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パーティーメンバーに婚約者の愚痴を言っていたら実は本人だった件  作者: ぷにちゃん
第二章 死亡フラグいっぱいゲームスタート!
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34:ノワールと秘密の話

 無事に水光の花を採取したロゼッタたちだが、まだサバイバル演習の時間が少し残っていたので……レオを交えて魔物と戦い、最後は打ち上げ野宿パーティーをして楽しむことにした。

 ということで、ロゼッタたちは森の入り口近くに拠点を作り、火を起こして動物を狩った肉と採取したキノコなどを使ってバーベキューを始めた。



 果実水を一気に飲んだロゼッタは、酔っ払いのごとく絡むようにレオのところまで行って隣に腰かけた。


「ねえ、レオ! めちゃくちゃ体鍛えてるね!?」

「勇者だからな! 腹筋は自慢だ」


 食いつくようなロゼッタの問いかけに、レオは自信満々で服をめくって腹筋を見せてくれた。六つに割れていて、思わず見入ってしまう。


「すごい……!」


 そして自分のお腹を触って、腹筋のなさに絶望する。


「いいな、腹筋……」

「ロゼッタも鍛えればいいだろう? 女だからって、腹筋が割れないわけじゃないぞ?」

「……そうだよね。うん、私頑張るよ! レオ、私に剣技を教えてよ」

「おお、任せろ!」

「やった~~~~!」


 二人ともテンションが高いせいか、ぽんぽんと話が進んでいく。それを見ていたルイスリーズは、「ちょっと待て!」とロゼッタにストップをかける。


「それなら俺が教えてやるから!」

「え……でも、ルイは忙しいから」


 あんまり迷惑はかけられないと、ロゼッタは考えていた。学園に、冒険者に、王太子をしている。正直、ロゼッタのことを見ている時間はないのでは……と。

 その点、レオは時間に余裕があるので、剣を教えてもらうのにちょうどいい。報酬を支払えば、互いにwin-winだ。


「大丈夫だよ。それに、同じパーティーの俺が見た方が効率もいいだろ?」

「そうかなぁ」


 互いに譲りそうにない二人を見て、レオはぷっと噴き出した。


「なんだ、俺に妬いてたのか?」

「え」

「んなっ!? 別に、そういうわけじゃない! そっちの方が手間がないと思っただけだ」


 ――なんてルイスリーズは反論するけれど、耳が赤くなっている。レオの言ったことは、図星だったのだろう。

 レオはうんうん頷き、「わかるぞ」と口にした。


「ロゼッタはめちゃくちゃ強い魔法使いで、さらに闇の妖精とも契約した。これほど魅力的な女性は、そうそういないもんな。俺だって、ロゼッタに惹かれてる」

「レオ!?」


 続くレオの爆弾発言に、ロゼッタは目を見開いた。しかしそれに待ったをかけるのはもちろんルイスリーズだ。


「そもそも、ロゼッタは俺の婚約者だ」

「えっそうなのか!?」


 今度はレオが驚いた。


(そういえば、みんな名前くらいしか名乗ってなかったや)


 ロゼッタは苦笑して、自分たちのことをレオに話した。



「王太子!? 公爵家の令嬢!? 騎士団長の令息に、宮廷魔術師の令息まで! これは失礼を!!」


 貴族だとは思っていたが、まさか王族だったとは! と、


「そんな堅苦しくしなくて大丈夫ですよ。そもそも、レオだって勇者様だし」

「光竜を倒した仲間みたいなものだから、気にする必要はないさ。それに、私も学生という身分だし」

「二人とも……ありがとう。堅苦しいのも苦手だし、このままでいいって言ってくれるなら嬉しい」


 ほっとした様子のレオに、ロゼッタとルイスリーズは「もちろん」と頷いた。




 ロゼッタが飲み物の追加を取りに席を立ったら、ちょうどノワールがついてきた。


「あれ、どうしたのノワール」

『ロゼッタはボクの契約者になったから、伝えた方がいいかと思って』

「……!」


 真剣な瞳のノワールに、ロゼッタは「ちょっとトイレ!」と言って少し拠点から離れた。これなら、誰もついてこないだろう。

 きっと、ノワールの話は深刻なものだと……そんな予感がした。


『ありがとうロゼッタ。……実は、ロゼッタと行動を共にしている少年――カインのことだ』

「カインの? もしかして――」


 魔王の話? と言いそうになり、ロゼッタは慌てて自分の口を手でふさぐ。さすがに、自分から言ってしまったらどうして知っているのか説明するのが大変だ。

 ノワールはロゼッタの行動を不思議そうに見たけれど、気にせず話を進めてくれた。


『驚かないで聞いてほしいんだけど……カインは、魔王なんだ』

「……うん」


 ロゼッタが静かに頷くと、ノワールが目をぱちくりさせた。


『さすがにもう少し驚いてもいいと思うよ?』

「え、それ言うの?」

『だって、普通は魔王なんて言われたら驚くじゃないか』


 なんとも調子を狂わせられると、ノワールは頬を膨らめる。


『まあいっか。それで、カインは魔王なんだけど、ボクが封印してるから平和に過ごせてるんだけど――魔王を復活させようとしてる奴らがいるんだ』

「――魔王信仰!」

『知ってるなら話は早いね』


 その話は、遠征課題が始まる前に聞いたものだ。

 魔王を復活させようとしているなんてとんでもないと、ロゼッタは怒りを顕わにしたものだ。そして潰してやりたい――とも。


(ノワールは平和を望んでくれているんだ)


 ロゼッタはぐっと拳を握りしめ、まっすぐノワールを見る。


「大丈夫だよ、ノワール。私が魔王信仰をやっつけて、カインが魔王になることを阻止するから!」

『ロゼッタ……!』

「この世界を救う――なんて大それたことは言わないよ。でも、カインは私の大切な仲間だから、カインの平穏を脅かすようなやつらは絶対に許さない!」


 手掛かりはまだ何もないけれど、今のロゼッタには心強い味方がいるし、ある程度の権力や冒険者としての地位もある。


「私は死なないし、カインも助けてみせる! だからノワールも、力を貸して」

『もちろん! 一緒に魔王信仰を阻止しよう』

「『おー!』」

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『私、魔王。――なぜか勇者に溺愛されています。』コミカライズ連載中!
魔王を倒しに行った勇者が、魔王に一目惚れしてお持ち帰りしてしまうお話です。

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私、魔王。―なぜか勇者に溺愛されています。
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