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蕾炎~raien~  作者: 朝比奈 黎兎
第2章   陰陽師の死
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10・・・カコ

凪の過去を此処で挟みます。



 いつから物心なんていうものがついたかは定かじゃないけど、僕はとりあえず妖怪であるひのえに育てられてきた。



 そんな丙が死んだのは、凪が12になるかならないかくらいの時だ。



死んだというより殺された。とある陰陽師に。その時凪はお使いに出ていたためあってはいない。だが、丙がこと切れる前にすべてを話したのだ。とくに凪に復讐してほしくて言ったのではない。それは凪にもわかる。彼はただ自らに起こったことを知っててほしかっただけなのだ。でも、それで収まるような心を、凪はあいにく持ち合わせてなかった。


丙が死んで、『蕾炎』を渡され、そののちに凪は雫と契約した。


雫はこの屋敷の庭にあった水盆に封じられていた。それを凪が解き放ったのだ。その直後は、雫に殺されかかった凪だったが、凪の浮世離れした考えと、妖怪を好む性格により、和解したのだった。


そのご、凪は雫とともにあらゆる方向から仇である陰陽師を探していた。


どんな方法を使ってでも見つけ出し、唯一肉親と呼べる存在だった丙を殺した奴に同じ目にあわせてやりたかった。


それだけを考えていた。


やっぱり、人間はろくな事をしない。丙が何をしたっていうんだろう。とくに人間に危害を加えていたなんて事もない。凪同様、家からあまり出なかったのだ。殺される理由が見つからない。


だからこそ、許せなかった。


ちゃんとした理由があったのなら、凪にもあきらめはついたはずだ。でも、その理由がないと判断できる以上、許せることなどありはしない。




でも、その陰陽師は死んでしまったという・・・・・。



あれだけ探して、見つからなかった。なんで・・・どうして・・・・なんでかってに死んでるんだよ・・・。



勝手に殺して勝手に死んで・・・・



人間はすべてにおいて勝手に行動を起こしすぎる。



勝手に捨てたあの両親も同じ・・・・・・・・・













「馬鹿じゃん・・・・僕がやってきたことは・・・・無意味だったわけ」


陰陽師の墓の前で、凪は自嘲ぎみに笑ったのだった。

簡単に、丙が死んだときのことと、雫との遭遇の時の話を書きました。


又機会があれば具体的に書きたいな・・・と思っております。

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