4:筆記試験
ロゼッタたち三人は、カインが確保してくれた空き教室へやってきた。
あとは筆記試験が始まるまでの間、必死に詰め込むだけだ。
「違うロゼリー――じゃない、ロゼッタ様! 国の歴史はともかくとして初代国王の名前くらいは覚えておいて……!」
「は、はいっ!」
貴族の常識じゃないのと、カインが顔を引きつかせる。隣にいるルイスリーズは、若干あきらめている節すらある。
(うぅぅ、私のお馬鹿~~!)
「狩り関係だったらまあまあ自信があるんだけど……」
「そういった問題も出るには出るが、そっちは実技試験があるからそこまで重要視はされていないんだ」
ロゼッタの呟きに、ルイスリーズが返事をする。
「そうだよね……実技試験なら、そこそこ自信もあるんだけど……」
むしろ今のロゼッタであれば、ぶっちぎりの首席合格でも夢ではないのでは? と思ってしまうほどだ。
とはいえ、それは実技だけの話で……。
「は――人生ままならない……」
「ロゼッタ様はもうちょっと頑張りなよ……」
「うぅ、わかってるよ」
ロゼッタは頬を手で思いっきり挟んで、気合を入れ直した。
***
試験は一年生に割り振られている教室で行われた。魔女のようなとんがり帽子をかぶった先生が、試験用紙を配ってくれた。
見てみると、先ほどカインに怒られたばかりの初代国王の名前は? という問題が並んでいて、小さく噴き出してしまった。
「どうされましたか? フローレス」
「あっ、なんでもありません!!」
先生にばれてしまい、ロゼッタは慌てて「すみません」と謝罪の言葉を口にする。
するとすぐ、ほかの生徒たちの視線が突き刺さる。闇属性というだけで元々注目の的だったといのに、これでは見世物のようだ。
ロゼッタが小さくため息をつくのと同時に、ルイスリーズとカインもやれやれとため息をついていた。
「それでは、試験はじめ」
先生の言葉が静かな教室に響き、筆記試験が始まった。
――結果。
ルイが試験に出そうなところを復習してくれたので、なんとかなった。おそらく赤点にはならなかっただろう……。
「はー……やりきった」
解答用紙は回収され、手元に残った試験用紙にはあーでもないこーでもないと、ロゼッタの考えた答えらしき走り書きがしてある。
カインはそれを見て、「うわ」と思わず正直な感想が口から出てしまった。
「ロゼッタ様はもう少し勉強しなよ……」
「…………はい」
「テストで赤点取ったら、冒険は休みにするからね」
「精一杯頑張らせていただきます!!」
音速で頷くしかなかった。





