57.魔人ブラックの行方
魔人ブラックの行方を捜しているが、有効な情報がない。魔人ブルーは、魔大陸へ渡ったというが、魔大陸など、聞いたことがない。
念のため、書籍のデータベースで、検索したが、場所を示すようなデータは、無かった。
「ねえ、キリ姉。魔大陸って、どこにあるのかなぁ。」
「そうねえ。何の情報もないって、変よね。」
「あの聖剣の時も、特定に人だけに情報が受け継がれていたよね。」
「そうね。そうすると、今回の魔大陸も、特定の人物にだけ、受け継がれているということ?」
「そうだと、思うわ。だって、あの魔人ブルーですら、知らないって、変でしょ。」
「確かに、魔人ブラックは、魔王の復活を願っていたから、色々と調べていたのね。」
「ねえ、魔人ブラックって、どこかの神官をしていなかった?」
「そうだ、神官だったね。あれは、どこだったかなぁ。最近、物忘れが激しいの。歳かなぁ。」
「何言ってんの。あんた、まだ、15だよ。」
「そうだったね。自分の歳すら、忘れてたよ。
うーん、どこだったかなぁ。あっ、ザーセン王国の神官をやってたよ。そこで、魔王を復活させたんだ。」
「でも、元々は、違うところに居たのでしょ。」
「そうだったね。リーグリ王国の上級神官をやっていたよ。」
「リーグリ王国の国王に、また、お願いする?」
「そうだね。この森林のことや、色々と報告もあるし、会いに行こうか。」
キリ姉は、ハルトに相談している。また、ハルトに国王と交渉して貰うつもりだ。
今回は、ミユも一緒に行くって言っている。リーグリ王国の国王を見てみたいようだ。何故かな?
私達は、パープルも含めて、キリ姉のパーティー全員で、リーグリ王国の国王に会うことになった。
私は、全員を連れて、転移魔法で、リーグリ王国の王宮に移動した。今回も、勇者ハルトがいるので、アポなしで、国王に会うことが出来た。
「オレンジ国王、先日は、森林の件で、お願いを、お聞き頂きありがとうございます。」
「勇者が、遠慮する物ではない。余も助かった。あの土地の者たちに、色々と嘆願されておったのだ。」
「今回は、無事街の復興が出来たことと、上級ダンジョンに魔王軍を抑え込むことが出来ていることを、ご報告させてもらうために来ました。」
「ご苦労だった。他に、何か、望むものはないか?」
「実は、ひとつ、国王にお教え頂きたいことがあります。」
「ふむ、それは何かな?」
「実は、魔大陸のことです。」
「何、魔大陸だと。勇者よ。それをどこで聞いたのだ。」
「えっ、どういう意味ですか?」
「魔大陸という言葉自体が、封印されているのだ。それを使ってはならぬ。」
「国王、なぜです。」
「この世が終わるからだ。」
「この世が終わる、っていうことは、何か、災害が起こるということですか?」
「そうではない。あの場所は、本来、封印されているのだ。場所自体が、結界によって、分からないように隠されている。そして、そのことは、我が国の代々の神官長が管理していることなのだ。
私ですら、場所どころか、何も、知らされていない。神官長のみが知っている。」
「その神官長に会わせてください。」
「たとえ、勇者といえども、それだけは、だめだ。会って、情報を得ようとするだろう。だから、会わせられぬ。」
「そこを何とぞ、お願いします。」
急に、ミユが前に出て来た。ハルトとオレンジ国王の間に立って、光魔法を放った。闇魔法の解除魔法だ。
「解呪」
ミユの声が王宮に響き渡った。すると、オレンジ国王が、急に苦しみ始めた。
「止めてくれ。頼む、止めてくれ。」
オレンジ国王は、光魔法の解除魔法に反応している。闇魔法に侵されていたのだ。
キリですら、騙されていた。やはり、白魔導士のミユの力には、及ばないようだ。最近、急にミユのレベルが上がっているように思われる。あの魔王ズハアが復活してからだ、ミユの力が増大している。
オレンジ国王は、気を失って、倒れてしまった。
私は、素早く、闇魔法で、結界を張った。これ、我々の姿や声が聞こえなくなっているはずだ。
ミユは、オレンジ国王の傍にいき、光魔法で、治癒を始めた。
私は、赤のポーションを取り出し、オレンジ国王の口に流し込んだ。
「私は、どうしたのだ?君たちは、誰かね。」
「私達は、勇者パーティです。魔王討伐の為に、この国に来ました。」
ハルトが、オレンジ国王に説明を始めた。そして、これまでの経緯もゆっくりと丁寧に説明している。
やっと、この国も、元の健全な国に、なるだろう。




