55.魔人ブルーの行方
魔人ブルーが上級ダンジョンに潜んでいることが分かった。そこで、私達は、魔人ブルーに会いに行くことにした。
私達は、転移魔法で、目的に上級ダンジョンの近くに移動した。
「キリ姉、このダンジョンだね。魔人ブルーが潜んでいるのは。」
「でも、キリ、噂だけだから、本当に居るかどうか、分からないわよ。」
「まあ、行って見れば、分かるよね。」
今日は、特に戦闘をするつもりがなかったので、私とキリ姉とパープルの3人だけで、このダンジョンにやって来た。
噂では、このダンジョンで、ひっそりと暮らしているらしい。特に、魔物の氾濫もなく、この近くの住民は、普通に暮らしているようだ。
「さあ、潜るよ。」
キリ姉が先頭を切って、ダンジョンの中に入って行った。このダンジョンは、冒険者ギルドの管理下にないので、係員もいない。当然、手数料も払う必要がない。
私は、スキル探索で、ダンジョンの中を調べた。すると、魔物の群れには、必ず、1体リーダ的存在がいた。そして、魔物も整然としていた。以前のダンジョンとは全く異なった印象だ。
これは、完全に管理されている。最下層にひときわレベルの高い魔物がいた。それが、魔人ブルーだった。その近くには、少しレベルが低い魔物がいた。それは、後から分かったのだが、魔人ブローだった。この上級ダンジョンには、2人の魔人が全ての魔物を支配していた。
私達は、争う必要がないので、そのまま多くの魔物の横を通り抜けて、最下層まだ、やって来た。
「久しぶりね。魔人ブルー。」
「これは、キリ姉、それに、キリ、パープルだね。」
「あら、私達のこと、覚えてくれていたの。」
「それは、忘れられないよ。大事な交渉相手だからね。」
「魔人ブルー、あなた、本当に、共存を考えているの?でも、魔王はどこ?」
「実は、魔王どころか、その部下の魔人ブラックさえも、説得できなかった。申し訳ない。」
「魔人ブルーが謝ることはないよ。」
「でも、約束したからな。それを果たせなかった。それで、会わす顔がなかった。」
「どんな結果になっても、もう一度、戻って、説明すべきよ。」
「すまん。」
魔人ブルーは、本当に、申し訳ないと思っているようだ。
「それで、魔人ブルーは、私達とどんな交渉をしたいの?」
「我々は、このダンジョンを中心に生活していく。魔物も支配出来ているので、迷惑をかけることはないだろう。ただ、このダンジョンの中だけでは、十分な食料が得られない。そこで、この周辺の森林と、あと2つのダンジョンを我々に使わせて貰えないか。」
「私達にそんな権限はないよ。でも、誰かに、言って見るよ。」
「ありがたい。お願いする。」
ここは、リーグリ王国のノ-トライン街の真北にある上級ダンジョンである。そして、南西の方向にある森林の中に逃げ込んでいた平民は、街に戻って、復興を手伝っていた。しかし、その数は、3万人に過ぎなかった。
私は、キリ姉に提案した。
「このノートライン街の復興を魔人ブルーに頼むのはどう?」
「そうね。でも、魔人や魔物を街に入れるのは、抵抗があると思うよ。」
「そうか、街の人に恩を売れるし、いいかなぁって思ったんだ。」
「でも、大勢に人が魔物に殺されたんだよ。多分、だめだと思うよ。時間が掛かるよ。」
「わかった。それじゃ、私達で、街の復興を手伝わない?それなら、いいでしょ。」
「そうね。それなら、いいわ。手伝いましょう。それと、この森林一帯をダンジョン込みで購入しましょう。そうすれば、私達が許せば、魔人ブルー達を住まわせることができるわ。特に、今なら、安く買えると思うわ。」
「それは、いいね。誰に頼めばいいかなぁ。」
「それは、商業ギルドに頼むしかないでしょ。キリって、何も考えないのね。」
「そんなぁ、考えているよ。これでも。」
「そうは見えないけどね。」
「キリ姉、酷いわ。」
「それじゃ、商業ギルドの誰に頼むの。分かってる?」
「うーん、リーグリ王国の商業ギルドでしょ。だったら、あの人ね。」
「あら、名前は、どうしたの?」
「だから、あの人だって、行けば分かるよ。」
「やっぱりね。覚えていないのね。」
「だったら、キリ姉、名前を言ってよ。」
「ローザよ。聞いたら、思い出した?」
キリ姉は、得意そうに、顎を上にあげた。私は、がっくりして、頭を下げた。どうして、今日は、意地悪なの。私も、がっくりして、頭を下げたわ。




