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ふわふわふわり
※作中の場所の雰囲気等は本作内のみのものであり、実際に存在していた場合などであったとしても無関係となります。
ある春の日、とある大木に残っていた一輪の桜の花があった。
あるときふわりと風が吹き、最後の一輪の桜は空高く飛びたった。
ふわふわふわり、風に流され旅をする。
いつしかどこかの町が見えてきた。
高い建物や低い建物。いろんな高さの建物がある。
ふわふわふわり、風に流され旅をする。
今度はどこかの村が見えてきた。
赤やオレンジ、青や黄色などいろんな色の屋根がある。
とても明るくて楽しそうな村だった。
その後も、ふわふわふわりと風に流され旅をした。
どこかの町の学校の上や、とある村の教会の上。
他にもいろんなところを風に流され旅をした。
そんなあるとき、ふわふわふわり風にのり、一輪の桜は段々空から降りてきた。そこには一人の小さな女の子が立っていた。
桜に気づき手を広げると、まるで吸い寄せられるかのように、ふわふわふわりと桜は少女の手の中に降りていった。