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古機(ふるはた) 誠(一年五組 出席番号十一)の決意②

「あ~! いたよ~!」

「クフッ――キキ――これはなんたる幸運」

「ハハッ、彼らも同じかはわからないけどね」


『本鈴』が鳴ったと同時に現れたのは、もちろん授業熱心な先生などではない。

それは参加キャラの中のひと組――総寄進数だけなら『神のシャイニング・アイ』を抑えて第一位である、一年三組のトリオキャラだった。


「……おやおや、気の早いことですね」

「初戦……」


おれは――いや『傾国の参謀スマイリー・フォックス』は眼鏡を押し上げながら、そして『不実な執事ロングスリーパー』も本を手に、立ち上がった。クソッ、と心のなかで悪態をつく。この条件反射のような切り替え。しっかりと練習の成果が出てやがる!


そしてエンギの開始と同時に、不思議な感覚が走った。骨格から神経、筋肉、皮膚、さらにはそれらを覆う衣服までの一つ一つが強く結びつき、一体化したような感覚。

それは一人の高校生から、『キャラ』になった合図だった。

その感覚を確かめながら、スマイリーはロングの隣に並んだ。そう、これはあくまでスマイリーの行動なのだと、おれは自分に言い聞かせた。


スマイリーは両手を後ろに回した姿勢で、正面の少女にたずねた。


「それで、いったい何の御用ですか?」

「遊ぶの! 遊ぶの!」


スマイリーの三分の二ほどしかない彼女が、両手を真上に上げて飛び跳ねる。


「なるほど――」


その天真爛漫なエンギに感心しながら、静かに応えた。

もちろん彼女の言う「遊び」とは、戯れることなどではない。キャラ達によるバトルロイヤル、つまりは殺し合いだ。


スマイリーは開始早々に出会った(おそらくは狙ってやって来た)彼女達への対処を考えるにあたって、まずはその情報を確認した。



一年三組 『チーム・無邪気イノセンス



まずは中心にいる、『夜のアリス(ブービー・ドール)』からいこう。

金髪巻き毛のネコミミ少女で、フリルたっぷりなピンクのエプロンドレスを身に着けている。三人組の主軸キャラである。


次にその右隣。

キャラ名は、『酔いどれ案山子ハイエンド・ホリック』。

二メートルを越える身長と、異常に長い手脚。極端にやせていて、髪は腰に届きそうなほど長い。右耳には大量のピアスが並び、左の眉にも釘のようなやつが突き刺さっている。着ているのは、パッチワークだらけの燕尾服だ。


最後は逆隣。

キャラ名は、『丑三つ喇叭ピーカブー』。

身長は二人の中間くらい。ただし横幅は一番広い。短髪のブロンドをオールバックにしている。白いワイシャツに蝶ネクタイ、サスペンダーの付いた黒いスラックスという格好だった。ニンマリと歯を剥きだしているが、顔そのものは無表情だった。


そんな外見の彼らは、幼くして死んだ子供の魂から生まれた、という設定のキャラだ。


人の夢から夢へと飛び移りながら、そこで遊び(=いたずら)を繰り返していた彼女達は、あるとき一人の天才人形師によって体を与えられ、魂はそこに宿ることになった。

現実でも超常的な力を使えた彼女達は、町に様々な被害を及ぼしたが、彼女達に目を留めた神さまによって、CBキャラクターズ・バトルの世界へ連れて来られたのである。


そんな彼女達の獲得寄進数は、



『夜のアリス(ブービー・ドール)』 71口


『酔いどれ案山子ハイエンド・ホリック』 30口


『丑三つ喇叭ピーカブー』 25口



これらの情報を元に、とりあえず確実に言えるであろう結論をはじき出す。



絶対無理



うん、無理だ。旅立ちの村を出たらいきなり魔王に襲われたというより、そもそもゲーム自体もっていないというくらいあり得ない状況だ。

それに交渉の余地も、おそらく無いだろう。『無邪気イノセンス』をテーマに創られた彼女達のキャラは、戦略も戦術も考えない超攻撃的なスタイルが特徴だからだ。


よって、できることはただひとつ。


「じゃあね、じゃあね、いくよ~!」


無邪気に叫ぶ『ブービー』が、右手の人差し指を真上に伸ばした。同時に、大きなネコミミが興奮したようにピクピクと動く。


だがスマイリーは、その前から行動を起こしていた。彼女のそれが何を意味しているかは、過去のCBキャラクターズ・バトルで散々見てきたからだ。


そんなおれの行動に驚いたのは、ロングだった。


「……!?」


本当なら叫びたかったであろうところを、わずかに目を見開く程度で耐えたのは、さすがに集中モードである。確かにロングのキャラなら、そのリアクションがふさわしいからだ。


まあ彼女が驚くのも無理はない。

なぜならスマイリーは、ロングを抱きかかえているからだ。より正確に述べるなら、それは一般的に「お姫様抱っこ」と呼ばれる体勢だった。


周囲には、不穏な空気が混じっていた。密度の異なる空気がいくつもの層となって漂っているような、そんな感じの変化だった。


「行きますよ――」


スマイリーは、腕の中でもがくロングに言った。


不穏な空気は収束し、いくつもの塊となってブービーの周囲に散在している。

それがさらに密度を高め、曖昧な陽炎かげろうから確かな実体へと姿を変えた瞬間、ブービーは掲げた右手をスマイリー達に突き出しながら叫んだ。


「“がんばれクマちゃんズ(ラ・ラ・ルーパス)!”」


同時に、しゃがんでいた“それら”が立ち上がり、スマイリー達を見つめた。

その手に抱えているのは、銃だった。それも子供が描いたような、稚拙なデザインの。その銃口のすべてが、もれなくスマイリー達に向けられていた。



“がんばれクマちゃんズ(ラ・ラ・ルーパス)!”



それが、ブービーの異能スキル名だった。その名のとおり、「クマ」を具現化する技である。


ただしさすがは子供の魂が召喚した(あるいは神さまの悪趣味)と言うか、それは少しばかりやり過ぎな外見だった。


頭部については問題なかった。それは確かに「クマ」――それも可愛らしいキグルミのクマだからだ。


だがその首から下には、なぜかマッチョ(♂)の体がくっついているのである。身に着けているのはもちろん、ボディビルダー用のパンツだけだ。信者達はそれらを、「クマっちょ」と呼んでいた。


そんな「クマっちょ」どもが銃を構えた時、すでにスマイリーは後ろへと跳んでいた。人一人を抱えて行う、飛距離数メートルのバックステップ。『キャラ』だからこその芸当だ。背後には窓があったが、気にする必要はなかった。レベル2であっても、ガラスをぶち破るくらいはできるからだ。


「いけ~っ!!」


無邪気な声と同時に、爆発音のような銃声が響き渡った。教室のガラスが一瞬で砕け散り、朝日を反射しながら落下していく。


「やれやれ――」


ため息と共につぶやく。


自分達が無傷だったことを、喜ぶべきか哀しむべきか。


だが五階から落下している時に、そのような命題に挑むべきではない。それ以前にこの状態では、「クマっちょ」どもの格好の標的だからだ。


「ロングさん」


スマイリーは、腕の中の彼女に視線を向けた。


「了解……」


彼女はうなずいた。これが通常時ならその内容をきっちり確認しなければならないが、今は安心の集中モード。

即座に要求を理解した彼女は、右手を自分の胸元に伸ばした。間に合うことを願いながら、一年五組の教室を見上げた。


ぶち破られた窓から、「クマっちょ」どもがこちらを見下ろしている。

それは精神衛生上、実によろしくない光景だった。ましてや全員がこちらに銃口を向けているのだから、なおさら。


彼らの指が、躊躇なく引き金を引いた。


同時に、耳元でぽつりとつぶやかれる単語。


「“鞭結び(ウィップ・ノット)”……」


すさまじい銃声が、朝の校舎に響き渡った。


しかし弾丸が目標地点に到達した時、スマイリー達はそこにいなかった。



「大丈夫ですか? ロングさん」

「無欠……」


おそらくは「完全無欠(=大丈夫)」だと言いたいのだろう。少しばかりズレている気もするが、まあ天使の物言いがつかないなら構わない。


「さて――」


言いながら、スマイリーはコートについたガラスの破片を払った。付いてても支障はないのだが、スマイリーにはキレイ好きという設定があるのだ。


それから、ロングに向かって告げる。


「参りましょうか」

「撤退……?」

「そうです。ブービーさん達は、すぐに追撃してくるでしょうからね」

「……了解」


少しばかり不満気(といってもあくまで無表情)にうなずくと、彼女は右手に持っていた“それ”を振った。

すると“それ”はすばやく首に巻きつき、本来の仕事であるリボンタイの役割に戻った。


ロングの首元を飾る、極端に大きなリボンタイ。

それが神さまから与えられた、彼女の異能スキルだった。


効果は、直接攻撃。

リボンタイを様々な形に変形させて攻撃を行うのだが、レベルが2しかない今は、先ほどの技“鞭結び(ウィップ・ノット)”しか使うことができなかった。リボンタイをむちとして操る、近~中距離用の技だ。


それを使い、スマイリー達はここ――二年五組の教室に退避した。窓枠に鞭を巻きつけ、力づくで引っ張ったのだ。


それにしても、と、スマイリーはガラスの欠片を拾い上げながら思った。

ここに二年五組のキャラ、『斬斬りざんぎりがたな』がいなかったのはラッキーだった。

登校順は二番目だったはずだから、おそらくは早々に移動したのだろう。


だがほっとしている暇はない。

ロングに言ったように、おそらくはブービー達がやってくるからだ。銃声は止まっているが、これで終わりのはずがない。『チーム・イノセンス』はどこかのサイヤ人よりも戦闘的な集団なのだ。


「行きましょう」


スマイリーは扉に向かって走り出した。ロングも黙ってあとに続く。


直後。


天井から巨大な衝撃音が聞こえた。爆発と呼べるほどに強烈な音だ。

それと同時に起こる、天井の崩落。それらの音のすべてを、スマイリーは背中越しに聞いた。間一髪の脱出。だが振り返っている余裕はない。今は一秒でも早く逃げなければならないのだ。


「あ~! あっちだ~!」


舌っ足らずな声が叫んだ瞬間、スマイリー達はすばやく左折した。背後の銃声を聞きながら、向かいの校舎に続く渡り廊下と、階段を見つめる。


スマイリーは迷わず、下りの階段を選んだ。


「にげちゃダメ~! 遊ぶの! 遊ぶの!」

「クク――アハ――こいつはたいした逃げ足だ」

「ま、そもそもが逃げられなければよかったんだけどね」


スマイリー達の足音を追って、バタバタと階段を駆け下りていく三人組。

ハルマゲドンだから慎重に行動しようなどといった発想は、彼女達に存在しない。そんなキャラじゃないからだ。


「……行ったようですね」

「成功……」


三階の廊下に身を潜めたまま、スマイリーとロングは言葉を交わした。声も足音も遠ざかり、辺りは静寂を取り戻していた。


「とにかく、戻りましょうか」


そう言って、スマイリーは階段に向かった。

戻ったところで意味はないのだが、少しでも安心感のある場所で考える時間が欲しかったのだ。


それにしても――と、スマイリーは右手を見つめた。


よく成功したものだ。


あるいはブービー達はわざと見逃したのかもしれない。きたるべき『給食時間』に向けて、自分達が変わっていないことをアピールするために。


だが真偽はどちらでもよかった。

重要なのは現在の結果と、スマイリーの異能スキルにも使い道があったってことだからだ。



異能/“疑心ありき(リサイクル・ボイス)”



それがスマイリーの使った技だった。


効果は、録音と再生。録音数は五件まで。時間は、一件につき三十秒。やや特殊な性質として、一分以内なら「さかのぼって」録音することができる。

再生については、左手から音を出す通常モードに加え、好きな場所にその音を“貼り付ける”ことも可能だった。左手で触れれば、好きなタイミングでその音を再生することができるのだ。

音量は調節可能で、レベルが上がれば音質の変更や編集といったこともできるようになるが、録音件数だけは変わることがない。また再生も一回だけだ。


さっきは拾ったガラスの欠片にスマイリー達の足音を貼り付け、それを下の階に落とした。ガラスは二階あたりに落ちたようだが、そこは音量を調節することでカモフラージュした(つもりだ)。


と、こんな使い道を見つけたのは結構なのだが、問題はスマイリーが、相手に直接ダメージを与える技を何ひとつ持っていない点だった。

それに近い技ならあるのだが、あくまで近いだけで、ノーダメージには変わりない。どれほどレベルが上がろうとも、すべてが「録音と再生」に基づく技だけで構成されているのである。攻撃用の技を持っていないキャラは他にもいるとはいえ、やはり辛いものがある。



さてどうするか――


五階に戻ってきたスマイリーは、一年五組の教室をのぞき込んだ。


「壊滅……」


確かに。

教室は完全に破壊されていた。床には巨大な穴が空き、壁には無数の弾痕が刻まれている。映画のセットのような光景だ。


これで『休憩時間』に自分の席に座ること、という条件が果たせなくなり、外部との通信は不可能になった。

つまり、これからはおれ達だけでどうするかを決定しなければならないのだ。


マジかよ……


ブービーの強さを思い出しながら、おれは思った。“神キャラ”は、あれよりはるかに強いのである。『食えないアヒル(ジョーカー・ダックス)』の時の気楽さが懐かしかった。


だが過ぎ去った時代に浸っている暇はない。スタジオで決まったからだけではなく、半ば志願して参加した以上、ただここに突っ立っているわけにはいかないからだ。


おれ達がそれを決めたのは、“合宿”の二日目のことだった。


その時、まだ出場に納得していなかったおれは、純香と共に暮継くれつぎに呼び出されたのである。


正之介しょうのすけのアレな――」


他に誰もいない部屋の中、暮継はいきなり切り出してきた。


「アレ」とは、本人を除けばおれ達三人しか知らないこと。


正之介の片想いの相手である神木かみき先輩が、同じクラスの『プロデューサー』火山ひやまに告白するところを見てしまったことだ。そのショックで正之介はエンギに失敗し、ペナルティとしてジョーカーの『降板カット』を宣告されてしまったのである。


そのことについて、暮継は衝撃の告白をした。

彼いわく、あれは罠だったというのだ。


「タイミングが気になってな。知り合いに頼んで調べてもらったんだ――そうしたら、あの二人が付き合ってる様子はないってことだった。しかも、隠しているわけでもないらしくてな……だから、直接神木さんに訊いてみたんだ。俺が公園で見かけたことにして、先輩を気に入ってるやつが友達にいるっていう名目でな……」


暮継はたっぷりと間を取ってから、こう続けた。


「……やっぱりそうだった。アレは次のキャラ設定に向けた、エンギの練習だったらしい。火山いわく、あの時間帯の公園がキャラのイメージに合っていたんだそうだ……それ以上は、禁則事項に引っかかりそうだったから訊かなかったが――やっぱり変だろ?」


ちなみにキャラ高では、他のスタジオのキャラ情報を探ることは禁じられている。変なところで状況がエスカレートするのを防ぐためだ。

それが暮継の言った『禁則事項』であり、これについては天使によってしっかりと監視されているため、どんな手を使おうが出し抜くことはできなかった。


とはいえ、禁止なのはスパイ活動だけであって、他の組との交流自体は自由である。他クラスの生徒と仲良くしたり、恋人がいるか探るくらいなら、とがめられることはなく、キャラ創りの練習を“たまたま”目撃したとしても、反則とはならない。


だから火山のやったことは、反則ではない。外でしていたキャラ創りを正之介が、“たまたま”目撃してしまっただけだからだ。

確かにあそこはあいつの帰宅ルートだったが、絶対に通ると決まっているわけではない。他にもコースはあるし、どこかに寄り道する可能性だってある。


それに――と、暮継は言ったのだが、たとえ告白を目撃したところで、それが必ずしもエンギに影響するわけではない。

確かにショックは大きいだろうが、それがエンギにまで波及するかは、人それぞれだ。それはそれと割り切れるやつもいるだろうし、影響されたとしても、ハルマゲドン一週間前にそうなるとはかぎらない。


つまり正之介の『降板カット』は、結果論だ。天使だって、そう判断したのだろう。

だから火山はとがめられることはなく、彼のプロデュースする『神のシャイニング・アイ』も、ハルマゲドンに参加しているのだ。


彼はこの事実を、正之介に伝えていなかった。もし教えれば、勘違いして迷惑をかけてしまったことに、もう一度ショックを受けるかもしれないからだ。

正論だった。正之介なら、確実にそうなるだろう。


真相を知ったおれと純香は、即座に行動を起こそうとした。


だがそれを、暮継は止めた。天使が何もしない以上は抗議しても意味は無いし、ぶん殴ったところで反省するはずがないからだ、と言って。


「こんな学校に来て、しかも『プロデューサー』してるやつなんてのは、大なり小なり頭のネジがずれてるんだ」


暮継は言った。

確かに。『プロデューサー』がぶっ飛んでるのは、目の前の彼を見てたらよくわかる。


そして暮継は続けた。


「だから、もし復讐したいなら――ハルマゲドンで“神キャラ”を倒してこい。やつにとって、それ以上に悔しいことはない」



「結論……?」


その声で、おれは現実に引き戻された。あごに添えていた手を離し、横を向いた。


『不実な執事ロングスリーパー』が、じっとこちらを見つめている。


やれやれ――と、おれは心の中でため息をついた。


隣にいる彼女の瞳は、少しもブレていなかった。目標との差を知ってなお、熱血のままである。さすがは空手少女だった時、ライバルに向かって「今日こそはアンタを越えてみせる!」と宣言しただけはある。しかも大会中に、多くの観客が見守る中でだ。


「……そうですか――」


正面に向き直ったおれは、『傾国の参謀スマイリー・フォックス』らしい所作でメガネを押し上げた。


ほんとに才能なんてあんのかよ。


暮継がスタッフを説得した時のことを――その中で述べた、おれの“知恵”についてのくだりを思い返しながら、心の中でつぶやく。


まあ狙ってやってたのは確かだが―― 


「……しかたがありませんね」


両手をコートのポケットに入れながら、そっとつぶやく。


正直、あの程度の“知恵”が通用するとは思えない。


だが……


「……ロングさん、本当に可能だと思いますか?」


コク、と迷うことなくうなずく彼女。


「そうですか――」


言いながら、おれは心の中で苦笑する。彼女に訊いたところで、そう返ってくるのはわかっていたからだ。おれはただ、自分の結論に承認が欲しかっただけなのだ。


しかたがない。純香のように「意志を継ぐ」とまでは行かなくとも、『食えないアヒル(ジョーカー・ダックス)』が健闘することで、正之介も少しは気が晴れるかもしれない。


壊れた窓から風が吹き込み、コートの裾がなめらかな波を描く。非常にご都合主義的なこれは、天使の演出だろうか。


「わかりました――」


おれは言った。


「――しからばお見せしましょう。我々『食えないアヒル(ジョーカー・ダックス)』の、神殺しをね」


直後、恥ずかしさのあまり死にたくなった。

すみません。②です。いつも通し番号を忘れます。

今回も主人公の語りです。


最初は途中で切るつもりだったのですが、それではちょっと短すぎるかと思い、ここまでにしました。


読んでくださった方、本当にありがとうございました。

次回は織田先生の実況で、別キャラのバトルが行われます。


それでは、(できれば)また明後日に。

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