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44.新たな魔人

少しでもお楽しみいただければ幸いです。

 復活した魔王は、リーグリ王国の遺跡に封印されている魔人の封印を解くことにした。


 魔人ブラックは、他の魔人の封印を解くことが出来なかった。それは、魔王だけができる、特別なスキルが必要だった。


 「まずは、指揮官を増やそう。ブロー、ブルー、レッドは、私の指示する遺跡から、封印の神具を運んで来い。」


 「「はい、承りました。」」


 3人の魔人達は、素早く行動した。姿を消してから、暫くすると、大きな墓石のようなものをそれぞれが運んできた。


 「よし、私の前に並べよ。」


 「「はい、只今。」」


 魔王は、並べられた封印の遺跡の一つずつに対して、スキル封印解除を発動した。


 すると、石が粉々に割れて、魔人の姿が現れた。


 「魔王様、初にお目に掛かります。魔人グリーンです。」


 「魔王様、魔人イエローです。」


 「魔王様、魔人バイオレットです。」


 魔人達が、魔王の前で、膝間付き、挨拶をした。

 

 「私が、魔王ズハアだ。私の下でしっかりと働くのだぞ。」


 「「はい、わかりました。」」


 魔王軍の新四天王とでもいうべき、魔人イエロー、魔人グリーン、魔人バイオレットが、魔王ズハアの配下に就いた。


 復活した魔王ズハアの元に、魔物が集まって来た。魔物と共に大量の魔力がダンジョンの中を埋めつくした。豊富な魔力を元に、魔王ズハアは、次なる行動を開始した。


 「バイオレットは、居るか。」


 「はい、ここにおります。」


 「ダンジョンの中を調べ、それぞれの種族の中から、最も総魔力量の多い個体を私の前に連れてまいれ。」


 「はい、直ちに。」


 新たな魔人バイオレットは、ダンジョンの中を探し、ゴブリン、トロール、オーガ、サーペントを魔王の前に連れて来た。


 「魔王様、只今、戻りました。」


 「よし、よし、期待通りだな。」


 魔王は、連れてこられた魔物に対して、スキル上位進化を発動した。


 すると、魔物は青白い光に包まれたかと思うと、とてつもない魔力を秘めた上位種の魔物に進化した。

 

 それぞれが、ハイパー・ゴブリン、ハイパー・トロール、ハイパー・オーガ、ハイパー・サーペントに進化した。


 「よし、お前たちは、私の臣下として、各々の種族をまとめよ。」


 「「はい、魔王様。」」


 魔王により進化した魔物は、それぞれの種族のいる場所に向かっていった。


 「よし、順調だな。次は、直属の兵隊を創ろう。」


 魔王が、静かに呟いた。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


ザーセン王国の北東の上級ダンジョンから、魔物が溢れ出てきているという話は、キリ姉の所にも届いていた。


 「ハルト、ザーセン王国のダンジョンから、また、魔物が溢れ出てきているらしいよ。」


 「そうですか。街の様子は、どうなっていますか。」


 「ザーセン王国の兵士達が何とか食い止めているらしいよ。だから、街はまだ、安泰だよ。」


 「どうしたらいいですか?」


 「ハルトは、街の様子が気になるの?」


 「そうですね。お世話になっていた王国なので、心配です。」


 「それなら、助けに行く?

 でも、直接、ダンジョンに行くのではなく、国王に挨拶してから、行く方がいいね。」


 「そうですね。勝手に、逃げたわけですし、挨拶は必要ですね。」


 「国王への挨拶は、ハルト一人で大丈夫?」


 「はい、大丈夫です。」


 「そう、それでは、私達は一足先にダンジョンに行っておくね。」


 キリ姉は、思念伝達で、キリ達に連絡を取った。


 キリとミユとパープルが転移魔法で、やって来た。


 「キリ姉、お待たせ。それじゃ、いくわね。」


 キリは、すぐに転移魔法を使って、魔物が溢れ出ているダンジョンの近くに移動した。


 「魔物が溢れ出ているダンジョンは、ここ以外にもあるみたいね。」


 「まあ、一つずつね。」


 皆は、それぞれ、隠密魔法を起動した。


 「兵士達と対面で戦っている魔物は、そのままにしておきましょう。」


 「「はい。」」


 私達は、魔物の群れを相手にせずに、ダンジョンの中に潜っていった。


 ダンジョンの中は、魔物で、ごった返していた。このままでは、ダンジョンの中を進むことが出来ないので、キリが、ダンジョンの出入口からかなりの距離を取って魔物を範囲攻撃魔法で攻撃した。


 1発では、それほど、スペースが確保できなかったので、連続で、3発の範囲攻撃魔法を放った。


 「ちょっと、スペースが出来たわよ。」

 

 私が、皆に声を掛けた。


 「あそこまで、一気に行くわよ。遅れないでね。」


 キリ姉が、指示を出した。皆は、素早く、移動した。ミユがまだまだ慣れていないようで、少し心配だ。


 「キリとパープルで、第10階層までの魔物を狩りつくして。」


 「はい、キリ姉。任せて。パープル、行くわよ。」


 「はい、先頭で行きます。」


 「いいよ、私は、援護射撃するわね。」


 キリとパープルが、素早く移動した。至る所から、額発音が聞こえてくる。それが、どんどん、遠ざかっていく。暫くすると、ほとんど、聞こえなくなった。


 「それじゃ、私達もゆっくり追いかけるよ。」


 「はい、遅れないように頑張ります。」


 「いやいや、頑張らなくていいから。魔物を狩るのは、キリ達に任せておけばいいの。

 ミユは、全体の様子を見て、支援することに専念してね。決して、無理をしないでよ。

 あなたが、最後の砦なんだから。一番いいのは、あなたが何もしないで、終了することよ。

 わかった?」


 「はい、わかりました。大丈夫です。」


 「いやいや、張り切らなくていいって、言っているでしょ。本当に?」


 キリ姉とミユは、のんびりと、話をしながら、キリ達を追いかけた。

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