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舌切りすずめ

ある富豪の男が

下働きの娘と

道ならぬ恋に落ちた


二人の関係に気付いた

彼の妻が

ありもしない事件を

でっちあげた上

濡れ衣をきせて罰を与え

娘を追い出してしまう


傷心の男は

娘を忘れられず

姿を消した彼女を探す


そうして何年か過ぎた頃

ようやく見つけた娘は

彼との間に生まれた子供を

女手ひとつで育てていた


やっと出会えた恋人と

初めて出会う我が子を

抱き締めながら男は言う


『僕はもう

家名も財産もいらない

物だけが豊かで

愛のない暮らしより

愛する人と可愛い子供がいる

ささやかでも

小さくても

穏やかで優しい幸せ

それだけが欲しい』


男は身一つで家を出て

彼女たちと共に

暮らす事を決意する


別れに際して

男の持つ全ての

財産や権利を譲渡され

ようやく納得した妻が

彼の決断を嘲笑う


『あなたは馬鹿だわ

愛なんて幻想よ

日々の糧すらままならない

毎日を過ごしていれば

心と一緒に

いつしかすり減らして

消えてしまうでしょうよ』


しかし妻は数年後

譲渡された会社の

経営に失敗して

大きな負債を抱える事になる


一方

小さな幸せを選んだ男は

それから数十年の後

愛する人とその子供達

更に孫たちに囲まれて

微笑みながら世を去ったという

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― 新着の感想 ―
[一言] このお話、まさになろうで言う「ざまぁ」だわ! 昔話にはこの手の展開多いですね。 でもこんな風に情緒のある文体だと、なろうっぽく感じないから面白いです。
[一言] 舌切り雀、どんな話だっかしらー。意地悪なおばあさんがいたような? 昔話は基本的に勧善懲悪なので、安心ですよねー。 愛が大切なんです、物語の中では特に。 さて、どこまで続くのかたのしみにして…
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