Prologue
読んでくださりありがとうございます!
風が吹き荒れる中、彼の声は響いた
「誰でもいい、僕自身を見て・・・。」
色とりどりの花々の中、少女は涙を流し叫んだ
「これ以上私から奪わないで・・・!」
崩れ落ちる地面と共に、男の声はかき消された
「俺だって幸せになりたいのに・・・」
真っ赤に燃え盛る炎の中、彼は怒り狂った
「何故分からないのだ!!」
真っ白な世界で、彼女は崩れ落ちた
「私の何が間違っていたというの・・・!?」
何もない世界で、少年の声は誰の耳にも届かず消えた
「寂しい・・・な・・・」
揺れ動く景色の中、彼女はつぶやいた
「ホンモノが欲しい・・・」
全てが壊れていく中、少年は狂ったように笑った
「こんな世界、消え去ってしまえ・・・!」
どこからか
雫が一滴落ちてきた。
「っはぁ、はぁはぁっ!」
今のは一体なんだったんだろう。
はっきりと思い出せないけど、辛くて、苦しくて、寂しい。
「ゆ・・・め・・・?」
何故か涙が出てくる。
「あぁもう!切り替えないと・・・」
今日は学園の入学式。
早く切り替えて支度をしなくちゃ。
私は急いで支度をした。
支度が終わり外に出てみると、大きな馬車が家の前にあった。
うわぁ・・・!大きな馬車!こんな豪華なの初めて見た・・・
私はドキドキしながら馬車に乗り込み、学園へ向かった。
「・・・ここどこ・・・?」
やばい。
迷子になった。
学園広すぎだって!
ここどこだろう。
どっかに人がいたら道を聞けるんだけど・・・
私があたりをうろうろしているとどこからか大きな声が聞こえた。
「うわぁ!!や、やめろ!!!」
「!?今のは何!?」
声はどうやらこの先から聞こえてきてるみたい。
どうしよう・・・い、行かないとだよ、ね・・・
「誰かぁ!!助けてくれぇっ!!!」
「助けに行かなくちゃ!!」
私は思わずかけだした。
「いたっ!」
そこには二人の人がいた。
一人はその場に崩れ落ち、怯えてように後ずさっている。
もう一人はフードを目深にかぶっていて顔が見えない。ゆっくりと怯えている人に近づいていく。
後ろはもう壁、これ以上逃げられない。
フードをかぶっている人が腕を大きく振りかぶった。
手には・・・ナイフだろうか。鋭く尖ったものを持っている。
「ちょっと!何をしているの!!」
私は二人の方へ駆け寄った。
フードを被った人が驚いたように後ずさった。
そしてくるりと後ろを向いて走り去っていく。
「ちょ、待ちなさい!!」
フードの奥からちらりと金色の目が見えたような気がした。
「き・・・きみは・・・ありがとう。助かったよ。」
「お怪我はありませんか?」
「なんとか・・・ね。あれは一体誰だったんだ・・・?」
「分からないです。心当たりは?」
「ないな・・・・。ところで君は見たところ新入生だろう?どうしてこんなところに?」
あ!そうだった・・・!!
この人はここの生徒さんみたいだし、道を聞いたら教えてもらえるかな?
「その・・・迷子になっちゃって・・・。」
「そうだったのか。では私が会場まで案内しよう。」
「ありがとうございます!!」
でも、あれは一体誰だったんだろう・・・。
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