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51. ザーセン王国軍の崩壊

少しでもお楽しみいただければ幸いです。

 ザーセン王国へ魔王軍が進軍を開始したという噂が流れて来た。すでに、リーグリ王国が魔王によって、崩壊したことは伝わっていた。


 そこで、ザーセン王国では、国境近くに、兵士を派遣した。特に、ダンジョンから、魔物が溢れ出てくることを想定して、国境近くにある上級ダンジョンを中心に警戒することにした。


 主な上級ダンジョンは、3つあった。3つすべてに同数の兵士を派遣するには、国王軍は、人数が十分ではなかった。


 そこで、3つの上級ダンジョンの内、中央にある上級ダンジョンに半分の数を割り当て、残りの兵士を2つの上級ダンジョンに均等に配置することにした。


 国王は、王宮の警護に1万人、中央の上級ダンジョンに1万人、その他の上級ダンジョンに5000人ずつを配置した。


 ザーセン王国の国王は、勇者に応援に来てもらいたかったのだが、いつも勇者との連絡を取っていた神官長のロシーアンが見当たらない。仕方がないので、国王軍だけでも先に派遣した。


 暫くして、キリ姉は、ザーセン王国の国王が勇者を探していると冒険者ギルド長から聞いた。


 それと、その理由が、「ザーセン王国へ魔王軍が進軍を開始したので、応援を求む」と言うことも知った。冒険者ギルドへの正式な依頼ではないが、助けに行くことにした。それも、勇者だけでなく、キリ姉のパーティーとして、応援に行くこととなった。


 魔王軍の魔物はかなりの数になっていると聞いたので、まずは、兵士用のマナドールを送ることにした。各ダンジョンの第8階層には、特別な施設が併設されているので、そこにアイテムボックスに入った兵士用マナドールを送ることにした。それと、指揮者として、パーティーアクエィアス【メンバー:アクエィアス(キリ姉)アリエス(キリ)レオ(パープル)】とパーティーピスケスピスケス(キリ姉)タウラス(キリ)ヴァルゴ(パープル)】を送ることにした。


 アクエィアスのパーティーをリーグリ王国の真北にある上級ダンジョンに送った。


 また、その東にある上級ダンジョンにピスケスのパーティーを送った。


 そして、西の端にある上級ダンジョンには、キリ姉のパーティーが転移魔法で移動した。


 それぞれの上級ダンジョンには、すでに、各2万の兵士用マナドールの配置が完了していた。


 「さてと、私達のパーティーが一番乗りのようね。兵士用のマナドールも、上級ダンジョンの出入口に整列しているね。」


 と、アクエィアス(キリ姉)が言った。


 「アリエス(キリ)、スキル探索で魔王軍の配置を調べてね。」


 「はい、ちょっと待ってね。」


 スキル探索で調べたところ、魔王軍は、魔人レッド率いるゴブリン1万の兵力だった。


 それに敵対しているのが、ザーセン王国の王国軍1万の兵士だった。


 「先に、兵士用マナドールを王国軍の前に出すよ。レオ(パープル)が、引き連れて行って。」


 「はい、行ってきます。」


 「アリエス(キリ)、私達は、魔人レッドの相手をするよ。」


 「はい。」


 私達は、急いで、王国軍の前に出た。そして、王国軍の指揮官らしき人に告げた。


 「私達は、ザーセン王国の国王からの依頼で、助けに来ました。先に、私達と、私達の軍団である小型のゴーレムで先陣を切りますね。」


 「分かった。よろしく頼む。

 おーい、兵士の諸君、国王からの応援が来た。まずは、応援部隊が戦う。我々は、最初は、待機だ。」


 「「わかりました。」」


 「アクエィアス(キリ姉)、取り敢えず、攻撃しちゃう?」


 「いいよ。やっちゃって。」


 アクエィアス(キリ姉)は、思念伝達で、キリ姉とピスケス(キリ姉)に攻撃を開始することを伝えた。


 アリエス(キリ)は、突進しながら、火炎地獄(インフェルノ)を連続で放っていった。


 火炎地獄(インフェルノ)を1回放つ度に、ゴブリンが300匹ほど、焼け死んでいった。


  アリエス(キリ)は、一直線に魔人レッドの目の前まで、突っ切って行ってしまった。


 「あれ、ここまで、来ちゃったよ。やりすぎたかな?」


 「お前は、何やつだ。我が軍団の邪魔をするか。容赦はしないぞ。」


 「へっ、へっ、へ。やってみてよ。出来るものならね。」


 「吠え面を描くなよ。火炎地獄(インフェルノ)


 「なかなか、やるね。ちょっと、効いたよ。それでは、氷柱地獄(アイスクル・ヘル)

 火魔法が得意な魔人レッドは、水魔法が逃げてるのじゃないかな?」


 「ふっふっふ。まだまだ、これからだ。

 火炎地獄(インフェルノ)火炎地獄(インフェルノ)火炎地獄(インフェルノ)


 「おっと、3連続とは、やるね。なんだか、以前より強くなっていない?」


 「その通り、以前、誰かに負けたままではないぞ。遥かにレベルアップしている。」


 「そうなんだ。だから、効いているのね。前のレベルだったら、効かなかったのに。」


 「そうか、効いているか。降参するなら、今だぞ。」


 「仕方がないな。こっちも、連続で行くわよ。

 氷柱地獄(アイスクル・ヘル)氷柱地獄(アイスクル・ヘル)氷柱地獄(アイスクル・ヘル)

 氷柱地獄(アイスクル・ヘル)氷柱地獄(アイスクル・ヘル)氷柱地獄(アイスクル・ヘル)


 「おぉー。HPが無くなって来た。このままでは、まずいな。」


 アリエス(キリ)は、スキル鑑定で、魔人レッドの残りHP・MPを調べた。


 すると、魔人レッドが言っていることは嘘ではなかった。どちらも、総量の2割程度しか残っていなかった。アリエス(キリ)は、逃げられないように、キリから教えて貰っていた結界を張った。そして、封印する準備を行った。


 「これで終わりよ。

 氷柱地獄(アイスクル・ヘル)氷柱地獄(アイスクル・ヘル)氷柱地獄(アイスクル・ヘル)


 「うぉー。もうだめだ。」


 魔人レッドは、倒れた。それと同時に、魔人レッドは、転移魔法で移動しようとした。しかし、既に結界は張られており、転移魔法は、起動しなかった。アリエス(キリ)は、魔人レッドを結界で完全に閉じ込めた。


 アリエス(キリ)の後ろでは、魔王軍のゴブリンと兵士用のマナドールが戦っている。しかし、ハイパー・ゴブリンには、歯が立たない。そして、普通のゴブリンとの戦いでも、5対1ぐらいでないと駄目なようだ。思った以上に兵士用のマナドールは、弱かった。


 レオ(パープル)が、ハイパー・ゴブリンをターゲットにして、狩り始めた。100匹ほどいたハイパー・ゴブリンは、ほんのわずかの間に数えるほどになっていった。


 アリエス(キリ)は、兵士用のマナドールを傷つけないように、火力を抑えて、火魔法で範囲攻撃を行った。マナドールは、元が土人形なので、火には強い。焼けると固くなるぐらいだ。


 アリエス(キリ)の攻撃で、一気に挽回した。魔王軍を殲滅するのは、時間の問題だ。


 そこで、アリエス(キリ)は、魔人レッドの仕上げに取り掛かった。魂を分離して、それぞれを封印した。更に、結界で囲んだ。


 アクエィアス(キリ姉)は、後始末を兵士用のマナドールにさせていた。壊れたマナドールの回収を優先させていた。すべてが終わった後は、兵士用のマナドール約1万体を上級ダンジョンの中に誘導しようとしていた。


 この上級ダンジョンでの戦いは、王国軍の勝利で終わった。だが、応援がなければ、 ザーセン王国軍の崩壊もあり得た。

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