68ー2.魔人タウ、再び(2)
魔人タウとの戦いは、もう一度、最初から、仕切り直しになってしまった。
「キリ、先にハルトと、その機械を破壊してくれる」
「はい、わかった」
私は、円柱形の機械の周りを闇魔法で結界を作り、魔人タウの影響を遮断した。それから、雷を連続で落とすことにした。
「雷柱
雷柱
雷柱」
やはり、雷が弱点の様だ。円柱形の機械の動きが鈍くなってきた。
「ハルト、今よ」
「おぅ、ドリャー」
ハルトの大斧が円柱形の機械の上部に大きな穴を開けた。私は、すかさず、雷をその中に落とすことにした。
「ハルト、避けて」
私の声と共に、ハルトが横に飛んだ。
「雷柱」
円柱形の機械の中に雷が吸い込まれていった。それと共に、大きな爆音がなり、円柱形の機械は、ばらばらに飛び散ってしまった。だが、その部品は、思っていたものと少し違っていた。もっと、電気的な機械かと思っていたのだが、からくり人形の内部のような感じだった。機械仕掛けという感じ、昔の時計の中を拡大したような雰囲気だった。
「キリ姉、やったよ」
「ハルト、直ぐにこっちに来て!」
キリ姉の声が大きく響いた。私は、パープルを呼び、その背に乗って、魔人タウの前に移動した。ハルトも、ダッシュで、キリ姉の横に移動した。
「ミユ、後ろに下がって、ハルトを強化して!」
ミユは、後ろに下がりながら、ハルトを強化した。
「はい、
スキル魔力耐性向上、
スキル物理攻撃向上、
スキル魔法攻撃向上、
スキル攻撃速度向上」
私は、闇魔法で結界を作り、ミユを保護した。それから、魔人タウへの攻撃を開始した。
「雷嵐」
しかし、私の魔法は、魔人タウの周りで、かき消されてしまった。
「キリ姉、だめ、魔法が届かないよ」
「ミユ、光魔法で、魔人タウの周りの結界を消して」
キリ姉が、ミユに指示を出した。
「はい、
浄化魔法」
「聞いていない様よ。別の魔法を使った見て!」
また、キリ姉がミユに指示を出した。
「はい、
最上級解呪魔法」
今度は、効いたようだ。
「キリ、今よ」
「雷柱」
今度は、魔人タウに雷が落ちた。
「グァー、まだ、まだ。やれるぞ」
「雷柱、
雷柱、
雷柱」
少し効いたようなので、私は、連続攻撃をした。すると、キリ姉の横に居たハルトが、一気に魔人タウの前に出て、大斧で、切りつけた。
「ドリャー」
大斧は、魔人タウの左肩に食い込み、血しぶきを上げた。しかし、魔人タウは、それを気にも留めずに、どこかから鎖を取り出し、ハルトを縛り上げた。そして、ハルトをクサリごと振り回し始めた。
「どうだ! もう、大斧は使えないだろう!」
私は、パープルに魔人タウに飛び掛かるように頼んだ。
「うん、行くよ」
私は、アイテムボックスから、聖剣を取り出し、光魔法で、魔力を注ぎ込んだ。すると、聖剣は、光輝き、光の剣となり、大きさをどんどんを大きくしていった。そして、パープルが、魔人タウの3m前に来た時には、聖剣の光の剣が魔人タウの胸に突き刺さっていた。
「うぅ。聖剣か」
「どうだ、降参するか?」
私は、魔人タウに尋ねた。できれば、殺したくなかった。
「いや、聖剣で、殺されるなら、本望だ。私は、戦いの中で、死にたかった」
「だめだ、降参しろ!」
私は、再度、魔人タウに尋ねた。聖剣の光は、魔人タウの身体を包み込み始めた。それと共に、魔人タウの身体が消え始めた。殺すというよりは、聖剣で、浄化しているような感じだ。
「おい、これが最後だぞ。降参しろ」
「ありがとう」
ついに、魔人タウは、消えてしまった。そして、聖剣の光も小さくなり、元の聖剣の姿に戻っていた。
ハルトの身体を拘束していた鎖も、魔人タウが消えるとともに、消えてなくなっていた。
「やったわね。キリ」
「うん。でも、殺したって、感じじゃなかったわ」
「そうね。なんだか、別の世界に消えていったような感じね」
「結局、魔人タウからは、有益な情報は、聞けなかったわね」
「そうね。でも、本人は納得できたみたいで、良かったのかなぁ?」
私達は、次の島に渡るための準備を始めた。遺跡に描かれていた魔法陣を使っても良かったのだが、余分な魔力を注ぎたくなかったので、移動用の神具を作ることにした。
「キリ姉、新しい神具を作るから、少し、待ってくれる?」
「良いわよ。その間に、食事をするわね」
「キリ姉、ずるい。私も、先に食べる」
私達は、ミユの用意してくれた、食事を食べて、少し休憩を取った。それから、私は、魔法陣を解析して、新たに神具を作った。
「お待たせ。出来たわ」
「それじゃ、行こうか」
キリ姉の声掛けと共に、私は、神具に魔力を注ぎ込み、転移魔法用の魔法陣を起動させた。そして、私達は、次の島であるシータ島に移動した。




