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パーティーメンバーに婚約者の愚痴を言っていたら実は本人だった件  作者: ぷにちゃん
第一章 悪役令嬢、死なないため冒険者になる!
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15:打ち上げ

「えええぇぇっ!? ウルフの森に一角ウルフが出たんですか!? しかも、退治したんですか!?」


 ロゼッタ、ルイ、カインが冒険者ギルドに戻ってくると、リリが驚きの声をあげた。ギルドカードを見せると、討伐したウルフの多さに言葉を失った。


「いや、わかっていたはず……って、ロゼリーさんて髪色黒でしたっけ? やっぱり私が見ている情報は間違っている? ウルフ五〇匹以上討伐とか、やっぱり嘘……」

「嘘じゃないです。私、隠していたけど……闇属性なんですよ」

「ロゼリーさん……」


 ロゼッタが苦笑しながら告げると、リリにぎゅっと手を握られた。


「教えてくれてありがとうございます! 闇属性を嫌う人は、まだ一定数いますからね……。何かあれば、いつでも相談してくださいね!」

「ありがとうございます」

「はい! でも、それならその強さもちょっと納得です。闇属性の魔法は、攻撃に特化していますから」


 ほかの属性より魔法の威力も強いのだと、リリが教えてくれた。


「さてと……一角ウルフはカインさんと三人で倒したんですね」

「あ、違います」

「俺とロゼリーが襲われているところを、カインが助けてくれたんだ」

「なるほど、そうだったんですね」


 一角ウルフがいたことと、討伐の経緯などを説明し、依頼とドロップを買い取ってもらった分のお金を受け取る。

 さすがウルフを大量に狩っただけあって、二人パーティだったがいい収入になった。


 ロゼッタとルイがほくほくしていると、リリがカインに「おめでとうございます!」と告げた。


「どうも」

「「――ん?」」


 いったい何事だとロゼッタが見ると、カインが新しいギルドカードを受け取っていた。どうやら、ランクが上がったみたいだ。


「え、え、えっ!? カインってば、何ランクになったの?」

「Cランク」

「ふお、すごい……!!」


 ロゼッタはEランクになったばかりなので、Cランクになったカインに尊敬のまなざしを向ける。

 自分もはやくレベルを上げて、魔法を覚えて、もっとランクを上げなければ! と、気合が入る。


(そのために、今日稼いだお金は全部マナポーションにしよう)


 お金の力でモンスターを倒すのだ。

 マナポーションを飲みながらなんてもったいないと言う人もいるかもしれないが、結果を見ればこっちの方が効率も稼ぎもいいのだ。


(レベルもあがるしね)


「ランクCか、すごいな。俺も早く追いつけるように、頑張らないと」


 ルイも、ロゼッタと同じように気合をいれているようだ。


「あ、そうだ! せっかくだから、Cランクのお祝いしようよ! 助けてもらったお礼もかねて。どうかな?」

「お、いいなそれ!」

「え……」


 ロゼッタが提案すると、すぐにルイが乗っかってきた。ただ、祝われる本人が微妙そうな顔をしているけれど。


「そんな面倒なこと、しなくていいよ。礼だって、別にいらない。お前たちがいたおかげで、楽に一角ウルフを倒せたんだし」

「も~! 子どもがそんな遠慮しなくていいんだって! 今のウルフ討伐のお金で、私の懐はいい感じなんだから!」

「ちょ、子ども扱いするな!!」


(前世持ちの私からしたら、カインもルイも十分子どもだもんね)


「遠慮しないしない! さ、行こうルイ、ネロ!」

「あ、ああ」

『わう』


 ロゼッタの勢いに苦笑しつつも、ルイとネロもついてきてくれた。

 冒険者ギルドでその様子を見送っていたリリは、「楽しそうですねぇ」とほほ笑んだ。



 ***



「私、酒場って来てみたかったんだよねー!」


 ファンタジー世界と言えば、酒場が定番だ! と、ロゼッタはテンションを上げる。ゲーム世界に来てみたら、行ってみたい場所ランキングの上位に入っていると思っている。


 カランカランと勢いよくドアベルを鳴らし、ロゼッタたちは酒場に入った――のだが、まだ少し早い時間だったため、定食屋に近い雰囲気だった。


「むむ、ちょっと想像してた雰囲気と違うなぁ」

「どうせ俺たちじゃ酒なんて飲めないんだから、別にいいだろ」

「…………」


 頬を膨らませるロゼッタに、ルイが笑う。カインは、無理やり連れてこられたせいで若干不貞腐れてしまっている。


「ほらほら、私のおごりだからどんどん食べてよ! 果実ソーダと、サラダと、ソーセージ盛り合わせと、ビーフシチューかな〜」

「楽しそうだなぁ……俺は肉の定食にするかな」

「俺は魚の定食」


 それぞれ食べたいものを注文し、ソーセージは全員でシェア。飲み物は全員ロゼッタと同じで、果実ソーダだ。

 食べ物はすぐにきたので、ソーダ水で乾杯する。


「初めてのパーティお疲れ様と、カインのギルドランク昇格おめでとう〜!」

「おめでとう!」

「サンキュ」

『わう』


 ロゼッタはさっそくソーセージにかぶりつき、その美味しさに舌鼓を打つ。パリッとした音が、よりいっそう美味しさを引き立てる。


「んん〜、おいしいっ!」

「美味いな」


 お腹が空いていたこともあって、ルイもカインも食が進む。あっという間に平らげて、簡単なサイドメニューを注文してのんびりすることにした。


(もうすぐ夜だけど、あと少しくらいなら大丈夫かな?)


 どうせ公爵家に帰っても、誰も待ってはいないのだから。


(あ、でもナタリーは待っててくれてるかな?)


 そんなことを考えていると、追加の料理と飲み物が運ばれてきた。食べ足りなかったようで、ルイが頼んだみたいだ。

 サラミとチーズで、ロゼッタも大好きだ。


「これぞ冒険の後! って感じ」

「ロゼリーの冒険者のイメージって、なんか偏ってるな」

「そうかな?」

「普通は、野営が上手いとか、モンスターのことに詳しいとか、薬草類に詳しいとか、そういうんじゃないの?」


 ロゼッタとルイの会話を聞いて、カインが呆れている。確かに、優秀な冒険者ならばカインの言う通りだろう。

 カインの言葉に、ロゼッタは確かにそれが自分の目指す冒険者であるなと思う。そこに強さが加われば、無敵だろう。


「一人で生きていけるっていう感じで、すごく憧れるかも」

「ロゼリーは一人で生きたいの?」


 きょとんとした顔で、カインがロゼッタに問いかける。

 どう見てもロゼッタは一人で生きて行かなければいけないような境遇に見えず、不思議に思ったのだろう。


(死亡フラグをなんとかしたいなんて、言っても通じないし……)


 むしろ変な子だと思われてしまう。


「うん、家を出て冒険者として生きるつもり」

「家があるのに出るなんて、バカじゃないの?」

「あははは……」


 わざわざ無理に苦労をする必要はないと、カインが言う。全くその通りの正論で、ロゼッタは苦笑するしかない。

 しかし、それをルイがフォローしてくれる。


「ロゼリーにも理由があるんだろ。冒険者をする理由なんて、それぞれなんだし」

「……それもそうだな。悪かったな」

「うぅん! 大丈夫。ありがとう、二人とも」


(二人ともいい子すぎじゃない……!?)


 思わずときめいてしまいそうになる。

 カインはバツが悪そうに飲み物を飲み、顔を背けてしまったけれど。そんなところも、なんだか可愛く見えるので不思議だ。


(耳も赤くなってるし!)


 なんて思っていたら――カインが机に突っ伏してしまった。


「「えっ!?」」

『わううっ!?』


 ゴンと大きい音がしたので、おでこを強く机にぶつけてしまったみたいだ。突然のことに、ロゼッタとルイとネロは慌てる。


「大丈夫か!?」


 ルイが慌ててカインを起こし、「あ」と頭を抱える。


「これ、ほかの客の酒だ」

「えええぇぇぇ〜!?」


 どうやら、カインはお酒を呑んで酔ってしまったようだ。

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