表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/123

37.策士の正体

少しでもお楽しみいただければ幸いです。

 キリは、通路から戻って来たパープルに尋ねた。


 「侵入者は、そんな様子だった?」


 「うん、老人だったよ。」


 「老人、本当に?」


 「少し話しかけてきて、すぐに消えたよ。」


 「何を言っていた?」


 「『面白い。いずれ、また、会うだろう。』って、言ってたよ。」


 「何が面白いのだろうね。」


 「そうだ、私の事を獣人って、呼んでいたよ。」


 「獣人って、言っていたの。ワーキャトじゃなくて。」


 「そうだよ。獣人って言っていたよ。」


 「そうか、冒険者じゃなさそうだね。」


 「うん、老人だからね。」


 「そういう意味じゃないよ。冒険者としての活動はしていなかっただろうということだよ。」


 「うん、わかった。老人だものね。」


 「昔から、老人じゃなかったと思うよ。」


 「でも、老人だよ。」


 「まあ、いいか。」


 何故か、パープルと話が合わなかったが、今度会う時は、私も見てみようっと。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 キリは、思念伝達で、レオ(パープル)ヴァルゴ(パープル)から、報告を受けた。先日、リーツ王国の国王から、聖剣の情報を急いで聞き出して欲しいと、依頼していた。


 『魔王は、聖剣で倒さなくては、死なない。そして、聖剣が正常に働くためには、光魔法で、聖剣を満たしてやらなければならない。

 このことは、代々聖剣を受け継いできた国王しか、知らないことだ。そのため、国王から聖剣を受け取る必要がある。その時に、国王から聖剣の歴史が語られる。』


 キリは、2人から報告を受けた。やはり、聖剣でなければ、魔王を倒すことが出来ないようだ。しかも、聖剣を扱うのは、光魔法が使える者しか、だめだ。


 ハルトは、光魔法が使えない。やはり、ハルトでは、魔王討伐は無理なようだ。


 以前、ステータスを見たときに、「斧戦士」とあったのは、事実だろう。いつか、このことを伝えなければならない。伝えるなら、早い方が良いのだろう。このことは、キリ姉から伝えた貰うのが良いと、キリは思った。


 私より、キリ姉の方が説明が上手だから。それに、私は面倒ごとは嫌だから。


 キリ姉に丸投げするって、決めたキリは、すっきりした気分になった。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 トード王国に、魔人が現れたという情報が流れた。それは、トード王国の国民の間に、すぐに広まった。ほぼ、一瞬の内に、すべての国民が知ることとなった。

 

 そして、そのことは、トード王国の国王からザーセン王国の国王にも伝えられた。トード王国の国王は、国宝の神具を使って、ザーセン王国の国王に直接伝えた。「すぐに、勇者を寄越して欲しい。」と、切実な要望だった。 


 ザーセン王国の国王は、依頼を受けて、直ちに勇者をトード王国に派遣するように、神殿に居る神官長ロシーアンに伝えた。神官長ロシーアンは、未だ、国王に勇者が不在であることを報告していなかった。しかし、そのことには触れずに、すぐに勇者を送ると、返事を出した。


 一方、トード王国の王宮に現れた魔人は、のんびりとした行動をとっていた。まるで、王宮に居座るかのようだ。


 少し遅れて、キリ姉の耳にも、この情報は届いた。キリ姉から、思念伝達で、キリ・パープル・ミユ・ハルトにも伝えられた。


 ハルトに至っては、すぐにでも、トード王国に行こうとしていた。多分、先日の魔人レッドへのリベンジ成功が影響を与えたのだろう。


 キリ姉も、ハルトを止める理由もないので、言ってもいいと、許可を出した。


 私達は、トード王国の王宮の図書館に接続している施設に転移魔法で移動した。


 そこから、一旦、隠密魔法を起動して、王宮の広場に向かった。


 王宮の広場には、魔人を取り囲んで、近衛兵達や神官達がいた。そして、国王や神官長もその場に揃っていた。


 何やら、魔人が大声を張り上げている。


 「俺は、魔人サンドだ。しばらく、ここだ厄介になるつもりだ。よろしく、頼むぞ。」


 「そんな、勝手なことは許されない。とっとと帰れ。」


 取り囲んでいる近衛兵達が、口々に返答した。


 「お前たちは、黙っていろ。まずは、国王を呼んで来い。」


 「お前のような者の要求は聞くことは出来ない。」


 「「帰れ、帰れ。」」


 またもや、近衛兵達が、返答している。


 近くの神官達が、「この押し問答を、いつまでやるつもりだ。いい加減にしてくれ。」と、ぼやいているのが、聞こえて来た。


 どうやら、魔人サンドは、ここに着てから、永遠と、このやり取りをしているようだ。


 どうも、楽しんでるように見える。相手をして貰えて、喜んでいるようだ。


 国王や神官長も近くにいるのに、何もしようとはしない。


 近くの神官達によると、「国王は、勇者が来るのをひたすら待っているようだ。」と言っている。


 キリ姉は、思念伝達で、ハルトに尋ねた。


 「どうも、ハルトを待っているようだよ。どうする?」


 「私は、戦いたいです。頑張ります。」


 「そうか、戦いたいか。でも、頑張らないでね。危なかったら、すぐに言ってね。」


 「はい、わかりました。」


 ハルトは、返事をするや否や、隠密魔法を解除して、広場の中央に出ていった。


 「魔人、待たせたな。私が、勇者だ。」


 「何、勇者だって、俺は勇者など、待ってはいない。国王を出せ。」


 すると、いままで、隠れていた国王が、神官長や神官・近衛兵に守られながら広場に姿を現した。


 「国王なら、ここに居るぞ。

 勇者よ、よく、参られた。私の横に来るがいい。」


 呼ばれたので、仕方なく、ハルトは、国王の傍に行った。


 国王は、ハルトを横に置き、落ち着いたようすだ。逆に、ハルトは、早く戦いたくてうずうずしている。落ち着きがない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ