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一寸法師
幼なじみの彼女は
少しだけ彼より年上だった
彼女は彼を弟のように可愛がり
そんな中で2人は
日々成長していった
彼女が小学校を卒業し
初めての制服を身につけたのを見た時
まだ少年だった彼の目に
彼女がとても大人に見えた
その時胸の奥に芽生えた
痛みにも似た感情の名を
その時の彼はまだ知らなかった
やがて彼女は恋をする
最初はとても甘くて心地よかったが
いつしか苦しみと涙に彩られてゆく恋を
辛い恋に傷ついてゆく
彼女をみていくうち
彼の心に芽生える想い
その想いの名を彼はようやく知る
それが初恋であると
そしてある日
恋人の心無い態度に傷つき
涙する彼女に彼は
ずっと抱いてきたその想いを口にする
『あんな奴やめちまえよ
俺だったら絶対
あなたを泣かせたりしない』
幼なじみの少年の言葉に
驚く彼女はその瞬間
目の前にいるのが出会った時の
幼い男の子ではなく
ひとりの男性である事に気付くのだった
これ実は古内東子の
『逢いたいから』をはじめて聞いた時に
抱いたイメージだったりします(爆