74.エルミアのレベルアップ作戦
第2階層に降りて来た私達を、角ウサギが待ち構えていた。角ウサギは、素早く動くので、なかなか狙うことが出来ない。やはり、エルミアは、火球で、攻撃を仕掛けた。でも、これでは、角ウサギを倒すことはできない。
私は、エルミアに声を掛けて、真似る様に言った。
「角ウサギを狙うときは、動きの先を予測して、狙うのよ。やってみるね。」
私は、1匹の角ウサギに狙いを定めた。
「風カッター」
私は、角ウサギの走っていく前方2mぐらいの位置に風カッターを飛ばした。すると、角ウサギの首がポトリと落ちた。
「エルミア、やってみて?」
「はい」
エルミアは、私の真似をして、風カッターを角ウサギに対して、起動していった。
「風カッター」
だが、「風カッター」は、角ウサギの通り過ぎた後に発現した。角ウサギに傷一つつけることが出来なかった。
「直ぐには、できないわ。角ウサギに動きをよく見て、予測するのよ」
「はい。
風カッター」
今度は、角ウサギの尻尾を掠めた。あと少しだ。
「もう少しよ、頑張って!」
「風カッター」
すると、今度は角ウサギの胴体に当たり、倒すことが出来た。
「やったね。その調子で、もっと倒して。」
「はい、頑張ります」
その後、風カッター」を放って、角ウサギを7匹倒すことが出来た。そして、エルミアは、角ウサギの角と魔石を拾い集めていた。
「エルミア、今日は、初日だから、これぐらいにして、戻りましょう」
私達は、ダンジョンを出て、街に戻った。エミリアの冒険者デビューは、無事に終わった。これから、エミリアのレベルアップを計ることにした。そのためには、まず、装備を揃える必要がある。私は、エルミアが、もっと、強くなりたいのか、確認することにした。
「エルミア、今日は、どうだった?」
「キリ、今日は、とても、楽しかったです。また、行きたいです」
「そう。良かった。冒険者には、ランクがあるって知っている?」
「はい、なんとなく、知っています」
「今、エルミアは、初めてなので、一番下のGランクからのスタートなの」
「本格的に始めて、もっと上のランクしたくない?」
「はい、やりたいです」
「実は、ミユも冒険者登録は初めてなの。だから、エルミアと同じよ」
「えっ、そうなんですか。慣れているように、見えました」
「ダンジョンは、初めてではないの。だから、慣れてはいるわ」
「それじゃ、これから、装備を購入していくわよ」
「はい」
私達は、街の鍛冶屋に入っていった。そこで、エルミアとミユの装備を購入することにした。
「すみません。この子たちの装備を購入したいのですが、見繕ってくれますか?」
「はい、いいですよ。こちらは、白魔導士ですね。こちらの方は、黒魔導士でいいですか?」
「ミユは、白魔導士ね。エルミアは、どうする?」
「私は、キリと同じがいいです。普通は、黒魔導士で、少しは、攻撃できる武器を持ちたいです」
「そうね。エルミアは、力がないみたいだから、弓などはどうかな?」
「はい、それで、いいです。」
「それから、ダガーも持っているといいね」
「はい、お願いします」
私は、店員を呼んで、エルミアの希望を伝えた。
「はい、わかりました。揃えてきますので、暫く、お待ちください」
私達は、待っている間に、色んな武器を見て歩いた。すると、店員が呼ぶ声が聞こえた。そちらに行って見ると、装備や武器を並べていた。
「こちらになります」
ミユとエルミアは、装備や武器を確認していった。ミユも、エルミアも気に入ったようだ。試着して身体に会うことを確認してから、購入した。
私達は、鍛冶屋を出て、一旦、魔法学院に帰ることにした。
「そろそろ、魔法学院に帰るわよ」
「「はい」」
「それじゃ、転移魔法で、私の部屋に移動するよ。私に掴ってね」
ミユとパープルとエルミアが、私の腰に抱き付いた。私は、転移魔法で、魔法学院の自分の部屋に移動した。
「ねえ、明日もダンジョンに行かない?」
「いいです」
ミユが喜んで、賛成した。
「お願いします」
エルミアも、嬉しそうだ。本当に、ダンジョンが気に入ったようだ。
私達は、夕食を取りに食堂に行った。そして、明日の為に、アイテムボックスに弁当を入れておくことにした。
「今日は、いっぱい働いたから、沢山食べるよ」
私が、声を出す前にパープルは、もう、皿に肉を山のように積み上げて、席についていた。
私達も、皿に肉やパンを取り、パープルの横に座った。
「エルミアも、一杯、食べてね」
「はい」
私達が食べていると、クルドが、私を見つけて、大急ぎでやって来た。
「キリ、久しぶりだな。これまで、どうしていた?」
「クルド、久しぶりね」
「おい、それだけか? 今まで、どうしていたんだ?」
「貴方に何か、関係があるの?」
「同じ魔法学院の同期だろ。気にしたら、可笑しいか?」
「あら、心配してくれていたの。それは、ありがとう。でも、私は、元気よ」
「それぐらい、見れば、分かるよ」
「また、授業は、出るんだろ」
「もちろんよ、卒業するよ。私」
「そうか、それなら、いい」
そういって、クルドは、私から離れていった。本当に、心配していたみたいだ。これからは、もう少し、相手をしてやってもいいかな?




