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パーティーメンバーに婚約者の愚痴を言っていたら実は本人だった件  作者: ぷにちゃん
第一章 悪役令嬢、死なないため冒険者になる!
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10:新しい出会い

 ロゼッタのギルドカードを見て驚いたリリは、すぐに深く息をついた。どうやら、落ち着くために深呼吸をしているようだ。


(買ったマナポーションは全部使っちゃったもんね)


 正直、ちまちま狩りをするよりちょっと無理してでもマナポーションを購入して狩りをした方が効率がいい。

 今日は何個マナポーションを買えるだろうか、そんなことを考えていたら、リリが口を開いた。


「ランクアップおめでとうございます、ロゼリーさん」

「え?」


 思いもよらなかった言葉に、ロゼッタはぽかんとする。


(今、なんて?)


 ロゼッタの聞き間違いでなければ、リリはランクアップと言った。けれど、ランクは依頼を五回こなさなければ上がらないはずだ。

 今日で三回目の依頼達成なので、上がるはずはないのだが……。


「フラワーラビットを四三匹倒しているので、これは討伐依頼四回分になります。もちろん、報酬もちゃんとお支払いいたします」

「なんと!」


 それはラッキーだ。

 レベル上げのつもりで狩っていたが、ギルドカードがちゃんと記録をしていてくれたおかげで依頼としてカウントしてもらうことができた。


「びっくりですよ、ロゼリーさんはまだ一二歳ですし……。一二歳で冒険者になる人はめずらしいんですけど、たいていが簡単な薬草採取とか、そういった依頼が目当てですから」


 なので、ロゼッタのように本当に一二歳からモンスターを討伐する人は珍しいのだとリリは言う。


「そうなんですね」


(まあ、一二歳っていったら遊びたいお年頃だしね)


 好んでモンスターを狩る子はいないかもしれない。

 とはいえ、ランクアップしたことは好ましい。これで、さらに上のランクの依頼を受けることができる。


(効率よくレベル上げもできそう!)


 今回の報酬とドロップ買い取りのお金をもらい、ちらりと依頼掲示板へ目を向ける。上のランクには、どんな依頼があるのだろう――と。

 すると、リリが慌てた様子で「待ってください!」とロゼッタを止める。


「ランクが上がったとはいえ、すぐに依頼の難易度を上げるのはおすすめしません! 何かあったら、取り返しがつかないんですよ!」


 ロゼッタのような駆け出しの冒険者は、己の力を過信した結果――命を落とす、ということも珍しくはない。


「私は無理なモンスターに挑んだりしないから、大丈夫です……あれ、私と同じくらいの男の子がいる」

「ああ、ルイさんですね」



 ルイと呼ばれた少年は、依頼掲示板を見ているところだった。

 綺麗な金髪に、青い瞳は美少年そのもの。装備は軽装に見えるが、なかなかしっかりしたものを身に着けている。

 リリによると、ロゼッタと同じくモンスター討伐をしている珍しい一二歳のようだ。



 腰に剣があるのを見て、ロゼッタは羨ましく思う。

 すると、ルイが一枚の依頼書を手に取ってこちらへやってきた。どうやら、受ける依頼を決めたようだ。


「リリさん、この依頼をお願いします」

「え、これをルイさん一人で!? さすがに厳しいかと……」

(いったいなんの依頼を受けるつもりなんだろう?)


 ロゼッタがルイの持っていた依頼を覗き見ると、ウルフの群れの討伐依頼と書かれている。ウルフは街から南に行った森に生息するモンスターで、定期的に群れが発生してしまうのだ。近隣に村があるため、常時討伐依頼が出されている。


 実は、ウルフ討伐はロゼッタも目を付けていた依頼の一つ。

 群れで行動することが多いので、狩りの効率がいいからだ。しかし、ソロで冒険者をしているロゼッタでは群れとの相性が悪くあきらめていた。でなければ、魔法で倒す前に自分がやられてしまう。


「実力もついてきたし、慎重にいけばウルフに後れを取ったりはしない! 依頼の受領をお願いします」

「ですが……」


 ルイとリリは、依頼について揉めているようだ。

 基本的に、ギルド側から条件を満たしている依頼に関して拒否することはできない。しかし、実力に見合わない場合は警告をしたり止めたりはする。

 が、それを簡単に受け入れる冒険者ばかりではない。


(あ、そうだ)


 二人のやり取りを見ていたロゼッタは、ピコンと閃く。

 一人が厳しいのであれば、二人ならいいのではないだろうか? と。


「ねえ、あなた剣を持っているし前衛でしょ? 私と一緒に組んで、その依頼を受けない?」

「え……」


 ロゼッタの突然の誘いに、ルイは驚いたようだ。顔に『誰だ?』と書かれているのに苦笑してしまう。


「私はロゼリー。さっきEランクになったばっかりなんだけど……魔法メインで戦ってるから、前衛がいてくれたら心強いかな」

「Eランクで魔法使いか……。俺はEランク、冒険者のルイだ。確かに、後衛がいたら助かるけど……」


 どうするべきか、悩んでいるようだ。

 すると、リリからフォローが入った。


「いいじゃないですか! 二人とも、今はギルドでも注目の新人ですし……前衛と後衛ですし、相性がいいですよ! まずは試しに、一緒に依頼を受けてみたらどうですか?」


 二人であれば問題ないと、リリが微笑む。


「……そうだな、ここで話し合っててもわからないし、実践あるのみか。よろしく、ロゼリー……で、いいか?」

「もちろん! よろしくね、ルイ」


 行き当たりばったりではあったが、ロゼッタはルイとパーティを組んでウルフ討伐の依頼をこなすことになった。

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