13:遠征の話し合い
ついに、遠征課題の日がやってこようとしていた。
教壇にはロージー先生が立ち、遠征に関する話をしてくれているところだ。
「今回の遠征課題は、『サバイバル演習』です。実習期間は学園からシャリリア地方までの移動を入れて五日を予定しています。その間は野宿ですから、みなさん十分な準備をしてくださいね」
演習の内容説明がされると、教室中がざわついた。
それもそのはずで、ここにいる生徒はほとんどが貴族であり、普段野宿をするようなことはしないのだ。
ロゼッタやルイスリーズのように冒険者をしていたら別かもしれないが、これはなかなかレアなパターンだと思った方がいい。
遠征課題、サバイバル演習。
学園からシャリリア地方へは、馬車で約一日。現地の森で三日のサバイバルを行い、帰路に一日というスケジュールのようだ。
サバイバルをする森には何人もの教員がいて、生徒たちの様子を見ている。ただ、手助けなどは一切行わないので、問題が起きても自分たちの手で解決するしかない。
森には数種類の魔物が生存しているので、戦闘力はもちろん、森の中での過ごし方なども見られるだろう。
「成績が良ければ、騎士団から注目されることもあります。みなさん、将来に向けての演習だと思い、頑張ってくださいね」
そう言ってロージー先生が微笑む。
「次に、班を決めてくださいね。だいたい五人から七人くらいがいいでしょう。班は、前衛に後衛などのバランスはもちろんですが、サポートができる人も貴重ですよ。二日後までに班員を決めて、用紙にメンバーを書いて提出をしてくださいね」
「「「はーい」」」
ロージー先生の説明が終わると、ロゼッタたちはさっそくいつものメンバーで集まった。
前衛のルイスリーズとラインハルトに、後衛のロゼッタとカインにリュート。光魔法を使うプリムはサポートが上手いし、カインは野宿のノウハウもある。
「……うちの班、完璧のぺきでは」
ロゼッタの目がキラリと光り、自分の班の勝利を確信する。勝敗などがあるかは知らないけれど、きっと卒業後の就職には有利だろう。
とはいえ就職についてはほぼ全員困らないであろうメンツなので、そこまで気にすることはないのだが。
「よろしくお願いします、殿下!」
「ああ」
「ロゼッタ嬢と同じ班になれて嬉しいです」
「うん、よろしく」
ラインハルトとリュ―トそれぞれの反応に、ロゼッタは苦笑する。普通なら、まっさきに将来自分が仕えるべきルイスリーズに言葉をかければいいのに、と。
(よっぽど私にレベリングしてもらえたのが嬉しかったんだ!)
これは遠征課題もビシバシレベリングしていいのでは……と、ロゼッタは多少悪い笑みを浮かべる。
その横ではルイスリーズがプリントを見ながら、全員に視線を向けた。
「野宿の準備は、各自でするように。テントは、ロゼッタとプリムは二人で一つで充分だろう。見張りもあるから、私たちのテントは大きめのを一つでよさそうだ」
てきぱきと指示を出すルイスリーズの言葉に、ロゼッタたちは頷いた。





