織田教諭(創造番号第1549天使)のまとめ
彼らとて、存在を忘れていたわけではありません。
ただ「いつでも倒せる」という認識が、優先順位を下げさせていたのです。
彼の名前は、『観殺者』。
二年三組、『チーム・否日常』のキャラです。
二年四組と同じく、ジョーカーによって寄進を奪われていた彼は、ハルマゲドン開始時にはレベルが7しかありませんでした。
『給食時間』を経ることで18までアップしましたが、それでも正攻法で戦うには辛い数字でした。
だから彼は、チャンスを待ち続けていました。
ブラックは、普段は平凡な高校生を演じながら、その裏で様々な「魔」を狩っている、という設定のキャラです。
日々の生活では些細な争いすら好まず、ひたすらに己を偽って生きるキャラ的にも、その戦法は見合っていました。
目立たぬところに身を潜め、『休憩時間』に情報を集める時にだけ動く。
それは、『給食時間』にモンスターを見つけても、決して狩ろうとしないほど徹底していました。
それから迎えた後半戦。
スマイリー達の狙いをスタッフ達から聞いていた彼は、体育館の片隅からその様子を伺っていました。
その手には、シンプルな形のナイフが握られています。それは右手から無限に生み出される、ブラックの武器でした。
彼は、息を殺して目の前の戦いを観察していました。
そして最後にリリスが渾身の一撃を放とうとした瞬間、ついにその忍従は解かれたのです。
あの時、床板の背後で拳を構えていたリリスの足に、ブラックはナイフを投げつけました。
思いも寄らぬ攻撃を受けたリリスは、バランスを崩してしまいます。
そのことを、もちろんシャイニングは不審に思いました。
しかし床板のせいでナイフは見えず、また背後からロングが迫っていることもあって、充分な思考時間はありませんでした。
ともかくも目の前の状況を理解した彼女は、“神の瞳”を放ったのです。
炎のような赤い光を浴び、リリスの動きは停止してしまいます。
するとシャイニングは、彼女を攻撃することなく、反対側へと振り返りました。
その視線が見据えるのは、ロングでした。“狂戦士結び(バーサーカー・ノット)”を使う彼女は、異常事態にも怯むことなく特攻してきます。
とはいえ、ロングのHPはほとんど残っていませんでした。
シャイニングならば、通常技の一撃でも倒せてしまう程度です。
そのことは、彼女も察していたのでしょう。
相手をギリギリまで引きつけてから、一閃の元に斬り伏せる。
しかしそのために剣を振り上げた直後、彼女の腕にナイフが突き立てられたのです。
きらめく銀刃を見ると同時に、シャイニングは理解しました。
しかし彼女にできたのは、そこまででした。
体勢を立て直す間もなく、そのボディにロングの拳が突き刺さったのです。
手、足、肘、膝、さらには頭まで使った壮絶なラッシュが、あらゆる角度から撃ち込まれました。
駆け引きの放棄と引き換えに与えられた最善最速の動作が、一気にシャイニングを追い詰めていきます。ラッシュの合間に生まれるわずかな隙も、ブラックのナイフによって、潰されていきました。
最後には彼も直接戦闘に参加することにより、ついに神キャラは倒されたのです。
……と、ここまで語れば充分でしょう。
必勝の誓いを果たしたロングは、ブラックによってあっさりと倒され、“神の瞳”によって動けなくなったリリスも、同様の結果を迎えました。
それから彼は、異能を使ってロングへと姿を変えました。
左手から生み出されるその技の名は、“潜行背信”。倒した相手の外見をコピーすることができます。
こうしてロングになりすました彼は、グラウンドでスマイリーを倒したのです。
こうして、『第九回 ハルマゲドン in羽舞原校』は、二年三組『観殺者』の優勝で幕を閉じることとなりました。




