」