表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を、楽しめっ!  作者: 井崎 刀真
序章 チュートリアル
3/7

初戦闘、突入!

本日3話目


本日はこの話含めて4話投稿予定です

1話 0:00 投稿済み

2話 6:00 投稿済み

3話 12:00 投稿

4話 18:00 投稿予定

 説明なしに洞窟に放置された形になったが、喚いても進まないと思い直す。今にも爆発しそうな怒りをなんとか抑え、洞窟の中で明らか異様な所に目を向ける。

 それは白い台だった。部屋の隅から隅まで伸びる横長のそれに様々な武器が載っている。剣に槍、弓といったありふれたものから鎖鎌といったマイナーなものまで。その台の前にいっても特に反応がないため、試しにひとつ手に取ってみる。そうすると、唐突に画面が出てきた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

名前:始まりの剣

攻撃力:なし

耐久力:10/10

レベル制限:なし

制限クラス;なし

[不壊]

詳細:

 古の王国兵士見習いが使っていた剣。

 誰でも扱えるが錆だらけで切れ味が悪く、一度振るえば折れていましそうである。

 しかし、作り手の想いか、担い手の遺志か。

 込められた念によりこの剣が折れることは決してない。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『剣術』Lv.1

 剣術の基礎。

 基礎であるがゆえ効果は低いが、これを知らずして剣を修めること叶わず。

 あらゆる剣士はここから始まった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


《「始まりの剣」、『剣術』を取得しますか?》



 これは、武器の詳細とそれに対応したスキルかな。その後のアナウンスのことを考えると、どうやらここで最初の武器とスキルを選ぶらしい。

 スキルはいわゆる「才能」であり、魔法や技が使えるようになる。プレイヤーは行動やレベルアップ、イベントでスキルを取得できる。スキルを成長させると、使える技や魔法が増える。繰り返し使ったり、魔物を倒したりすることでスキルは成長していく。ここら辺は他のゲームと大して変わらないか。


 それからいくつか武器を取ってみてが、他の武器も言葉が違うだけで同じ性能だった。攻撃力がなく、不壊という能力がある。最初の武器が壊れないとは、他のゲームでもよく見る設定だな。それよりも、だ。鎖鎌を見習い兵士に使わせる王国とか、かなり気になる。どんな国だよ。その王国について調べることを目標にしても良いかもしれない。他にも気になる情報があるかも。

 それはともかく、他にも分かったことがある。まず一つ、武器は一つしか取れないこと。一つ手に取るとそれ以外の武器が半透明になり、触れられなくなった。武器の入手を確定させず、元の場所に戻すと他の武器も元の状態に戻った。いくらでも選びなおせるのか。二つ、武器の試し切りが出来るようになった。その武器の感触を確かめていたらマネキンが出てきて、試し切りが出来るようになった。……なんか見られてないか? 出てきたタイミングが良すぎるんだが。愚痴をこぼした直後って。気のせい、だよな。

 先程のベールの人物が頭に浮かびながらも武器選びを続けた。




「ナイフにするか、それとも剣にするか。悩みどころだな」


 謎の監視に関してはどうしようもないと諦め、武器をいくつか試した後、候補をナイフと剣に絞った。剣は鉄板の武器であり、今まで散々使ってきた。そのため、剣を使った動きは頭に入っている。違うゲームといってもある程度動きは通じるだろう。対してナイフはほとんど使ったことがない。数少ない使った経験もサブ武器としてであり、一度もメインとして使ったことはないのだ。

 ただ単にゲームを効率よく快適に進めるなら、剣一択である。しかし、今回はそうではない。


「違う生き方をするなら、武器も変えるか」


 新しい生き方をすると決めたのに、今までと変わらない武器というのも味気ない。新しい武器で新しい世界を冒険する。そういった挑戦を行うのも楽しそうだ。


《「始まりのナイフ」を入手しました》

《「始まりのナイフ」を装備します》

《『短刀術』Lv.1を取得しました》

《『短刀術』Lv.1をメインスキルにセットします》

《初めてスキルがセットされました。対応するクラスをセットします》


 ナイフを手に取り、入手を確定する。そうすると、武器とスキルの取得アナウンスが流れ、白い台が上にあった武器ごと空気に溶けるように消えていった。同時に入った場所とは反対方向にある壁が音を立てて崩壊し、丁度人一人通れるような穴が現れる。暗くて先が見えないが、先に続いている道なのだろう。


 って待って、クラスって何? 聞いたことないんだけど?

 先に進む道が現れたけど、先にステータスを確認させて。



□□□□□□□□□□□□□□□

名前:ブレイ

レベル:1

クラス:暗殺者(アサシン)


メインスキル:

『短刀術』Lv.1

□□□□□□□□□□□□□□□



 えっ、暗殺者? 何これ?

 自分のステータス画面ではあるが、かなり情報が少ない。しかし、これがこの世界の仕様だ。ステータスで最低限の情報であり、詳細に知りたいなら専用のスキルが必要だ。つまり、STRとかステータスと聞いて真っ先に思いつくものはスキルがないと確認できない。

 それはいいんだ。公式サイトに載っていたし。クラスってなんだ? メインスキルって初出の単語もあるし。いや、名前からある程度の予測はつくけど。

 何とか知る手段はないかとメニューバーを流し見すると、ヘルプが白く光って自己主張をしている。その中をのぞくと、クラスとメインスキルの項目が追加されていた。

 ヘルプによると、クラスとは死者から授かる力の器とある。受け継ぐ力は雑多なものであり、とても扱えたものではない。その雑多な力の方向をまとめ、扱えるものにするのがクラス。プレイヤーはそのクラスに合わせ成長するらしい。

 メインスキルとはその名の通りメインで使うスキル、取得したスキルはメインスキルにセットすることで初めて効果を発揮し、成長するようになる。

 とはいえ、いくらでも取得できるかと言えばそうではなく、メインスキルにセットできるのは10個までであり、それ以外のスキルはメインスキルにセットしない限り定期的にスキルレベルが下がる。


 つまり、クラスは職業みたいなもの。メインスキルは文字通りの意味だが、上限があるからスキルは計画的に取得しろってことか。


 ステータスとヘルプの確認を済ませ、台の消失と共に現れた道を進むことにする。「短刀術」は短刀、ナイフを使った時に補正が入るらしい。魔物へのダメージ上昇とかそこら辺だろ。現時点で使える技とかはない。レベルが1であるし、これから上げていけば自然と技も増えるだろう。

 そういえば、武器で思い出したが、防具はどうなのであろうか。今着ているのは見た目布の服であり、防御力は皆無そうに見える。性能を見ることは出来ないが、ナイフのことを考えると壊れないとかそういった性能だろう。


 装備を確認していくうちに道の終わりが見えてきた。どうやら小部屋につながっていたらしい。その部屋は白い壁に四方を囲まれており、天井も白い。床だけが土である。部屋の大きさは武器が置いてあった部屋と大体同じである。

 また、部屋の中央には、これまた白い見た目の人形がいた。球体関節に目や鼻がない顔、まんまマネキンだよな。そいつを視認するのを待っていたように、ウィンドウが表示される。そこには、『戦ってみよう』という言葉が表示されていた。


「戦ってみよう、ね」


 つまり、あのマネキンはチュートリアル戦闘の相手、ということだろう。ウィンドウには他にもスキップしてチュートリアルを終了することもできると書いてある。


「せっかくだし真面目に戦うか」


 この世界で初めての戦闘の機会。それから自ら背を向けるのは少し癪だ。チュートリアルだし、多少手間取っても負けることはないだろう。あらためて考えると初めて使うナイフの初戦の相手としては丁度良い。武器を慣らす意味でもスキップせずにちゃんと戦おうか。

メインスキルは特定の施設でのみ入れ替え可能

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ