横浜シティーナイト4
このアロマがする、店内。
北原幸一郎と山口美紅は、横浜の夜を
支配するかのように、お酒に酔っている。
幸一郎が上機嫌で
『美紅は、彼氏とか愛人とかいないのかい?』
『そんなの、いるわけないじゃん』
と美紅の茶髪の髪の毛と、ラメいりのアイシャ
ド―が美しかった。ぼそっと
『お金持ちや、偉い人は嫌なの』
幸一郎は、タバコを灰皿に灰を落としていた。
『じゃどんな男がいいんだい?』
『う~ん。時代を切り開く、長い物に巻かれないよ
うな生き方をするような人』
幸一郎は、金髪の髪の毛に手串しをいれながら
『アウト・サイダーのような?』
美紅は、幸一郎を見つめ
『そうかも、しれないわ』
美紅は、マスターに
『ちょっと、マスター。何か美味しい物作って!』
マスターは、笑みを浮かべて
『はい。はい。それじぁ。カキフライで・・・』
『うん。それでいいわ』
十数分後。。。
『お待たせ。カキフライ』
出来たての、カキフライを幸一郎と美紅は食べる。
『うん。美味しい~』
腹ごしらえした。二人。美紅は
『今夜は、この辺で帰る。この金髪の無口な青年と
横浜の街を遊び回るんだ。じゃバイバイ』
と横浜西口5番街を、むさぼるかのように、深夜を、
歩いてゆく。
美紅は、横浜の夜景を見ながら、つぶやくように、
中森明菜 セカンド・ラブを歌った。
恋も二度目なら 少しは上手に
愛のメッセージ 伝えたい
あなたのセーター 袖口つまんで
うつむくだけなんて
帰りたくない そばにいたいの
そのひとことが 言えない
抱きあげて つれてって 時間ごと
どこかへ 運んでほしい
せつなさの スピードは高まって
とまどうばかりの私
と、幸一郎は、美紅の歌声に感動した。。。