33.更なるレベルアップ
少しでもお楽しみいただければ幸いです。
ハルトが心を開いてくれたので、私達の行動はやりやすくなった。特に、ハルトがリベンジに燃えている魔人レッドについては、対策がやりやすくなっていた。
今考えている対策は、2つある。1つは、毒・麻痺などの耐性を付けることだ。今の所、全員がLV70以上の耐性を付けることが出来ている。まだまだ十分ではないかもしれないが、最低の対応はクリアできていると考えている。
もう一つは、魔人レッドが行った、最後の魔法である火炎地獄である。これを避けるか、耐えられるようにしないといけない。
そのために、私とキリ姉は、火炎地獄を使える様に練習をしている。一応、使えるようにはなっているが、魔人レッドが行った火炎地獄と同じかどうかは、分からない。
そこで、一度経験のあるハルトに受けて貰い、確認してもらうことになった。
すごい、破壊力なので、それ用の特別闘技場を本部の地下11階に新たに作った。
私達は、地下の闘技場に集まった。私・キリ姉・パープル・ミユ・ハルトだ。
「ハルト、準備はいい?」
「いつでも、大丈夫。」
「それじゃ、まず、私から行くよ。」
と言って、キリ姉が火炎地獄を発動した。
「うぅ、凄い。あの時に、似ているよ。でも、今なら耐えられる。」
しかし、少しHPが削られている。
「ハルト、アイテムボックスの赤のポーションを1本飲んで置いて。」
「はい、キリ姉、飲んでおくよ。」
「次、私が行くよ。」
と言って、私はハルトに準備して貰った。
「火炎地獄
どうかな?」
「・・・」
「ん?どうしたの?」
何と、ハルトは、気絶してしまった。私とミユは急いで、光魔法で、治癒を開始した。キリ姉は、赤のポーションを何本もハルトに降りかけてから、口の中にも何本か流し込んで行った。
「うぅ、ふぁーあ。」
「「大丈夫?」」
皆で、ハルトに声を掛けた。どうやら、大丈夫の様だ。大きな怪我はないが、HPが一気に削られて、気絶したようだ。
「凄かった。魔人レッドが行ったものより、強烈だった。」
「そう、良かった。って、ハルトの怪我が小さくて良かったということよ。」
なんだか、誤解されそうで、私は、言い訳をした。
「うん、ありがとう。これに耐えられるように鍛えるよ。そうすれば、魔人レッドは、倒せそうだ。」
「わかった。準備ができたら、また、行くよ。」
「お願いする。」
私達は、ハルトが立ったまま耐えられるようになるまで、何度も繰り返して練習した。
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「キリ姉、魔人レッドは、火炎地獄を使ったよね。これは、火魔法の上級魔法だよ。そうすると、他に水魔法・風魔法・土魔法・闇魔法の上級魔法を使う魔人が居てもおかしくないよね。」
「そうね。他の魔法の上級魔法を使う魔人を想定しているほうがいいね。」
「そうでしょ。そこで、後、水魔法と風魔法の上級魔法を練習しておかない?」
「いいわね。早速、練習しよう。」
私達は、地下の闘技場で、水魔法と風魔法の上級魔法の練習を開始した。
「氷柱地獄」
「竜巻地獄」
闘技場に、私達の声が響き渡り、それと共に凄い威力の魔法が発動した。それが、何度も、何度も、繰り返された。MPが枯渇する前に、忘れずに青のポーションを飲んで、回復してから、次の魔法を放った。
十分に練習が出来たころに、お互いの耐性もレベルアップしておこうということになって、キリ姉と魔法の掛け合いを行った。
ハルトと違い、私も、キリ姉も、もともと魔力に対する耐性があるので、ひどいダメージを受けずにレベルアップをすることが出来た。
ミユも、耐性のレベルアップをしておいた方が良いので、私達の練習が終わるころに、ミユとハルトとパープルを呼んで、全員の魔法に対する耐性をレベルアップしていった。
後日、私は、こっそりと、土魔法と闇魔法の上級魔法を練習した。そして、自分自身をターゲットにして、魔法を放った。これを、繰り返し、耐性を付けていった。
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先日、リーグリ王国のグノーブ街の神殿に、パープルと一緒に調査していた時のことを思い出していた。神官長の秘密の部屋での行動を見張っていた。すると、神官長は、独り言を言い始めた。
「グノーブの神官長です。こちらは、まだ、何も変化がありません。
次の指示をお願いします。
・・・
わかりました。そのように準備しておきます。
それでは、また、明日、同じ時間で報告いたします。」
どうも、思念伝達で、誰かと話をしていたようだ。その会話を聞かれないように、この部屋に籠ったのだと分かった。
その相手は分からないが、また、明日話をするようなので、また、見張りにくることにした。
次の日に分かったことだが、相手は、魔人のようだった。そして、各王国に魔人を送っているということと、次に、誰かを、ウディーア王国の宮殿に送るということが分かった。
残念なことだが、その日付については、分からなかった。しかし、近日中であることは確かだ。
そこで、私達は、ウディーア王国の宮殿に、レオとヴァルゴの二人を送ることにした。そして、魔人が現れたら、思念伝達で連絡してもらうように依頼した。
あれから、もう1週間が経つ。しかし、まだ、2人から連絡がない。おかげで、十分な準備はできたが、少し、待ち草臥れてしまった。
「キリ、魔人が現れたよ。今、王宮の広場にいる。国王を出すように言っているよ。」
「分かったわ。直ぐにいくから、手を出さずに、監視だけしておいてね。」
「はい、分かった。」
私は、直ぐに、キリ姉に思念伝達で連絡を取り、皆に声を掛けて、王宮に来るように頼んだ。連絡が終わると、パープルと一緒に王宮に転移魔法で移動した。
王宮の広場は、兵士達で、ごった返していた。私達は、素早く、兵士達の最前列に移動した。目の前に、魔人の姿が見えたが、国王はまだ来ていないようだ。
「国王はまだか。早く呼べ。さもないと、この王宮を吹き飛ばすぞ。」
魔人は、脅しを掛けている。私は、スキル鑑定で、魔人のステータスを見た。
【ステータス】
名前:ブロー
本名:(隠蔽)
種族:悪魔族
職業:魔王の四天王
レベル:90
HP(最大体力量):500,000
MP(最大魔力量):100,000,000
魔法:土魔法(LV70)、火魔法(LV70)、水魔法(LV70)、風魔法(LV EX)、闇魔法(LV80)
スキル:毒耐性(LV70)、麻痺耐性(LV70)、魔力耐性(LV80)、物理耐性(LV70)
凄い魔力量だ。HPもかなりある。私は、スキル鑑定で確認したステータスをキリ姉に思念伝達で報告した。私は、キリ姉が来るまで、少し相手をしようと思った。急いで、隠密魔法を起動して、魔人の前に飛び出した。パープルにも、隠密魔法を起動させて、待機させた。
「誰だ、隠れていないで、出てこい。」
魔人が、私に気が付いた。闇魔法(LV80)もあれば、仕方がないか。しかし、兵士達には見えていないようなので、そのまま、隠密魔法を起動したままにしておいた。
「私が、見えるのか?それとも、感じただけか?」
「ふっ、ふっ、ふっ。我を試しているのか。」
「それじゃ、今、何本指を出している?」
「2本だろ。」
「ふっ、ふっ、ふっ。なんだ、見えていないのか。」
「細かな事は分からなくても、支障はない。このままで、攻撃できるぞ。」
「ふっ、ふっ、ふっ。やってみなさいよ。」
「よし、驚くなよ。竜巻地獄」
私の身体は、竜巻の中に取り込まれた。でも、問題ない。
「今度は、私の番ね。竜巻地獄
どうかしら、少しは効いているかな。」
魔人ブローは、魔力耐性があるので、効果はそれほどではなかったが、HPを半分は削ることが出来た。
「・・・」
「何とか、言いなさいよ。もう一発、行くよ。竜巻地獄」
「ウォー、止めてくれ。」
「どうしたのかなぁ?まだ、これからだというのに。もう、終わるの?」
「すまん、許してくれ。これ以上は耐えれない。」
「それじゃ、一つ教えてくれたら、許したあげるよ。」
「分かった、どうしたらいいのだ。」
「そうだね。魔人レッドの居場所を教えて、それで、いいよ。」
「わかった、魔人レッドは、リーグり王国にいる。」
「それじゃ、だめだよ。もっと、詳しく教えてよ。」
「リーグり王国にあるイーゼ街の神殿近くのダンジョンの中に潜んでいる。おそらく、最下層だ。」
「ありがとう。もう、帰っていいよ。」
「すまん。」
魔人ブローは、よろよろになりながら、帰って行った。
周りの兵士達は、何が起こったのか、正確な事は分からなかったようだ。
魔人ブローが自滅したように映ったようだ。
暫くして、キリ姉がやって来たが、事情を話して、皆で一緒に本部に帰った。レオとヴァルゴの2人には、引き続き、監視をお願いした。




