表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖剣の勇者  作者: peri.
4/20

薬屋のエルキド


「えっーと、ここが薬屋のエルキドか。ってことはここから」


「マスター。せっかくですし何かお薬を買っておきませんか?旅で持っていたものの大半を消費してしまったでしょう?」


「・・・それもそうだな」


珍しくいいことを言ったから少し驚いて反応が遅れてしまった・・・なんて思ってません?」


「リアルタイムで心の中喋んのやめろ」



いややべえだろ、一言一句あってたぞおい。


・・・このポンコツにここまで読まれるなんて、そんなに俺は分かりやすいのだろうか?

それとも俺の方がこいつよりポンコツなのだろうか。

まさかコイツは実はものすごく優秀?



「マスター。早く入りましょうよ!」


「あ、ああ、そうだ、な。うん」


「何をそんなに落ち込んでるんですか?」


「落ち込んでないっ!俺は落ち込んでなんかないぞ!」


「びっくりしますので急に叫ぶのやめてください。目立っちゃいますよ?」


「喋る剣持ってる時点で十分目立ってるわ!」



なお、喋る剣と喧嘩し合う剣士は

(あいつヤベェな)(関わらないようにしよ)(やんちゃな男の子×女声剣。ありね)(変な奴だなー)

目立つどころではなかった。



店に入ると、薬屋特有の癖のある香りが鼻をつく。



「いらっしゃい」


「どうも」



店には1人の老婆がいた。



「何が欲しい?」


「傷薬と毒消しに魔法薬、あとは胃薬なんかもあると助かる。全部10個ずつで」


「あいよ」


「マスター。胃薬は切らしてましたっけ?」


「ああ、切らす気がするからな」


「ほう、マスターの感は悪いことにかけてはよく当たりますからね!それなら期待できます」


「期待すんなよ」


「坊主、これでいいかい?」


「ん。十分だ。いくらだ?」


「50,000セルだね」


「いや高すぎんだろ!」



ちなみにそれぞれ相場は傷薬200セル、毒消し250セル、魔法薬1,000セル、胃薬150セルである。



「おばあさんまたやってるんですか?」



奥から1人の少年が出てくる。



「いらっしゃい、お客さん。すみませんねぇ。今から計算するので都度ご確認お願いします」


「あ、ああ分かった」



きちんと数えてくれるなら別に構わない。



「あ、お客さん冒険者ですか?」


「いや、今年から学園に入学でな」


「おや、そうでしたか。今の時期は入学キャンペーンという事で、いくつかの品が半額セール中です」


「そうなのか?でもそれだと利益とか大丈夫なのか?」


「うちはあそこと提携していますので。幾らか向こうでも補填していただけるのでご心配は無用です」


「じゃあそれで頼む」


「ではここにお名前を、あとクラスもお願いします」



ふむ。

名前はフェイ、アスタリアと。

クラスは、剣士でいいか。



「はい、ありがとうございます。あとこちら登録していただいたので学園とこちらどちらでも会計出来ますがどうなさいますか?」


「いや、こっちですぐ払うよ」


「分かりました。ではここからご確認お願いします」


「ああ」


「私もします」


「おや、喋る剣とは珍しいものをお持ちで。それもなかなかの一品ですね」


「フッ、私のすごさがわかるとはなかなかですね。マスターも見習ってください」


「凄い凄い。お前は大した剣だよ」


「ふふん。でしょうっ!」


「進んでくれ」


「失礼しました。ではその剣殿もご一緒に」


「はいっ!」


「まずお名前から。フェイ・アスタリア様で大丈夫ですね?」


「問題ない」


「次にクラスは、剣士でございますか。間違いはございませんか?」


「私を使うんですから当然ですっ!」


「傷薬200セルが10個、こちら半額で100セルです」


「大丈夫だ」


「毒消し250セルが10個、こちらも125セルになります」


「オッケーです!」


「魔法薬1,000セルが10個、こちらも対象ですので500セルとなります」


「これも大丈夫ですね!」


「だな」


「胃薬150セルが10個・・・10個ですと大体一般家庭で3ヶ月分ほどの量になりますがお間違い無いですか?」


「ああ、それは必須だからな。それでいい」


「ではもう一度確認を。

 傷薬10個、毒消し10個、魔法薬10個、胃薬10個のご購入ですね」


「ああ」


「はい」


「ではお会計は100が10、125が10、500が10、150が10ですので合計で8,750 「とんで16,500セルだね」


「ですってマスター!」


「いやそれセール入ってないんだけど」



てかそれ言ったの隣のばあさんだろ。

なんでお前は目の前で行われてんのに気付かないんだよ。



「おばあさん今会計中ですので後にしてください。それと内3つはセール対象ですよ」


「ふん、そうかい」


「すみませんお客さん。で、お会計は合計87,500ですね」


「ああ。わかっ、今なんて言った?」


「87,500です」



少年の顔を見つめるが、彼の笑顔は少しも揺るがない。



「えーっと、いくらだ?」


「87,500セルになります」


「聞き間違いか 「87,500セルになります」 なって早い!」


「お客様、87,500セルになります」



「マスター、ほぼ半額ですよ!お得ですね!」



この駄剣はほっとこう。

誰だよコイツが優秀とか言ったの。


俺だよ・・・。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ