恋をしたその次 ~side female~
対になる男の子目線を書きたいけど、書けないので単品投下。いつか書きたいです。
Side female
「俺さ、好きなヒトできたんだよね」
私はびっくりして斜め後ろを振り返り言った。
「ふーん。よかったじゃん」
授業が終わった帰り道。私は時々こうして幼なじみと帰る事がある。特に珍しい事でもない。彼が突然後ろから声をかけてきても驚くことでもない。
「興味ないだろ。まぁ、いいけどさ」
驚きは当然、彼の台詞に有るわけだが、私の返事は苦笑いで返された。ただ、こんな顔をする時、彼はたいてい一人で悩んでいるのだ。
「それで?何に悩んでるの?」
聞くと、彼はすぐに答えてくれた。
「恋をしたその次って何するんだ?」
そんな事私に聞かないで欲しい。私は正直、失恋のショックに心中咽んでいるのだが。
一一私は4年前からずっと、片想いをしている。恋に悩んでいる目前の男に。
「さぁ。ひたすら想い続けてもよし。想いを告げてもよし。好きなようにすれば?」
そりゃあ、つんけんした言い方にもなるだろう。伊達に4年も片想いなんてしていない。
「はは。他人事だと思ってるだろ?」
「事実だしね」
笑った顔、好きだなぁ。
「お前、恋したことあんの?」
恋、している。えぇ、4年ほど。あなたにずっと。
「………あるよ」
「へぇ、意外だったわ。いつ?」
「今」
いや正確に言えば、ほんの数分前までは、かな。失恋したのは初めてですよ。教えないけど。
「ふーん。お前はどうしてんの?」
「何もしてない。…できない、かな」
ずっと、想っていた。想うだけだった。別に好きになって欲しい訳ではなかった。一番近い所にいるのが、自分なら十分だと想っていた。もう、それはできないかもしれないが。
「どんな奴?」
淡泊なようで、とても優しいヒト。大事で大好きな幼なじみ。
「…答えないといけない?」
「いや、別にどっちでも」
私に無理強いはしない。逃げの一手はいつも残してくれる。
「なら、秘密だね」
「そ。はぁ、俺も何もできないわ」
何それ。私の振られ損じゃない。あなたは私の目の届く範囲では、幸せでないと。
「意気地無し」
「いや、違くて。俺が告ったらそいつ困りそうだし」
なんで、この人はそう自分を押し殺してしまうのだろう。私にヒトの事はいえないが。
「恋愛ってそういうものじゃないの?」
悩んで、好きだと伝えて、相手も悩んで、結局一緒になったり、別の相手を探したり。どちらか、いやどちらもが相手を想って患うのが恋の病だろう。はた迷惑な。いや、他人の事は言えないんだが。
「そうかもしれないけど、困らせたくないじゃん?」
あぁ、もう。だから好きなんだ。
「愛されてるね」
「初恋だからね」
とても、とても羨ましい。でも精一杯の応援はしよう。嫉妬をするかもしれないけれど。私は貴方に、大好きな幼なじみに幸せになって欲しいから。
でも、本当は一一一
一一一一いつか、愛されたいな。