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62.魔人タウ(1)

 私達は、レッド・ドラゴンの炎息(ファイア・ブレス)を避けながら、ハルトの攻撃で、何とか、倒すことが出来た。前回、遭遇した時に比べると、遥かに楽に倒せた。


 キリ姉が、ハルトに抱き付いている。毎度のことながら、ちょっと、目に余るね。


 「ハルト、凄い。よくやったわ。」


 「いや、皆の協力のお陰だよ。僕一人の力じゃないよ。」


 「いいのよ。そんな謙遜をしなくても。」


 「謙遜じゃなくて、本心だよ。」


 「ハルトは、もっと、自分を信じないとだめよ。」


 「うん。わかったよ。」


 ハルトが、キリ姉を抱き上げて歩き始めた。あらあら、これで、魔人タウと戦う準備ができるのかな?


 「キリ姉、そろそろ、最下層だよ。魔人タウがいるよ。」


 「キリ、そんなことは、分かっているわよ。」


 キリ姉は、ハルトとの仲を邪魔されたと思い、怒っている。もう、大丈夫かな。


 「ハルトも、キリ姉も、もっと、慎重になってください。」


 珍しく、ミユが怒っている。


 「はい、わかったわ。」


 キリ姉は、ハルトの腕から、下りて、自分の足で歩き始めた。少しは、効いたようね。


 「ミユ、ハルトを強化してね。」


 「はい。 

 スキル魔力耐性向上

 スキル物理攻撃向上

 スキル攻撃速度向上」


 私は、アイテムボックスの中に入れている聖剣を確認した。魔人をこれで、殺してもいいのか、まだ、迷っているけど、準備だけはしておこうと思った。


 「ハルト、気を付けて、何だか、厭な雰囲気よ。何か、あるわ。」


 急に、ミユが叫んだ。ハルトは、ダッシュする直前だった。目の前には、魔人タウがいる。


 私も、ミユの声に驚いた、急いで、スキル探索を使った。確かに、何か、装置のような物が隠されている。


 「浄化魔法(ピュリフィケーション)


 「浄化魔法(ピュリフィケーション)


 ・・・


 「浄化魔法(ピュリフィケーション)


 何度も、繰り返して、周囲を浄化していった。少しは、あの厭な雰囲気は消えたが、まだ、何か、在りそうだ。


 「ミユ、解呪魔法を使ってくれる。それも、最上位で。」 


 私は、少し気になったので、ミユに、解呪魔法を使って貰うことにした。


 「最上級解呪魔法(マキシマ・ディスペル)


 すると、あの厭な雰囲気が消えた。そして、それと共に、円柱形の装置が現れた。それには、太いリングで作られた鎖が、巻き付けられていた。そして、その鎖の先には、大きくて重そうな球が取り付けられていた。


 「ほう、この装置を見抜いたのか。流石だな。」


 魔人タウが、初めて、声を上げた。


 「私は、魔人タウだ。初めましてで、さようならだな。お前たちは、ここで、死ぬ運命だ。」


 「お前こそ。ここで、私に倒される運命だ。此処を、貴様の墓場にしてやる。」


 ハルトが、魔人タウに答えた。


 「それでは、始めるか。」


 魔人タウは、大剣を抜き、構えた。それに呼応して、円柱形の装置が唸り始めた。そして、回転を始めた。


 鎖が伸びて、先についていた球がハルトを襲う。何とか、球を避けているが、魔人タウに集中できないようだ。


 「キリ姉、あの装置は、機械仕掛けみたい。魔力を感じないの。どう思う?」


 「本当ね。気が付かなかったわ。魔力を感じないわ。キリの言うとおりよ。」


 「分かったわ。」


 私は、雷を落とすことにした。


 「雷柱(サンダー・ポール)


 うまく、装置にあった。少し、回転が遅くなったように感じた。


 「雷柱(サンダー・ポール)


 やはり、効いているようだ。もっと、魔法のレベルを上げることにした。


 「雷嵐(サンダー・ストーム)


 「雷嵐(サンダー・ストーム)


 機械は、うなり音を上げて、ついに、その回転を止めた。


 「おい、待ってくれ。」


 魔人タウが急に、後ろに下がり始めた。


 「話し合いだ。そうだ、戦いは中止だ。」


 「今更、何を言っている。ここは、お前の墓場だ。」


 「なあ、話せば、分かる。そうだろう。」


 どうしたわけか、急に、魔人タウが怯え始めた。ひょっとして、この魔人は、雷が弱点かなぁ。


 ちょっと、試しに、近くに落してやろう。


 「雷柱(サンダー・ポール)


 少し離れた所に、雷を落とした。すると、魔人タウは、慌てて、その場を離れた。


 「急に、何をするんだ。話し合いをしようぜ。」


 やはり、弱点は、雷みたいだね。


 「キリ姉、どうする?」


 ハルトが、後ろを向いて、キリ姉に尋ねた。私も、キリ姉の考えが気になって、そちらを向いた。


 皆が、魔人タウから、目を離した瞬間、魔人タウは、後ろに走り出した。そして、転移魔法で、移動をしてしまった。


 私は、直ぐにスキル探知で、魔人タウの行方を追った。すると、まだ、このTau(タウ)島に居ることが分かった。どうも、転移魔法では、他の島に移動できないようだ。


 「キリ姉、魔人タウを見つけたわ。」


 「どこに居るの?」


 「遺跡の中に隠れているわ。キリ姉、魔人タウを殺すの?それとも、封印するの?それとも、話し合い?」


 「どうしようかなぁ。思ったより、弱そうね。」


 「確かに、直ぐに、逃げ出したものね。」


 「それに、魔王軍と言う感じもしないね。普通に上級ダンジョンという感じだから。」


 皆、迷っている。もっと、強かったら、脅威を感じて、倒そうと思ったかも。でも、余り、脅威を感じなかったから。迷ってしまった。

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