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パーティーメンバーに婚約者の愚痴を言っていたら実は本人だった件  作者: ぷにちゃん
第二章 死亡フラグいっぱいゲームスタート!
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16:サバイバル演習開始

 ロゼッタたちは遠征課題が行われる『泉の森』の入り口へやってきた。

 なんでも森の中にいくつかの泉があり、それが名前の由来になっているらしい。泉の水も澄んでいて飲むことができるため、生徒が初めての野宿を経験するにはもってこいなのだとか。



 生徒が集まった前で、教師が最終説明をしている。


「皆さんがこの森でサバイバル演習をするにあたり、一つだけ課題があります」


 教師の言葉に、生徒たちがざわつく。

 なぜなら、事前に課題があることが説明されていなかったからだ。まさかの開始直前の不意打ちだ。


「まず、それぞれの班にこの森の簡単な地図を配ります。リーダーは受け取りに来てください」


 教師の指示が出て、ロゼッタの班からはルイスリーズが代表して取に行く。地図には森にある泉の位置や、大きめの岩、ちょっとした広いスペースなどが書かれている。


「森の中央より少し手前、一番大きな泉がありますね。そこに水光の花が咲いていますから、それを採取してきてください。もちろん、根からです」


 採取をするときは、葉だけ、茎から、根ごとなど、種類によって方法が異なる。根からという場合は、根もなんらかの材料にできることが多い。

 成長が早いものなんかは、葉だけ採取して次に残すということもする。


「この森は比較的難易度が低いですが、危険がまったくないというわけではありません。魔物はスライム、フラワーラビット、ちょっと強くなるとウルフ、さらに奥へ行くとゴブリンが出ます。注意して泉を目指してくださいね」


 スライムやフラワーラビットであれば、生徒でも問題なく倒すことができるだろう。しかしウルフになってくると、素早さや攻撃力が桁違いに上がってくる。レベルの低い生徒が一人で倒すのはまず無理だ。


 生徒たちの返事を聞いた教師は、一つ頷いて、もう一度注意を促した。


「いいですか。森の中では、絶対に一人になってはいけません。何があっても、最低二人以上で行動するように心がけてください」

「「「はいっ!」」」



「では、遠征課題『サバイバル演習』――始め!」



 教師の声を合図にし、生徒たちはいっせいに動き出した。



 ***



「わあぁ~、綺麗な森だね。木々の合間から太陽の光が入ってきて、キラキラしてる」


 ここで遠征ができるなんてラッキーだと、ロゼッタは上機嫌になる。

 今なら森の奥までスキップで行き、闇魔法でゴブリンを殲滅したっていいくらいだ。


 しかしそんなロゼッタとは対照的に、プリムはびくびく震えながら歩いている。


「魔物が出るんですよね……。スライムとフラワーラビットは遠目から見たことくらいありますけど、ウルフとゴブリンは……」


 考えただけでも恐ろしいと、プリムは青ざめている。

 そんなプリムを見て、そういえばヒロインの初期レベルは1だったことをロゼッタは思い出す。とはいえ学園が始まって一ヶ月経っているので、数レベルくらいには上がっているだろうけれど……それでも厳しいことに変わりはない。


(本当なら、ここで攻略対象キャラたちと一緒にレベルを上げるはずなんだよね)


 しかし悲しいかな、ルイスリーズも、ラインハルトも、リュートも、ロゼッタが幼少期から関わったせいで実は初期レベルをはるかに超えてしまっているのだ。

 ルイスリーズにいたっては、Aランク冒険者にまで上り詰めている。おそらくラスボス……というか魔王だって一人で倒せてしまうだろう。


 なので、プリム以外のメンバーはまったくといっていいほど恐怖を抱いてはいなかったりするのだ。


「とりあえず、ある程度進んだら野宿する場所を確保しよう。今日は初日だから、早めに拠点を決めて周囲の探索をする」

「オッケー!」


 ルイスリーズの指示に、ロゼッタは頷く。

 別に時間を競っているわけではないので、慎重になるくらいでちょうどいい。プリムも、きっとその方が安心だろう。


 それじゃあ行動を開始――というところで、草木ががさりと揺れた。ちょうど、プリムの真後ろだ。


「きゃぁっ! な、なにっ!?」


 プリムが慌てて草木から離れると、一匹のスライムが顔を出した。


「ど、ど、どど……っ、どうし、えっと、戦闘態勢に――」

「【ダークアロー】」



「「「あ」」」



 プリムが大慌てしながらも、どうにか戦おうと決意した瞬間――無情にも一本の闇の矢がスライムを屠ってしまった。

 ルイスリーズ、カイン、ラインハルト、リュート、プリムの反応を見て、ロゼッタはなんの「あ?」と思い、ハッとする。


「え、あ、そうか、ごめん!!」


 これは冒険ではなく、学園の授業だったことを思い出す。

 おそらく正解は、前衛と後衛、支援に分かれてスライムと戦闘を繰り広げるということだったのだろう。

 おそらく陰で見ている教師も、生徒の一人が一瞬で倒してしまうことは想定していないはずだ。きっと今頃、とんでもない班を担当してしまったと頭を抱えていることだろう。


「ロゼッタ。まずは私とラインハルトが前に出るから、様子を見てから魔法を撃ってくれ」

「はーい」


 なんとものんきなルイスリーズとロゼッタのやり取りを見て、カインはこれでいいのだろうか? と、ため息をついた。

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