46.魔王直属の兵士
少しでもお楽しみいただければ幸いです。
キリとパープルは、3つ目のダンジョンコアを封印して、アイテムボックスに入れていた。
隠密魔法を起動したまま、キリとパープルは、ミユの所まで、戻って来た。
「キリ姉、終わったよ。無事、ダンジョンコアを2個回収したよ。
兵士の様子だと、他のダンジョンは、大丈夫みたい。すべて、制圧されたままだよ。」
「そう、それでは、これで完了ね。」
「今後の事を考えて、制圧されているダンジョンも、すべて装置を付けておかない?」
「そうね。いい考えだわ。お願いできる?」
「いいよ、パープルもお願いね。」
「うん、いいよ。」
「そうだ、レオとヴァルゴにも、手伝ってもらおう。そしたら、早く終わるね。」
「うん、そう思う。」
キリは、思念伝達で、レオとヴァルゴに連絡をとり、依頼を了承してもらった。
「キリ姉、それじゃ、行って来るね。」
「何が起こるか分からないから、無理はしないでよ。」
「はい、わかってるよ。バイバイ。」
キリとパープルは、隠密魔法を起動して、作業に向かっていった。
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魔王ズハアは、ブラックに仕事の依頼をしていた。
「私の直属の兵隊を創りたい。ブラック、できるか?」
「どのような兵隊をご希望ですか?」
「ゴーレムだな。あれは、身体が丈夫だ。」
「何体ほど、御所望ですか。」
「多ければ、多いほど良いが、少なくとも1万は必要だな。」
「魔王様、そのような数のゴーレムを探すことは無理です。せいぜいが、数10体かと思いますが。」
「何、ブラック、出来ないというのか。余の頼みだぞ。わかっているのか。」
「魔王様、探してみますが、かなり時間が掛かると思います。それでも、1万は、到底無理な数字です。頑張ってみますが、100体でご勘弁ください。それと、時間を約1ケ月は頂きたいです。」
「それほど、無理な注文だと申すのか。」
「はい、魔王様、無理でございます。」
「うーん、何か代案は無いのか?
ブラック、お前は知恵者じゃなかったのか?」
「本当のゴーレムでなくてもよければ、1000体を1週間で御用意します。」
「何、1000体と申したか。」
「はい、そうです、魔王様。」
「よかろう、すぐに取り掛かれ。必要な物は、自由に使ってよいぞ。遠慮はいらぬからな。
できるだけ、急げ。」
「はい、直ちに。」
魔人ブラックは、土魔法が使える魔人達に、土人形をゴーレムの形に作るように指示をした。
その土人形は、高さ3mにも達し、表面を強化されたもので、土人形と言うより、岩人形という方がぴったりした物だった。
複数の魔人達で作業を行ったので、1000体作るのに、それほどの時間は掛からなかった。
半日もすると、第96階層は、この岩人形で、埋めつくされた。
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キリ達は、順調に作業を進めていた。20以上もあるダンジョンを一つずつ例の装置に接続していった。当然、今回のさぎょうでは、新しい「ABAB」型のバリアを使って、ダンジョンと装置までの通路との出入口に結界を付くている。
これで、前より、魔物の侵入を防げるはずだ。万全ではないが、以前より安心できる。
最後のダンジョンの作業を終えたキリ達は、一カ所に集まった。
「ご苦労様、パープル。よし、よし。
レオとヴァルゴも、ご苦労様。
よし、よし。」
キリは、3人に声を掛けながら、頭を撫でていった。
3人とも、キリに撫でて貰って、とても嬉しそうだ。
「これで、完了ね。でも、せっかくここまで来たのだから。何か、したいよね。」
ザーセン王国とリーグリ王国の国境近くにある上級ダンジョンに来ていた。
キリ達4人は、隠密魔法を起動して、近くの神殿への出入口に近づいて行った。
キリは、思念伝達で、パープルに声を掛けた。
「何か、変だね。」
「うん。キリ、変だね。」
レオとヴァルゴも頷いている。
「神官達が居ないね。おかしい?」
「本当だ、これだったら、誰でも入れてしまうね。」
キリ達は、出入口から神殿へと向かった。しかし、何処へ行っても、誰にも会わない。
冒険者ギルドにも、冒険者どころか、神官達もいない。
どこの建物も以前のままで、綺麗なのに、人だけが居なくなっている。
キリは、スキル探索で、周囲の状況を把握した。
「この辺りには、魔物しかいないよ。」
神殿の横の遺跡にも以前いた神官達が居なかった。感知できるのは、ダンジョンの中の魔物だけだった。そして、その魔物のレベルが非常に高かった。通常の上級ダンジョンにいる魔物とは、桁違いの魔力量だった。
このリーグリ王国の街の作りは、他の王国とは違っている。
一つの街は、神殿を中心として、成り立っており、神殿の横に、遺跡と冒険者ギルドがある。
そして、それらは、神官達によって管理されていた。また、それらの施設はすべて、一つの閉鎖されたエリアの中にあった。更に、そこへの出入口は、神官達によって守られていた。
すべてが、神官達によって管理され、監視されていた。その王国の街に神官が一人もいない。魔物の気配しか、感知できなかった。
「これって、やばくない?」
「「うん、やばい。」」




