8・・・アクム
生まれてなんかこなきゃよかったんだ・・・・人間なんかになんで俺は生まれてきたんだ・・・
『なんてことなの・・・うちは代々日本人なのに、なんでこの子・・・・!!」
母親という存在は、自分の赤子の瞳を見て存在を蔑んだ。
『気味が悪いな・・・これが周囲にどう思われるか・・・・・。」
父親という存在は、自分の赤子の瞳を見て、世間体を気にした。
『なんでこんな風に・・・・』
『化け物化け物化け物』
『こんなんじゃ、産まなければよかった・・・・』
赤い瞳と金の瞳をもったその赤子。赤子でも耳はしっかり聞こえてるのだ。たとえその言葉は今は理解できなくとも、記憶に刻み込まれ、後に嫌でも理解する時が来たのだった。
やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ
誰が産んでくれなんか頼んだんだ
そっちが勝手に作って孕んで産んだんだろ
それなのになんでこんなに蔑まれて疎まれて挙句の果てに
捨てられなきゃいけなかったんだ
望んでこんな外見で生まれたんじゃない
望んでお前らの子になったんじゃない
それなのに、なんでお前らの勝手で・・・・・
『こんな子生まれなかったことにして山の奥にでも捨てに行きましょう。』
『こんなの俺たちの子じゃない、子供ならまた作ればいい。普通の子をな。』
『そうね、こんな化け物じみた子、生まれてきちゃいけないのよ。』
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
凪は寝室で一人絶叫を上げて飛び起きた。




