表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーティーメンバーに婚約者の愚痴を言っていたら実は本人だった件  作者: ぷにちゃん
第一章 悪役令嬢、死なないため冒険者になる!
13/67

13:地毛が最高

「はああぁぁ……」

「なんだよ、そんなにため息ついて」

「だって、闇属性だってバレたら殺されるかと思ってたんだもん」


 ロゼッタが頬をふくらめながら言うと、ルイはぶふっと噴き出して笑った。どうやら、ロゼッタのように考えている人間は本当に少数派のようだ。


(つまり、貴族の習性が最悪なだけじゃん)


 がっくり項垂れると、ルイが「思い出してみろよ」と言う。


「ギルドにだって、黒髪の人間はいただろ?」


 言われてみれば――確かに、ギルドではちらほら髪が黒っぽい人を見かけた気がする。どうやら、本当に平民は気にしていないようだ。

 がっくりうなだれたロゼッタを見ながら、ルイが続ける。


「まあ、確かに一部では過激派もいるけどな。正面切って冒険者にちょっかいかける奴はいないだろうよ」

「それを聞いて安心したよ~」


 公爵令嬢のロゼッタは危険だけれど、冒険者のロゼリーは闇属性でも問題なく過ごすことができそうだ。


(いっそ、将来はロゼリーになって冒険者として旅に出てもいいかもしれない)


 むしろ、それが一番平和で、生存率も高そうだ。


(冒険者も楽しいし)


 きっと、悪役令嬢よりも冒険者の方がロゼッタには合っているのだろう。

 先の未来のことを想像して、ちょっと心が軽くなった。


「属性のこと言い出せなくてごめんね、ルイ。ありがとう」

「気にすんなよ。案外、本人の方が難しく考えてることもあるもんだな」

「そうかも」


 ルイの言葉に、ロゼッタは苦笑する。


「でも、これでウィッグもつけてなくていいかな」

「そうだな」


 同意してもらえたので、ロゼッタはつけていたウィッグを取った。

 すると、サラサラの黒髪が姿を見せる。綺麗に手入れがされており、天使の輪が浮かび、思わず見惚れてしまうほどだ。

 ウィッグを付けることもあって、髪は肩より短いボブにしてある。ヘアアクセはウィッグにつけていたリボンをそのまま使い、斜めに結んだ。


「は~すっきりした!」


 やっぱり地毛が一番楽だ。

 ロゼッタがぐぐっと背伸びをすると、ふとルイの視線に気づく。めちゃくちゃ黒髪をガン見されていた。


「る、るい……?」

「あ……っ、ごめん。想像以上に見事な黒髪だったから、びっくりした」


 どうやら、闇属性の黒髪はいるけれど、ロゼッタほど見事な黒髪はそうそういないようだ。


「そうなんだ」

「でも、そっちの方が似合うな」

「ありがとう。受け入れてもらえて安心したから、これからはどんどん魔法も使っていくね」

「頼もしいな」



 なんの懸念事項もなくなってので、ガンガン行こうぜ――!

 ということで、ロゼッタは容赦なくモンスターに魔法を撃ちこんでいく。早いときは、ルイがモンスターと対峙するよりも先に。


 スライム、フラワーラビットは一撃だ。複数で出てきたとしても、範囲魔法があるのでロゼッタの独壇場だ。


「おいちょっと待て、ロゼリーってEランクになったばっかじゃなかったか!?」

「え? そうだけど」

「強すぎるだろ!!」


 本当にEランクか? 嘘をついてるんじゃないか? と、ルイが訝しんでくる。


「ちゃんとEだよ。……ちゃんとっていう言い方もあれだけど、闇属性は攻撃魔法が強いみたいだよ」


 こればかりは、魔法の特性のようなものだろう。


「確かに、闇魔法って見る機会がほとんどないしな。攻撃特化か」

「というわけで、援護は任せて!」

「援護、援護なのか?」


(援護というよりただのメイン火力……)


「あは、あははは! あ、ウルフの森が見えてきた! 行こう!」

「あ、誤魔化したな!?」


 目的地が見えたので、ロゼッタは森へ向かって走り出した。




 そのまま突撃してウルフ討伐――ということはせずに、森の前で一度作戦会議だ。初めてのパーティなので、狩りスタイルなどを決めておく必要がある。


「私は初級と中級の闇魔法が使えるよ。ただ、物理には弱い……!」

「まあ、魔法使いだしな。俺は剣でウルフを相手にするけど、余裕を持てるのは二匹までだな。三匹以上出てきたら、対処が遅れることもあるかもしれない」

「了解。二匹まではルイに任せて、それ以上増えないようにほかのウルフを先に仕留めるね」


 自分が現状でどれくらいモンスターと戦えるかという情報は、大切だ。戦闘中に優先順位などを決めやすくなるからだ。


「マナの回復もあるし、休憩はちょくちょくはさんでいこう」

「うん。一応マナポーションも持ってるから、何かあったときは使うね」

「わかった」


 回復アイテムの有無の情報共有も忘れない。

 ピンチになった際、仲間がポーション類を持っていることを知っていたら余裕が生まれる。


「目標はウルフ三〇匹の討伐。最初は森の奥に行きすぎず、様子をみよう」

「オッケー!」



 こうして、ロゼッタとルイは森へ足を踏み入れた。

 踏み入れたのだが――


「闇の妖精よ、黒き疾風を【ダークストーム】!」


 ロゼッタの力強い詠唱のあと、風の刃を受けて消えるモンスター。そして残るドロップアイテム。

 その様子を見て、ルイは頭を抱えた。


「え? なんなの? 前衛いらなくない?」

「いやいやいや、ルイがいるから安心して魔法を使えるんだよ!」


 月夜の炎の杖のおかげもあり――ロゼッタの魔法で、あっという間にウルフ三〇匹の討伐が終わってしまった――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『私、魔王。――なぜか勇者に溺愛されています。』コミカライズ連載中!
魔王を倒しに行った勇者が、魔王に一目惚れしてお持ち帰りしてしまうお話です。

コミカライズページはこちら

私、魔王。―なぜか勇者に溺愛されています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ