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45.ザーセン王国での依頼

少しでもお楽しみいただければ幸いです。

 ハルトは、ザーセン王国の国王に挨拶をしに行った。


 国王は、トード王国の国王からの切実な要望だを果たした、勇者ハルトには多大な恩を感じていた。


 そして、国王は、勇者ハルトがザーセン王国を捨てて逃げたということを、知らなかった。そのことを知っているのは、ザーセン王国の神殿の神官達のみであった。


 「国王、大変ご迷惑をお掛けしました。」


 「何を言っているのだ。私達は、いつも勇者に助けられている。だから、迷惑など、一度もかけられたことはない。」


 「さあ、近くに寄ってくれ。もっと、元気な顔を間近で、見せてくれ。」


 ハルトは、国王の言葉に従って、近くに寄っていった。


 「先日は、トード王国で、魔人を討伐したそうだな。」


 「はい、魔人サンドと言う者と戦いました。何とか、勝利することが出来ました。」


 「何を言っている。謙遜することなどあるあか。」


 「勇者のおかげで、トード王国は、危機を乗り越えることが出来たのだ。

 トード王国の国王も感謝していたぞ。」 


 「そうですか。喜んでもらえて、僕も嬉しいです。」


 「ところで、今日は、改まって挨拶など、どうしたのだ?」


 「ご無沙汰しておりましたので、近くまで、来たので挨拶をと、思いました。」


 「そうか、私のことも、気に掛けてくれているのだな。嬉しく思うぞ。」


 「それと、これから、ダンジョンの様子を見に行こうと思っています。

 状況は、どうでしょうか?」


 「ダンジョンか。今回は、兵士達が頑張って、何とか持ちこたえているようだ。」


 「そうですか。それは良かった。私も、少しは役に立つと思うので、助成したいと思います。」


 「そうか、行ってくれるのか。ありがたい。よろしく頼む。」


 ハルトは、王宮を後にして、キリ達にいるダンジョンに向かった。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 キリ達は、ダンジョンの第80階層にいた。


 「キリ、ダンジョンマスターを調べてみて。」


 「うん、さっきから、スキル探索で魔物を探しているのだけど、ダンジョンマスターはいないみたい。

 前の時と同じで、ダンジョンコアから魔物が出ているみたい。」


 「そうか。また、例の魔人が、何か仕掛けて来たのだろうね。」


 「キリ姉、そう思うわ。そうと決まれば、いい気に行っちゃう?」


 「いいよ。キリ、パープルが、と一緒に、狩っちゃって。」


 「はい、パープル、行くよ。」


 キリとパープルは、大きな爆発音と共に消えていった。


 キリ姉とミユがゆっくりと、ダンジョンの中を歩いていると、キリからの思念伝達が来た。


 「キリ姉、終わったよ。やっぱり、ダンジョンコアだったよ。いつも通りの後始末をするから、ゆっくり来てね。」


 「はい、もとから、そのつもりよ。のんびりと、行かせてもらうわ。」


 「キリ、パープル、ご苦労様。後で、美味しい物をあげるね。」


 「やったー、やっぱり、ミユは、可愛いね。」


 「はい、うれしいです。」


 パープルも喜んで、私に抱き付いてきた。久しぶりに猫耳のモフモフを揉んであげた。

 もちろん、頭のナデナデもしたよ。

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 キリ姉とミユが来た時には、すでに、装置も接続済みで、キリとパープルは、ジャレアッテいた。


 「この感じだと、他のダンジョンも一緒じゃないかな。」


 「キリもそう思う。私も、そうだと思うわ。」


 「それじゃ、他のダンジョンは、魔物はほっておいて、ダンジョンコアだけ処分していく?」


 「そうね。それが手っ取りばやいよね。」


 「それをキリとパープルに任せていい?」


 「もちろん、任せてよ。それじゃ、ちゃっちゃっと片づけてしまうね。」


 キリとパープルは、隠密魔法を起動して、文字通り消えてしまった。


 キリ姉とミユは、キリが封印して処理済みのダンジョンコアをアイテムボックスにいれてから、ダンジョンの出入口に向かった。


 もうすぐ、ハルトがやって来るからだ。キリ姉は、一段と嬉しそうに、歩き始めた。でも、先ほどまでののんびりではなく、すこし歩みが早まったように見えた。


 ダンジョンの出入口に着くと、ハルトが兵士達と一緒に魔物をダンジョンの中に追いやろうとしていた。


 キリ姉は、思念伝達で、ハルトに話しかけた。


 「ハルト、もう着いていたのね。もっと、急げばよかった。」


 「ついさっき着いた所だよ。国王との話に少し時間が掛かってしまい。

 遅くなってしまった。

 お待たせ。」


 「それで、国王は、怒っていた?」


 「うーん、それが変なんだ。全く怒っていなくて、感謝されたよ。」


 「どうして?」


 「トード王国の国王が感謝していたって、言ってたよ。」


 「なるほど、国王は、勇者が神殿から逃げていたことを知らなかったようね。」


 「そうなのか?」


 「そうよ。それどころか、魔人サンドのことで、トード王国の国王に泣きつかれたのね。」


 「それで、感謝というわけか。」


 「そうよ。でも、良かったね。恨まれていなくて。これで、堂々と、王宮に出入りできるよ。」


 「でも、あまり、嬉しくないな。キリ姉と一緒にいる方が楽しいから。」


 「そう。私はいつもハルトにと一緒にいるよ。王宮に行っても一緒よ。いいでしょ。」


 「うん。王宮に行くことがあったら、一緒に来て欲しい。」


 「わかった。約束よ。」


 「うん、約束だ。」

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