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パーティーメンバーに婚約者の愚痴を言っていたら実は本人だった件  作者: ぷにちゃん
第一章 悪役令嬢、死なないため冒険者になる!
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8:スライム討伐完了

「お……っとぉ?」


 まさか自分がもう一人現れるとは思ってもみなかったので、動揺する。


「えっと、喋れるのかな?」


 ロゼッタがもう一人のロゼッタ――化身に話しかけると、ふるふると首を振った。こちらの話はわかるけれど、喋ることはできないようだ。


「ふむ……。攻撃魔法とかは使える?」


 戦えるのであれば、戦闘面でかなり有利になる。そう思ったのだが、化身は首を横に振った。どうやら能力的なものは持ち合わせていないようだ。


(なるほど、なるほど……)


 となると、固有魔法だが使えるシーンがかなり限られる。そう考え、しかしハッとする。


「そうだ、日中はこの子に家にいてもらえばいいんだ!」


 自分と喋る使用人はいないし、ナタリーは味方なので魔法であると理由を話しておけば問題はないだろう。

 これで、自由にレベル上げに出かけることができる。


(正直微妙な魔法かと思っちゃったけど、今の私にはぴったりだったみたい!)


「よろしくね、私の化身ちゃん」


 ロゼッタが笑顔で手を伸ばすと、化身も笑顔で手を握り返してくれた。どうやら、意思の疎通は問題なさそうだ。

 よかったよかった、思っていたのだが――ふっと、化身が消えてしまった。


「ええっ!? 時間切れ!? 短い!!」


 がががーんとショックを受けつつも、もう一度。そう思ったのだが、詠唱をしても化身が現れてくれない。


「はて?」


 どういうことだ? 頭を悩ませながら首を傾げ、ロゼッタはある結論へと行きつく。


「そうだ、魔法を使うためのマナが足りないんだ。発動しなくても不思議じゃない」


 この乙女ゲームは、魔法を使う際にマナを消費する。

 マナは自然治癒、もしくはアイテムを使うことで回復することができる。さらに、今のロゼッタはレベルが低いのでマナの量も少ないのだ。


「ということは、マナの量が多いほど化身の持続時間が増えると考えたらいいのかな? 【ステータス】というか、マナの残数が見えたらいいんだけ――ふおっ!?」


 ロゼッタが【ステータス】と呟いた瞬間、自分の目の前にステータスウィンドウが現れた。見ると、ゲーム画面と同じものだ。

 ギルドカードにあったものよりも、詳細な情報が載っている。



 ロゼッタ・フローレス(ロゼリー)・レベル5・HP100/100・マナ3/50

 魔法:

 初級闇魔法【ダークアロー】

 闇の矢を出現させ、ダメージを与える。

 固有魔法【夜の化身】

 思い描いた化身を出現させる。出現させている間は、一分毎に10のマナを消費する。

 依頼:

 スライムの討伐(10/10)



「おお、魔法の説明も書いてある! これは便利! というか、マナの消費量がちょっとえげつないかな……」


 レベルが上がれば問題ないのかもしれないが、今のロゼッタはレベル5だ。とてもではないが、長時間も化身を持続しておくのは難しいだろう。

 もし今すぐ化身を出し続ける必要があるのであれば、マナポーションをがぶ飲みするしかない。


「とりあえずの目標は、やっぱりレベル上げね」


 そうすれば死亡回避もできるかもしれないし、化身を自在に使いこなすこともできるようになるだろう。


(でも今日は……)


 一度街へ戻り、依頼の報告と売っているアイテムの確認をするのが先だ。



 ***



 ということで、冒険者ギルドへ戻ってきた。


「おかえりなさい、ロゼリーさん!」

「ただいま、リリさん」


 ロゼッタがにこにこ笑顔で戻ると、リリは結果が分かったようで、安心した顔を見せた。


「無事にスライムを倒せたようですね。ギルドカードを確認しますね」

「お願いします」


 ギルドカードを差し出すと、依頼の手続きをしてもらうことができる。ゲームでは気にならないが、現実で見るととても不思議だ。


(まあ、便利だからいいんだけどね)


 すぐにリリが手続きを終え、カードと依頼報酬の三〇〇ゴールドが渡された。


「ありがとうございます。それと、ドロップアイテムも買い取ってもらえますか?」

「もちろんです。スライムボールが……八個ですね。一つ一〇〇ゴールドなので、八〇〇ゴールドでの買い取りですね」

「はい」


 追加で八〇〇ゴールドをもらい、テンションが上がる。この世界で、初めて自分でお金を稼ぐことができた。


(となると次は、アイテムと装備の購入!)


 回復アイテムを持っていれば、明日はもっと狩りをすることができるだろう。


「今日はありがとうございました、リリさん」

「お疲れ様でした、ロゼリーさん。今日はしっかり休んでくださいね」

「はい! また明日きますね」

「お待ちしています」


 リリに挨拶をし、ロゼッタは冒険者ギルドを後にした。



 ゲームでは、ポーションが一つ一〇〇ゴールドで、マナポーションは三〇〇ゴールドだった。

 今のやり取りで、ロゼッタの所持金は一一〇〇ゴールドだ。

 攻撃手段が魔法なので、できればマナポーションがほしいところだけれど――どうだろうか。

 スライムからはダメージを受けなかったが、さらに強いモンスターを倒そうと思ったらそうもいかない。


「ポーションを二個とマナポーションを三個?」


 それだとHPが心許ないかもしれないが、低レベルモンスターなら休み休み頑張ればどうにかなるような気がする。

 まずは強くなることが最優先なので、現時点でお金を残しておくという選択肢はロゼッタにはない。また依頼をこなせばお金は手に入るのだから。


 冒険者ギルドから少し歩いたところに、魔法店があった。

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