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〜序章〜少年時代⑤伊藤惣十郎との商談

ただいま!帰ってきました。

毎日投稿続けますのでこれからもよろしくお願いします!

「父上。今少しよろしいでしょうか。」

「よいぞ。なんだ?」

「実は日吉丸という子供を仲間に入れたいと思いまして。」

「なんでじゃ?さいきんふえたばかりじゃろ。」

「いえ。あの子には将来武将として功績を挙げてやるという決意の目が見えました。あとで敵になるのならとても厄介な相手となりそうですし、味方に入れればとても心強いかと思いまして。」

「なるほど。それも未来の記憶か?」

「はい。本当はもっと後に家臣になる予定でしたから、早く家臣にしても問題ないかと。その子にかかる費用に関しては自分でまかないますのでお願いします。」

「ふむ。だめだな。」

「どうしてです!私は…」

「じゃがお前がそこまでいうんじゃ。だからもし、商業・産業奉行として功績を立てることができたら、これからも儂の許可なしに勝手に家臣を増やして構わんということにする。じゃから頑張れ。それだけじゃ。」

「!わかりました父上。この吉法師父上の期待に添えるよう精進してまいります。あとできれば村井や柴田、佐久間も俺の家臣にしたいのですが。」

「それなりの功績をたてたらな。考えておいてやる。頑張れよ吉法師。」

「はい!」


…ならほど功績を立てるか。今の計画を早く進めなければならないな。確か尾張には伊藤惣十郎というやつがいたな。そこで3つの農具を売れるように交渉してみるか。名前も決めなきゃな。

「爺。勝家と信盛を呼んでくれ。」

「はっ。」

そう言いながら俺は自室に入って行った。


「此度はどのような話で呼び出されましたか?」

「こないだの農具の話なんだが名前を決めて商人に売ってもらおうと思うのだがな名前が思いつかんのだ。一緒に考えてはくれぬか?」

「商人に!?何故ですか?このまま配らないのですか?」

「ばかか。そんなことしたら他国でも勝手に流通してしまう。それに出費が多い。だから商人に売らせて利益の一部をもらうのだ。発想料としてな。それなら他国に売り飛ばしても利益がしっかりと得られる。」

「なるほど。そこまで考えていらっしゃいましたか。愚問でした。お詫び申し上げます。」

「よいよい。それよりも勝家・信盛これから求められるのは何かわかるか?銭だ。兵を揃えるのにも装備を行き渡らせるのにも銭がいる。銭があれば他国と有利に戦うことができる。だから今のうちから銭を集めるのだ。そのため商人とあって売れるようにしなければならんが名前が決まってないからな。何かないか?」

「なるほど。わかりました。名前でありますか。」

「このくわは単純に尾張ぐわで良いのではないでしょうか?他国への影響もあるでしょうから。」

「ではこのくしは織田ぐしと名付けるのはどうでしょうか?」

「2つともよい名前だな。では最後のは風邪で吹き飛ばすことから戦飛ばしと名付ける。戦で吹き飛ぶような勢いで勝てるようにという意味でな。」

「良き名前ですな。」

「私も今からやる気が出てきました。」

2人は思い思いの感想を述べた後、

「してこれからどこの商人のところに行くのですか?」

「伊藤屋という伊藤惣十郎がやっている店がある。そこへ行くぞ。」

「わかりました。手配いたします。」


伊藤屋にて

「大変です!惣十郎さん!伊藤屋にあのうつけが来るそうです!」

「どうした?いつものことじゃないか。」

「それが…なんでも2人の家臣を連れて正式な話があると。」

「!なんと。そうかではお三方を丁重におもてなししろ。不備がないようにな。」

…それにしてもない考えてるんだ?ここの大名は?まあいいだろう。話を聞いてみないことには何もわからないしな。


「さてでは行くとするか。」

「はい。ところで本当にこの人数で良かったのですか?私どもの2人だけの護衛ですよ。」

「大丈夫だ。普段は護衛すらいないし、街では遊んでばかりいるうつけ者と言われているからこの商談も俺の名前を出さないようにしてもらうつもりだしな。」

「なるほど。わかりました。」



「よう!元気でやってるか?」

「はい。最近は店も大きくなってきておりますので。」

「そうか。それじゃあ少し話がしたいんだが?」

「わかりました。こちらにどうぞ。」

「ありがとう。人払いも頼む。」

「わかりました。みんな出てってくれ。」

「さて。じゃあいきなりだが本題に入ろうか。これを見てくれ。」

そういうと俺は風呂敷に包んでいた3つの農具を取り出した。

「?なんですかこれは?」

「これは全部農具でな。これが効率よく…………というわけなんだがな。どうだ?」

「!なんですかこれは!農業の革命ですよ!これは売れますぞ!」

「そうかそうかじゃあ売ってもらってくれて構わない。設計図はここにある。その代わり売上の6割はこちらがもらう。」

「よいのですか!?で、でもさすがに6割は無理でございます。」

「そうか。では他で話をつけてくるとするか。」

「ちょっと待ってください。3割でどうですか?」

「だめだ。4割。これでどうだ?」

「うーん…わかりました仕方がありません。その代わり独占販売できる仕組みを作っていただけませんでしょうか?」

「お前もあったほうがいいと思うか。俺もそう思っていたところだ。そうだな…特許という仕組みはどうだ?特別に売るのを許すという仕組みだ。これで文句はないな。」

「はい。ありがとうございます。」

「俺からも3つ頼みがあってな。1つ目は俺の名前を出さないでほしい。いきなりうつけが台頭したら周辺国に怪しまれる。2つ目がこの国内だけでなく沢山の国で売って欲しい。特に今川にな。3つ目は俺のお抱え商人になってくれ。」

「!1つ目と2つ目はわかりました。3つ目はしばし待ってください。決まり次第お伝えいたします。」

「そうか。わかった。」

そして俺たちは握手を交わした。



それからは軽く談笑をしてから城に帰つてきた。

「あやつ抜け目のない男でしたな。そんな奴と対等に渡り合えるなんてやはり吉法師様はすごいです。」

「そんなことないさ。自分が欲しいものを手に入れるためにはそれ以上のものを要求する。交渉の基本だ。」

「まさか最初から4割の利益を得るつもりで!?そんな方法があったのですか。勉強になりました。」

「商人はみんな使ってるさ。普通はそこからお互い妥協点を見つけるのさ。それに税で1割ほどそこから取られるしな。」

「確かにそうでした。まさかそこまで考えていらっしゃったとは。この勝家感銘を受けました。」

「信盛も同じくです。」

「今からそんなこと言ってたらこの先お前らは驚きっぱなしだな。はっはっは。」

「左様でございますか。それは楽しみです。」

「特許については織田家から特別に許可を頂かない限り、それを売ってはならない。もしも破ればそれ相応の罰を与える。というので良いよな。」

「はっ。それで良きかと。」

「じゃあ俺は父上にこの話をしてくる。」

「いってらっしゃっいませ!」

それから俺は父上の部屋へと向かっていった。



伊藤屋にて

「あれがうつけ者だと。」

…呆然とした顔で惣十郎は外を眺めていた。

どうだったでしょうか?今回は約束通りたくさん書いたのでだいぶ長くなりました。これからも楽しく読んでいただけると幸いです。

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