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パーティーメンバーに婚約者の愚痴を言っていたら実は本人だった件  作者: ぷにちゃん
第一章 悪役令嬢、死なないため冒険者になる!
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18:レベルアップ大作戦

「闇の妖精よ、黒き疾風を――【ダークストーム】!」

『ピエェッ』


 あれから三人でスリープバードを狩り続け、ロゼッタの魔法一撃で倒せるまでになった。

 ロゼッタのレベルは23になり、魔法の威力はもちろんだが、マナの総量もだいぶ上がっている。


「やった〜!」

「無茶苦茶だな……」


 モンスターを狩り続けるロゼッタを見て、ルイは呆れているようだ。


「私はどうしても早急にレベルを上げたいの!」


 そう言って、マナポーションを飲む。


「あ、あそこにもいる! 【ダークアロー】!」


 マナを回復してすぐに、見つけたスリープバードに一撃。あっけなく倒れ、スリープバードはドロップアイテムを残して消えた。


「冒険者って、マナポーションを飲んで黙々とモンスターを狩り続けるもんなのか?」

「普通はこんなに大量に狩ったりしない……。怪我をするし、休み休みだよ。ハッキリ言って、ロゼリーが異常」


 カインは口元を引きつらせながら、楽しそうにスリープバードを狩るロゼッタを見る。


「二人とも、そろそろ場所を移動しよう!」

「「は?」」

『わう?』


 ロゼッタの意味不明な提案に、二人と一匹の声が重なった。



 ***



 月明かりが照らす森の中を駆け、ルイは一角ウルフの攻撃を剣で受け止める。その数は二匹と多くはないが、ウルフの上位種であるため苦戦する。

 というかそもそも、ついこの間、一角ウルフに襲われて大変な目に遭ったばかりだというのに。

 スリープバードでレベルが上がったからと、ロゼッタが一角ウルフ狩りを提案したのだ。


「つか、なんで珍しい一角ウルフがこんなにいるんだよ!!」


 悲痛なルイの声が森に響き、カインはまったくだと頷く。

 ロゼッタはけろりとしながら、【ダークストーム】で一角ウルフを攻撃する。そして弱ったところを、カインの弓矢とネロでそれぞれトドメをさした。


「偶然、一角ウルフの生息地が載ってる本を読んだんだってば」

「そんな本あるか!? 聞いたことないぞ!」

「運がよかったのかも」


 ――なんて。

 人はその本を、攻略本と呼ぶ。


 ルイはロゼッタのモンスターと狩りに対する知識に何か言いたいことがあるようだが、すさまじく効率よくレベルが上がっていっているので何も言えないでいる。


「普通、一日で上がるレベルは二つがいいところなのに……」


 信じられないほど上がっている。今や、ロゼッタたちのレベルは30に届こうとしている。

 それは、ロゼッタが効率よくレベルにあったモンスターを選び倒していっているからだ。前衛のルイ、中衛のカイン、前衛補佐をしてくれるネロと、パーティメンバーに恵まれているというのも大きい。


(私一人だと、ここまで強いモンスターとは戦えなかったもん)


 ルイとカインとネロがいてくれるからこその、効率狩りだ。

 メイン火力になっているロゼッタは、大量のマナポーションを持参しているので息切れもといマナ切れをすることもない。


「うーん、絶好調! 【ダークアロー】!」

「うお、レベルが上がった……もう30だ……信じられない……ちまちまレベル上げをしていた数日間はいったいなんだったんだ……」


 ルイは途方にくれそうになっているが、これがロゼッタ流のレベル上げなので仕方がない。


(適性レベルのモンスターを把握してないと、こうはいかないからね)


 特に駆け出しの冒険者では、低レベルモンスターから次に行くのを戸惑う人もいる。なので、適性レベルより低いモンスターと戦っている人が多い。

 逆に、適性より強すぎるモンスターに挑み返り討ちにあってしまう冒険者も少なくはない。


「あ、もう二匹きたよ」


 奥の茂みにいる一角ウルフ二匹を見つけ、カインが矢を放つ。胴体に命中し、そこへロゼッタが【ダークストーム】を食らわせる。

 あっさりと倒せてしまった。


 ドロップアイテムのツノを拾い、ロゼッタは一息つく。

 見ると、朝日が昇りそうだ。


「いつの間にか、夜が明けたのね」

「ほぼほぼ休憩もなしに、夜が明けたな」

「…………あはは」


 若干棘のあるルイの言葉を、ロゼッタは笑って誤魔化す。


「でも、俺もかなりレベルが上がった。……正直、ちょっと助かったよ」

「でしょでしょ? やっぱレベル上げは大事だもんね」


 カインが賛同してくれたので、ロゼッタは強気になる。どうやら、ここ最近のレベルの上がり具合に悩んでいたようだ。

 ロゼッタが上機嫌になったので、ルイとカインは顔を見合わせて、やれやれと肩をすくめる。


「でも、こんな狩りの仕方だと、命がいくつあっても足りなくなるぞ」

「それには賛同するしかないね。ロゼリーってば、考えてる割に考えなしだよね」

「がーん! それ褒められてるの!?」


 ロゼッタは頬を脹めて、二人を見る。


「仕方ないじゃない、このメンバーで狩りをするの、楽しかったんだもん」


 これは、ロゼッタの素直な感想だ。

 一人でモンスターを倒すよりも、ずっといい。


(仲間がいるって、いいな)


 叶うことならば、ずっと一緒に冒険をしたい。

 いつまでも、ルイと、カインと、ネロと、仲間でいたい。


 けれど――。


(ゲームが始まったら、みんな私から離れていっちゃうかもしれない)


 だって自分は、悪役令嬢なのだから。


(まあ、悪役令嬢の死亡フラグを回避するために頑張ってはいるんだけどね)


 そのときも、二人が自分の味方でいてくれたらいいなと、そんな風に思った。

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