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虎《気高き獣》

作者: うどん卿

牙を抜かれた虎は、果してもう虎ではないのか。

否。

彼にはまだ夜の満月に煌々と妖しく光る爪が有る。

それでは、其の自慢の爪を抜いてしまったら、虎は虎ではなくなるのか。

否。

彼には未だ自らが危険な生物だという事を他に知らしめ、深く文様を刻み込んだ皮が有る。

さすがに、其の皮を剥いでしまったら虎ではなくなるだろう。

否。

彼には未だ狙った獲物を決して逃す事のない、静寂の中光り輝く眼が有る。

この眼を失った虎は虎ではない。

否。

どんなに牙を抜かれようとも爪を抜かれようとも、皮を剥がれようとも眼を奪われようとも、虎は自らが虎として生まれて来た宿命を背負っている。そして其の誇りを奪うことは如何なる生物にも出来はしないのである。

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