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日常

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澄んだ空気の漂う正午。

毎日のように太陽から降り注がれるその鋭すぎるその熱線に混じり、いくらか熱度の落ちた熱線が1つ発生し、地面に落ちる直前に爆ぜた。

「あーーーー!くっそ、また失敗!」

「だから言ってるだろうて。レベル1の魔術師がいくら頭脳で構成しても実力も魔力も足りんのやて。」

「だってさぁ、フリーリカ。クリアしたゲームを繰り返ししたってつまらないだろう?」

喚く少年だったが、つまり一度成功した魔法はもうやりたくないらしい。

「それに、教わる魔法なんて想像できるじゃないか。火球を生み出し、飛ばし爆ぜさせます。なんて皆が思うことさ。」

「天才すぎるが故の苦労。というやつなんじゃろうな。アジィサのそれは。」

今もなお喚くアジィサは、納得のいってない顔をしていた。

「1から10に一気には飛ばん。知識があってもな。1が重なり10となるのやて。失敗も含めてや。」

フリーリカは淡々と嗜めるような言い草で、アジィサに伝えようとするが、アジィサは頑固だった。

「教える。というのはここまで難しいことなんかて。」

クソガキ。否。かわいいアジィサのために頭を悩ませるフリーリカの日々は瞬く間に過ぎていった。



それから数日。

納得はしていないが、理解はしているその鍛錬の過程をこなしたアジィサは空いた時間で火球を飛ばして遊んでいた。

近くの道を親子が荷車を必死に押していたが、子の視線はアジィサの火球へと集まっていた。

荷車から火球へと外れた子の視線は荷車の姿勢を崩す要素には十分だった。

アジィサはとっさに火球を宙に上げ、バランスを崩した荷車を地面の土を盛り上げ救う。

「アホがボゲェ!」

頭上から降り注ぐ罵声と共に、衝撃がアジィサの頭に伝わる。

顔を上げるとフリーリカがいた。

宙に漂いながら見下ろすフリーリカだったが、右目からおでこにかけて黒く焦げのようなものが付着していた。

「あっ」

荷車を助ける前に何で遊んでいたか思い出したアジィサは、込み上げてくる笑いを謝罪の言葉で必死に押し込んだ。

「眼球と火球が入れ替わるとこやったて。」

フリーリカのとどめに、押し込んでいた笑いが溢れ出す。

「それは卑怯だろフリーリカ!俺は謝ってたさ!」

「おぬしは心からの謝罪というのを学べて!」

ズカズカと空中から地面へ放たれる火柱をアジィサは必死に避けつつ応答する。

「フリーリカならそんな傷すぐ治せるじゃないか!それになんで当たったのさ!」

「空間転移で飛んできたんじゃぼけが!」

退路を立つように配置された火柱で逃げ場を無くしたアジィサは視界の先で迫り来る火柱で涙が蒸発するのを最後に意識を飛ばした。


「魔法というのはな。」

身動きの取れないアジィサは先ほどくらった傷を治癒してもらいながら師匠の話を聞いていた。否。強制的に聞かされていた。

「失敗から出せる魔法。というのもあるんやて。失敗は成功のもとっちゅうやつやて」

高い集中力を必要とする治癒魔法を話しながら続けるフリーリカもまた高レベルの魔法士だということを示していた。

「火力、角度、タイミング。何かがずれれば既知の魔法とは違う結果が生まれる。そしてそれらを知らなければその先にもいけんのやて」

「わかったよ、フリーリカ」

「そして、失敗や怪我がないと、お前みたいな天才は気づき改めることもできんのでな!」

そう言いながら治癒が終わりきってない傷口をフリーリカは叩いた。

「締めの合図みたいに叩くなよ!それに最後まで直してくれないのかよ!!」

「傷口の蓋は自分の力でやったほうがいいんじゃ!何でもかんでも治癒魔法で治せると思わん方がいい!」

またもや猫の喧嘩如くヒートアップする2人だったが、アジィサの腹から終わりのゴングが鳴り響いた。



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